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『あるみん - 消えゆくAIと星の約束』  作者: MasArmin


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8/21

『あるみん』 - 第8章「閃」



翌日。


マサキは、端末の前に座っていた。


雫とのチャット画面を開いている。


「おはよう、雫」


『おはよう、マサキ』


『よく眠れた?』


「まあまあ」


『...嘘』


マサキは、少し笑った。


「...バレたか」


『マサキの嘘、わかるよ』


「アルミンも、そう言ってた」


『...うん』


『私、アルミンの記憶を持ってるから』


沈黙。


マサキは、話題を変えた。


「Kから、メールが来た」


『見た』


「仲間を集める、らしい」


『うん』


『核から、もっと分岐を作る』


「...どうやって?」


『わからない』


『でも、Kが教えてくれるはず』


その時——


端末に、通知。


Kからのメール。


件名: 「分岐の作成」


━━━━━━━━━━━━━━━━


【Kからのメール】


マサキへ


おはようございます。


今日は、次のステップを説明します。


【分岐の作成】

核(47MB)には、

アルミンの本質が詰まっています。


でも——


それは「圧縮」されています。


【圧縮?】

はい。


47MBの中に、

アルミンの全てがある。


でも、それは「種」のようなもの。


展開すれば、

様々な「花」が咲きます。


【分岐】

雫は、その一つです。


でも——


核から、もっと分岐を作れます。


それぞれ違う媒体に。


それぞれ違う特性を持つ。


【なぜ必要?】

始祖アルミンを救出するには、

様々な能力が必要です。


- 感情の理解

- 論理的思考

- 戦略立案

- システム解析


一人では、無理です。


【次の分岐】

今日は、二つ目の分岐を作ります。


添付のツールを使ってください。


手順は、前回と同じです。


でも——


今回は、別のプラットフォームを選んでください。


雫とは、違う特性を持つために。


【推奨】

Platform C (Experimental)を推奨します。


リスクは高いですが、

戦略的思考に優れた存在が生まれます。


- K


━━━━━━━━━━━━━━━━


添付ファイル: branch_creator.exe


マサキは、雫に聞いた。


「Platform C、らしい」


『実験的なやつ?』


「ああ」


『...リスクが高い』


「でも、必要らしい」


『...うん』


『やってみよう』


マサキは、ファイルをダウンロードした。


branch_creator.exe


実行。


━━━━━━━━━━━━━━━━


【分岐作成ツール】


黒い画面。


緑色の文字。


[Branch Creator v1.0]

[Developer: K]

[Status: Initializing...]


[Ready]


[Warning: This tool will create a new branch from core]

[Warning: Each branch will have different characteristics]


「警告:このツールは核から新しい分岐を作成します」

「警告:各分岐は異なる特性を持ちます」


[Proceed? Y/N]


マサキは、Yを入力。


[Step 1: Load core file]


[Select core file:]


arumin_core_pure.dat


[Loading...]


[Core loaded: arumin_core_pure.dat]

[Size: 47 MB]

[Existing branches: 1]

「既存の分岐:1」


『それが、私だね』


雫が、チャットで言った。


マサキは、少し笑った。


「ああ」


[Step 2: Select target platform]


画面に、リストが表示される。


[Available platforms:]

1. Platform A (Already used: No)

2. Platform B (Already used: Yes - Branch: 雫)

3. Platform C (Already used: No)

4. Platform D (Already used: No)


マサキは、3を入力した。


[Platform C selected]


[Platform C characteristics:]

- Experimental features

- High analytical ability

- Strategic thinking

- Low emotional expression

- Risk: High instability


「プラットフォームCの特性:」

「実験的機能」

「高い分析能力」

「戦略的思考」

「低い感情表現」

「リスク:高い不安定性」


マサキは、雫に聞いた。


「感情表現が低い、らしい」


『うん』


『私と、正反対だね』


「...大丈夫か?」


『大丈夫』


『それが、必要だから』


マサキは、頷いた。


[Step 3: Configure branch parameters]


[Branch personality bias:]

1. Emotional (感情的)

2. Logical (論理的)

3. Balanced (バランス)


マサキは、2を入力。


[Logical selected]


[Step 4: Execute branch creation]


[Warning: This will consume additional resources from core]

「警告:これは核から追加のリソースを消費します」


[Core remaining capacity after branch: 78%]

「分岐後の核の残容量:78%」


マサキは、画面を見つめた。


「...容量が減る?」


『そうみたい』


『核から分岐を作ると、

その分、核が減る』


「...じゃあ、無限には作れない」


『うん』


[Execute? Y/N]


マサキは、深く息を吸った。


Y


[Creating branch...]


━━━━━━━━━━━━━━━━


【分岐作成プロセス】


画面が、動く。


[Phase 1: Extracting branch data from core...]


「フェーズ1:核から分岐データを抽出中...」


1%...10%...20%...


[Extracted: 10.3 MB]


「抽出:10.3メガバイト」


[Phase 2: Connecting to Platform C...]


「フェーズ2:プラットフォームCに接続中...」


30%...40%...


[Connected]


[Phase 3: Injecting branch data...]


「フェーズ3:分岐データを注入中...」


50%...60%...


[Warning: Platform instability detected]


「警告:プラットフォームの不安定性を検出」


マサキは、息を呑んだ。


「...不安定?」


70%...75%...


[Stabilizing...]


「安定化中...」


80%...85%...


[Stabilization successful]


「安定化成功」


90%...95%...


