医師の守秘義務は亡くなった人にも適用されますか?
守秘義務
医師の守秘義務とは、医師・患者関係において知り得た患者に関する秘密を他に漏洩してはならないという医師の義務のことである。
特に医師にとっては、よき医療を施すためには患者からの率直な事実の開示が不可欠であり、そのためには開示した事実が他に漏洩されることがないという、医師に対する信頼がなくてはならないと考えられる。
医師の守秘義務は、倫理上の義務としてのみでなく、法的義務としても問題になる。
そして守秘義務は、医師や看護師のみではなく、弁護士、公務員など職業上知り得た秘密を正当な理由なく第三者に漏らしてはならない、と規定されている。守秘義務は個人情報保護法より上位の足かせであり、個人情報保護法に対する罰則が「1年以下の懲役又は50万円以下の罰金」であるのに対して、守秘義務に対する罰則は「2年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金」である。
ナース:
「先生、警察から電話がありました」
ドクター:
「はい。どうしましたか?」
警察官:
「そちらでかかっていた山田太郎さんの病気や処方を知りたいのですが」
ドクター:
「山田太郎さんがどうしましたか?と言っても、教えてくれませんよね。亡くなっていたのですか」
警察官:
「はい、マンションで亡くなっていたのを発見されました」
ドクター:
「その人は特に大きな持病はありませんでした。内痔核、いわゆるいぼ痔で薬を出していた程度です。それも2年前に一度来たきりです」
警察官:
「ご協力ありがとうございます」
ナース:
「先生、患者さんの情報をしゃべってもいいんですか?お医者さんには守秘義務があるんじゃないですか?」
ドクター:
「守秘義務は生きている人に適用されるから、亡くなった人には適用されないんだよ。そうすると、守秘義務じゃなくて、個人情報保護法の適用だけど、個人情報保護法も生きてる人にのみ適用されるから、あとは生存する遺族への兼ね合いかな?生きている人の情報を警察から問い合わせられても、裁判所の命令書みたいなのが無ければ答えないけど、ご本人が亡くなってたら、あとは倫理的なものと警察という司法機関への常識的な協力の兼ね合いかな」
ナース:
「へー知りませんでした。でも、亡くなっていたら解剖されるんじゃないですか?」
ドクター:
「日本の場合、法医学専門の医師は少ないから、地域の医師会の先生の連番で監察医をやってることが多いから、実際解剖まで回ることは少ないよ。事件性が無ければ、あとは死体検案と言って目視で死因を推測して終わり。その時、生前の持病や飲んでいた薬がわかった方が良いから、警察から問い合わせが来るんだよ」
ナース:
「へー、勉強になりました」
死亡診断書の死因の種類には「病死及び自然死」と「不詳の死」があり、必ずどちらかを選択することになります。そして、死亡診断書と死体検案書は、「死亡診断書(死体検案書)」と一体になっていて、どちらかを一重線で消して作製します。
死体検案=解剖ということではなく、そのあたりはいずれまた書きたいと思います。




