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■第27話「刃を向ける理由」
最初に斬りかかってきたのは、顔見知りの兵だった。
何度も背中を預けた相手。
その剣が、今は敵として迫ってくる。
「なぜだ!」
叫びと共に振り下ろされる刃。
レイはそれを受け止める。
衝撃が腕に響く。
「……守りたいものができただけだ」
短く答える。
それがすべてだった。
正義も、任務も、命令も。
すべてを上回る理由。
「ふざけるな!」
怒声と共に、さらに攻撃が激しくなる。
当然だった。
裏切りは、何よりも許されない。
それでもレイは退かない。
背後には、リナがいる。
守るべき存在がある限り、折れるわけにはいかなかった。
刃と刃がぶつかり合う中で、確かに何かが終わっていく。
仲間だった関係。
信頼。
すべてが断ち切られていく。
それでも、前に進むしかなかった。




