第19話 聖女会議
聖女会議。
それはこの街の聖女が一堂に集い、月に一度必ず開催される会議のことである。
この街を拠点にしている聖女は現在四人。
今日の聖女会議では、先日マオが教会に入った時に破壊してしまった結界を、再び張り直すかどうかを決める予定となっている。
マグノリアがいつもの会議室に顔を出す時には既に、他の聖女は全員集まっていた。
「こんにちは!アガサ聖女長」
「ああ、クソッ。マグノリアこら! お前、視界に入るだけでムカつくんだよ」
アガサはこの街の教会で聖女長を務めている。マグノリアよりも五歳上で、幼い時から聖女ということもあり、聖女歴は断トツで長い。
聖女長はとにかく才能に溢れており、何事も人一倍、いや十倍出来た。
そのせいで仕事をしない他の聖女の分まで聖女長は働いている。彼女が居なければ、今頃この教会は文字通り終わっているだろう。
仕事を押し付けすぎていることが原因で終始キレ散らかしているため、譲らない性格のマグノリアとは常時戦争状態にあった。
「そっくりそのままお返ししますわ。まな板クソビッチさん、でしたっけ?」
「燃やすぞ!こら!」
「冷やすぞ!おら!」
「まあまあ、アガサさんもマグノちゃんも落ち着いて。――さもなくば、全てを消し炭にするわよ?」
シャーリーが核火葬砲をチラつかせることで
喧嘩の沈静化を行うと、ようやく会議は始まった。
「早速、今日の議題だ。まずは先日破れた結界を再構築するかどうかだな。破れた原因はマグノリアが結界の角に躓いたと報告があるが、報告者は正気なのか?シャーリー?」
「アガサさん。これだけ私は神に愛されているのですよ? なぜ信じられないのでしょう?」
マオが結界を破ったことがバレてしまったらヤバいので、絶対に信じて貰わなければならない。
シャーリーはおもむろに神聖魔法のチャージを始めた。右手が神々しく光る。
――ゴ、ゴゴ!
信じないと言おうものなら、全てが灰になるに違いない。
「わ、分かった、信じよう」
「信じてくれるならいいのよ笑」
マグノリアとシャーリーは、マオを自由に教会内に連れ込みたいと考えているため、結界の再構築には反対である。
聖女会議は過半数を超えていれば可決されるので、四人の聖女の内、あと一人を仲間につければ勝ちとなる。
「聖女長としては結界を再構築しないなど考えられん。私は再構築するに一票入れるぞ。そうしたら、まだ意見を言っていないのはお前だけだ、ユルリナ」
ユルリナもこの街に所属する聖女だ。
おっぱいが大きいだけの社会不適合者で、神聖魔法が使えるから聖女になれたものの、そうでなかったら引きこもりニートにしか成り得ない人間。
そんな彼女は、ナマケモノのように何もしないことで定評がある。
「はぁ〜い。結界構築って疲れるから反対かなぁ」
両手の人差し指を小さくクロスして、反対であることを表明する。
「これで決まりましたね」
「決まったわね」
「決まりましたぁ」
「お前ら!聖女としての自覚は無いのか! 結界が無い教会なんて、教会じゃない!」
アガサの思うようにいかなくて愉快な気持ちになったマグノリアは、ヘラヘラした口調で言う。
「結界って時代遅れよね笑 プフッ」
「私の神聖魔法よりも弱い結界を張る意味ってあるのかしら?」
「働きたくない……」
――ぷっちーん!
アガサの堪忍袋の緒が切れた。
◯作者コメント
この街の聖女が出揃いました笑
既出の情報を以下にまとめておきます。
①マグノリア(主人公)
マオ君を拾ったダメ聖女。大借金まみれ。
とにかくショタをモフりたい。
②シャーリー 『核火葬砲』
マグノリアと共犯してマオを匿う火力女。
とにかくショタをモフりたい(2人目)
③アガサ 『全属性』魔法の使い手
聖女長。短気まな板。
この世の全ての才能があるため、聖女四人分の仕事を全て一人で行なっている。
④ユルリナ
聖女界きってのナマケモノ。
胸が大きいこと以外に取り柄のない、社会不適合者。ほぼ寝ている。
このメンツでやって行きます!!




