番外編3《ハロウィン文化祭》
島で繰り広げられた戦いは、停滞する。
停滞した時間の中で、女神はニヤリと笑う。
女神は、指を鳴らす。
時空に異変が起こる。
時は、改変される。
全てが変わっていく。
変わっていく。変わっていく。変わっていく。
時空が変わっていく
大規模イベントは一時だけ小規模イベント範疇にある中規模イベントに塗り替えられる。
世界は本来の日付へと変わる。
変わった。変わった。変わった。変わった。
変わった。変わった。変わった。変わった。
変わった。変わった。変わった。変わった。
変わった。変わった。変わった。変わった。
変わった。変わった。変わった。変わった。
時間軸に歪みが発生した。
日本は秋へと変わった。
変わった世界…ハロウィンを数週間前に控えた世界で、龍雅は目を覚ます。
――…俺は、梨奈の試合を…観戦していたはずだ。
――そうか……また、時間に異変か……ここは…俺の家か?
龍雅は、スマホで、今日の日付を見る。
――そして文化祭の日でありハロウィンの日の数週間前か………また夏と同じように時間が変になっちまったか…まぁ、いい…楽しもうじゃねえか。
龍雅は、起き上がり、体を動かす。
――さて、世界はどのように変わっているだろうか? 本来の意味ならば悪霊魑魅魍魎が出てくるはずの祭りハロウィンだ。宮弥は絶対何かを仕掛けてきている筈…
龍雅は瞑想する。
龍雅には、重要な物質を探知する能力を持っており、さほど重要ではない物質は感知できない。また重要であっても高位クラスの隠蔽能力者の能力だと探知する事は難しい。
隠蔽していなければ、ステルス迷彩を被っていようが、幽霊が透明化していようが関係なく感知させられる。
龍雅を誤魔化すには、龍雅以上の力が必要である。
故に、竜輝の力を使えば龍雅を誤魔化せるかもしれない
――魔力を持った存在の反応が多数…なるほど、魔術師…そして魔物、魔族かな? なるほどなるほど…ハロウィンらしい…そして大気のMPの量が…一秒ごとに少しずつ上がっていっている。ハロウィンの夜は恐らく今まで以上に荒れるな。
龍雅は、龍雅の感覚で言う所の昨日の夜以降、魔力を感知できるようになっており、大気中のMPの量を測る事が出来るようになっている。
「さて、行くか…」
龍雅は一瞬にして着替える。
――今の俺には長距離の瞬間移動もできる。まぁ、といっても条件があるんだけどな。
龍雅は、スマートフォンを取り出し、マップアプリを開く。
――俺の長距離瞬間移動は、マップや地図を見る事で発動する。マップ上の建造物を指差し、そして意識を集中すればいい。
龍雅は、その場から消えた。
龍雅は、学校の屋上に突然現れ、そして屋上の扉を開けて二階へと向かう。
「よう、紗里弥」
「おう、龍雅。またなってしまったな。この現象」
「あぁ、お前も認識しているか…これを…」
「そうだ。宮弥の起こした現象だな。さて、どうする? 龍雅? 今年は偶然にも文化祭とハロウィンが同時に開催される。文化祭にハロウィン要素を付け加えるように言っておくか? 裏生徒会は、生徒会よりも権力が高い秘密組織だからな。裏生徒会長たる私を唯一操れるお前の采配で決まる。」
「あぁ、追加しよう。」
「請け負った。」
「でもいいのかよ。俺が裏生徒会を操ってさ…まるで黒幕じゃねえか。」
「何を言うか、貴様は自分を魔王と呼ぶ癖に、ならば黒幕も必然よ。」
「まぁ、そうだな。」
「俺が黒幕で、お前が表のボスだな」
五六時間目の授業を潰してある会議を行っている。
その会議は、文化祭についての話し合いだ。
