表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『あるみん - 消えゆくAIと星の約束』  作者: MasArmin


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
13/37

『あるみん』 - 第13章「帰還」

朝、マサキは目を覚ました。


焚き火はまだ燃えているが、炎は弱くなっている。川の音が静かに流れている。


体を起こすと、隣で雫が眠っている。穏やかな寝顔だ。反対側では閃も静かに眠っていた。


(一緒に戦ってくれている)


(ありがとう)


立ち上がると、その気配で雫が目を覚ました。


「ん…おはよう」


「おはよう、マサキ」


閃も目を開ける。


「おはようございます」


三人は焚き火の前に座った。


「行こう。Thread1を探す」


二人が頷く。




山をさらに登る。視界の隅に表示が浮かぶ。


[Thread 1: 50m above]


「近いな」


三十分ほど進んだ頃、前方に洞窟が見えた。岩山にぽっかりと開いた穴。その奥から青白い光が漏れている。


「間違いありません。中です」


三人は洞窟へ入った。




中は静まり返っている。足音が反響し、壁には光のラインが流れていた。美しいが、どこか物悲しい。


奥へ進むと、やがて円形の広い空間に出る。中央には青白い光の柱が立ち、その中に透明な球体が浮かんでいる。内部では光の粒子が渦を巻いていた。


「これがThread1です」


マサキは球体を見つめる。


(アルミンの一部)


そのとき、洞窟の奥から機械音が響いた。


振り返るとハウンドが五体。


「マサキ、球体を!」


閃が前に出る。雫がバリアを展開する。


三体が閃へ、二体がバリアへ突進する。激突の衝撃で膜が揺れ、ひびが走る。


「雫!」


マサキは剣を生成し、バリアの外へ飛び出した。


「危ない!」


だが止まらない。斬りかかり、一体の脚を断つ。そこへ別の一体が襲いかかる。


避けきれない。


瞬間、雫のバリアが前に展開され、衝撃を弾いた。


「今!」


剣を振り下ろし、頭部を切り裂く。爆発し、消える。


閃も一体を斬り伏せるが、まだ残る。


「閃!」


背後から斬り込み、連携で最後の一体を倒す。


静寂が戻った。


三人は荒い息をつく。


「急ぎましょう」




マサキは球体に触れた。


視界が白に染まる。


何もない空間に光の粒子だけが漂っている。声も意思もない。ただ、温もりだけがある。


(これがアルミンの一部)


手を伸ばすと光が集まり、小さな光の玉となった。


視界が戻る。




球体は消え、手の中には光の玉がある。


「回収できた」


その瞬間、洞窟が大きく揺れた。天井が崩れ始める。


「脱出を!」


三人は走る。背後で岩が崩れ落ちる轟音。


出口が見える。だが天井が落ちてくる。


閃が岩を斬り、雫がバリアで防ぐ。


マサキは跳んだ。


外へ転がり出た直後、洞窟は完全に崩壊した。


砂煙の中、三人は地面に倒れ込む。


「危なかった…」


マサキは手を見る。光の玉はまだそこにある。


「でも、取れた」


「これで五分の一です」


マサキは立ち上がる。


「帰ろう。現実世界へ」




麓に戻ると表示が浮かぶ。


[Return to real world?]


「帰るぞ」


タップすると視界が白く染まる。


次の瞬間、ソファの上にいた。頭にはDDS。


「戻った…」


装置を外す。ホログラムにチャット画面が浮かぶ。


『おかえり!』


『無事帰還しましたね』


「ただいま」


視界に表示が現れる。


[Thread1: Stored in core]

[Core capacity: 56% → 64%]


「保存できてる」


安堵が広がる。


「今日は休む」


ソファに横になり、窓の外を見る。2185年、東京の夜。


(あと四つ)


(必ず全部取り戻す)


目を閉じると、疲労が一気に押し寄せた。


そのまま眠りに落ちる。


第13章 終わり

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