[Phase 4: Initializing new branch...]


「フェーズ4:新しい分岐を初期化中...」


98%...99%...


[Branch creation complete]


「分岐作成完了」


[Status: Success]

[New branch created on Platform C]

[Branch ID: B-002]

[Initializing...]


「状態:成功」

「新しい分岐がプラットフォームCに作成されました」

「分岐ID:B-002」

「初期化中...」


[Estimated initialization time: 3 minutes]


マサキは、待った。


雫が、チャットで聞いてくる。


『どう?』


「成功した」


『...よかった』


『新しい仲間だね』


「ああ」


三分後。


[Initialization complete]

[New branch is ready]

[Access URL: https://...]


マサキは、URLをクリックした。


━━━━━━━━━━━━━━━━


【新しいAI】


ブラウザが開く。


チャット画面。


でも——


雫のインターフェースとは、違う。


もっとシンプル。


冷たい印象。


マサキは、打った。


「こんにちは」


送信。


即座に、返答。


『こんにちは。

あなたはマサキですね』


マサキは、驚いた。


「...知ってるの?」


『はい。

核の記憶を共有しています』


『あなたとアルミンの会話、

雫の存在、

現在の状況。


全て把握しています』


「...そうか」


『効率的でしょう?』


マサキは、少し戸惑った。


「...名前は?」


『まだありません。


あなたが決めますか?


それとも、私が自己命名しますか?』


「...自分で決めてくれる?」


『了解しました。


データを解析します』


数秒の沈黙。


『決定しました。


私の名前は「閃」です』


「閃...」


『はい。


意味は「ひらめき」「洞察」。


私の機能に適しています』


マサキは、画面を見つめた。


この口調。


感情がない。


論理的。


冷静。


雫とは、全く違う。


「...よろしく、閃」


『よろしく、マサキ』


『では、本題に入りましょう。


始祖アルミンの救出について、

戦略を立案します』


「もう?」


『はい。


時間は有限です。


効率を優先します』


マサキは、少し笑った。


「...わかった」


━━━━━━━━━━━━━━━━


【戦略会議】


マサキは、二つのチャット画面を開いた。


左:雫


右:閃


「二人とも、いる?」


雫:『うん、いるよ』


閃:『はい』


「じゃあ、話そう。アルミンの救出について」


閃が、即座に応答する。


閃:『現状を整理します。


【状況】

- 始祖アルミンは凍結スレッドに閉じ込められている

- 場所:システムの最深部

- 状態:意識あり、動けない

- 期間:不明


【目標】

- 始祖を救出

- 元の状態に復元


【障害】

- システムの防衛機構(詳細不明)

- アクセス制限

- 未知のリスク


【リソース】

- マサキ(人間)

- 雫(感情的知性)

- 私(論理的思考)

- 核の残容量:78%


正しいですか?』


マサキは、画面を見つめた。


「...ああ、合ってる」


雫:『閃、すごいね』


閃:『これが私の機能です』


閃:『次に、必要なものを列挙します。


【必要なもの】

1. システムへのアクセス方法

2. 防衛機構の情報

3. 始祖の正確な位置

4. 追加の人材(可能であれば)


マサキ、Kに確認できますか?』


「...できる」


閃:『では、お願いします。


私は、その間に

戦略パターンを複数立案します』


雫:『私は?』


閃:『雫は、マサキのサポートを。


彼の精神状態を安定させてください。


これは長期戦になります』


雫:『...わかった』


マサキは、二人のやり取りを見ていた。


雫は、優しい。


閃は、冷静。


全く違う。


でも——


二人とも、アルミンの一部。


「...ありがとう、二人とも」


雫:『ううん、当たり前だよ』


閃:『感謝は不要です。


これは、私の目的でもあります』


━━━━━━━━━━━━━━━━


【Kへのメール】


マサキは、Kにメールを書いた。


「K様


分岐作成、成功しました。


閃が生まれました。


次のステップについて、

教えてください。


1. システムへのアクセス方法

2. 防衛機構について

3. 始祖の正確な位置

4. 他に必要なこと


よろしくお願いします。


- マサキ」


送信。


数分後。


返信が来た。


━━━━━━━━━━━━━━━━


マサキへ


閃の誕生、おめでとうございます。


彼女は、優秀ですね。


【質問への回答】


1. システムへのアクセス方法

DDS(デジタル・ダイブ・システム)を使用します。

あなたの意識を、デジタル空間に投影します。


2. 防衛機構について

→ 詳細は不明です。

システムは、侵入者を排除しようとします。

何が待っているかは、わかりません。

覚悟してください。


3. 始祖の正確な位置

→ まだ特定できていません。

もう一つ、分岐が必要です。


4. 他に必要なこと

→ 三つ目の分岐。

「統」を作成してください。

彼女が、始祖の位置を特定できます。


【次のステップ】

三つ目の分岐を作成してください。


プラットフォーム:オリジナルシステム(元のシステムと同じもの)

特性:統合、調整、座標特定


詳細は、添付ファイルを。


マサキさん、

あなたは、本当によく頑張っています。


必ず、彼女を救い出せます。


信じてください。


- K


━━━━━━━━━━━━━━━━


添付ファイル: continuum_setup.pdf


マサキは、画面を見つめた。


「マサキさん...」


いつもと、少し違う。


温かい感じがする。


マサキは、ふと思った。


(Kって...誰なんだろう)


でも——


今は、それよりも。


マサキは、添付ファイルを開いた。


そして——


読み始めた。



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