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崖っぷち聖女、拾ったショタ魔王がくっっさモフモフだったので、ついついお持ち帰りしてしまいました!?  作者: 向夏夜なくの
二章 日常と邪悪魔法

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第20話 聖女バトル

「お前ら!今日という今日は喝を入れてやる!」


アガサは頭が良い。仕事も出来るし、一部の特殊属性を除いて全ての属性魔法を使いこなす才女。


しかも実家は、ここら一帯の街を牛耳る辺境伯家。それ故に怖い物知らず。


口もすこぶる悪く、七色の悪口を使いこなす悪口のプロでもあった。


本気のアガサと口で対抗するのは愚策、もちろん魔法で対抗するのもシャーリー以外では勝ち目がない。


アガサの怒りは何故かマグノリアに向くことが多く、これまではボロ雑巾のように一方的に絞られてきた。


しかし、邪悪魔法を手に入れた今日のマグノリアは一味違う。


「アガサ聖女長、喝を賭けて勝負しませんか? 私が負ければ喝を受け入れます。ですが、私が勝ったら願いを一つ聞いてもらいましょう!」

「マグノリアてめぇ、何様のつもりだ? それに私にとって何の得もない賭けだろうが」

「ほほう!天下の聖女長が私に負けることを危惧しているのかしら? 万が一にも負けないのであれば、強者として受けるべきでしょう。聖女長のクセに器が小さいですわね!」

「はあ、何だと? そこまで言うなら良いだろう。今日という今日は千切れるまで絞り倒す!」


マグノリアが無謀にも勝負を挑んだのは、単にアガサに喝を入れられたく無いから。


ではなくて、勝負に勝ち、マオを自由に教会に連れ込む許可を聖女長から得るのが狙いであった。


「勝負のルールは公平にシャーリーに考えてもらいますから!」

「ユルリナは……考えられないだろうから仕方ない。シャーリー聖女、公平な勝負のルールを考えてくれ」

「仕方ないですね。分かりました」


マグノリアはバシバシと瞬きをしてシャーリーにアイコンタクトを送りつつ、口パクで「マ、オ!マ、オ!」と合図を送る。


何かを察したシャーリーは、アガサに気づかれない範囲でマグノリアに有利なルールをこねこね考えるのであった。







マグノリアとアガサを窓もない椅子しかない密室に閉じ込めて、準備は万端。


これから喝を賭けた勝負が始まろうとしていた。


シャーリーが考えたルールは単純で、先に部屋から外に出た方の負けである。


武器の持ち込みや使用は不可。丸腰の徒手で勝負を行う。しかも一切の暴力は禁止。そして、殺傷能力のある魔法も禁止だ。


禁止が多すぎて一体何が許されているのか分からないが、要するに相手を傷をつけない死なせない程度の魔法を用いて、先に相手の心を折れば勝ちとなる。


ルールを聞いた瞬間に、両者は共に「勝った!」と思った。


アガサはマグノリアが魔法を使えないと思っている為、負けようが無いと考えている。逆にマグノリアは非殺傷の邪悪魔法しか使えないため、物理での殴り合いは避けたかった。


「準備出来ましたか?」


シャーリーの声を聞いた二人の聖女は、密室で向かい合わせに座る。


「バッチリよ!」

「早く始めろ」

「行きますよ。よーい、ドン!」


シャーリーが開始の合図と同時に部屋から出て行くと、早速アガサが仕掛けた。


カラフルな色の積層魔法陣を瞬時に構築し、一瞬の内に無詠唱で三属性の複合魔法を起動させた。――幻覚魔法だ。

◯作者コメント


聖女バトルが始まりました!

(聖女バトルって何?)


マグノリアは勝ってマオを自由に教会に連れ込むことが出来るのか?

はたまた、喝られてしまうのか!?

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