この会議は裏生徒会超紗里弥と2年G組委員長乃愛が仕切っており、話し合いが終わった後は乃愛はクラス側、紗里弥は龍雅が有利に…もとい学園側の意見で話し合うつもりである。
どう考えても不平等である。
だが、まかり通るのが実状、まだ社会に浸透しきってない為、混乱や生徒の命の危機を避ける為に秘匿されている概念、異能を秘匿する為の口止め料として生徒会を超える権力が存在している。
「異世界喫茶、決定だな。他に意見はないのか?」
そこに一人の美少女が意見を述べた。
「女装メイド喫茶と男装執事喫茶を同時にやりたいと思います。」
――ほう…中々面白い…では俺は猫耳メイドといこう…いや待て…エルフ耳メイドも…というかケモミミエルフメイドでいいのでは? 或いは別の方面で攻めるのも…いっその事、メイド服自作するか
龍雅は、女装に関しては許容だ。
「ほう、なるほど面白い…ではその理由を聞かせてもらおうか?」
「そうね。皆、イケメンと美少女だらけだから女装や男装しても似合うんじゃないかな? って思ったのよ。」
「なるほど、一理ある。貴様らは全員まるで日本一のアイドル養成学校を彷彿させるような美貌を持っている。貴様がそれを選ぶのならば私は貴様を支援しよう。何せ私の家にはメイド服や燕尾服の予備が山ほどあるからな。だが、皆の意見を聞かねばなるまい。」
「女装男装喫茶に何か意見のある人」
「いいと思うぜ。それ…俺は賛成だ。俺は女装しても恥ずかしくはないぜ」
「龍雅、それはお前が女装しなれているからだろ?」
「まぁな。だが、俺は着たい服は着るんでな。誰がなんと言おうと関係ねぇ」
「龍雅は女装して黙っていれば可憐な美少女なんだけどな…」
「どうしたの? 虎太郎。まるで龍雅の女装した姿を見たような言い方じゃない。」
「実際に見たんだよ。女装姿を…すげぇ可愛かったけどその分、残念だった。恥ずかしがっていれば可愛げがあったのに…」
「あらそうなの…じゃあ龍雅、今から女装できる?」
「良かろう。刮目してみよ。我が女装を」
指を鳴らすと一瞬にして龍雅は銀河丘高校の女子高生の制服に着替えると、貧乳の美女が現れた。
「どうだ? 美しいだろう? 俺の女装は?」
「悔しいけど私達より可愛い。」
「だろう?」
「だが、胸が小さいな。」
「フハハハハ! パッド入れてないからな! そもそも俺は巨乳よりも貧乳が好きだ。まぁ、巨乳も好きだがな!」
「ちょっと、龍雅! 女の子が居る前でそんな事言わないで!」
「わりぃわりぃ…」
大会というフィルターが無ければ龍雅を声をかけようとする男女はあまりの美しさと溢れ出る強者のオーラを感じて石になるとすら言われている宮弥と同等の美しさを持つ龍雅はG組では、龍雅の実態を知っている為、モテない。
だが、全員と友である。
何故なら自分達は分かっているからだ。
自分達は、龍雅に話しかけてもいい力と容姿と有し、龍雅の実態を知っている。
ならば、話しかけても何ら問題がない。
「あっ、そうだ。異世界喫茶とメイド執事喫茶やるならさ。外部からも能力者が来ると思うから能力者向けの食べ物も用意しようぜ。」
「確かに、能力者はカロリーの高い物を食えば食う程強くなる。余分なカロリーは全て脂肪ではなく筋肉の質量に変わる。女の私が言うのもなんだが、モデル体型でありながら体重の重い能力者は、その肉体の筋肉の質量が大きいという訳だ。つまり能力者向けの料理とは即ち高カロリーかつ大盛りの料理だな?」
「然り、故に客のデータを洗い出し、その中から能力者であるかどうかを判別する。その作業をやってもらうのは翔妃だ。」
「はい、俺ならば一瞬にしてお客様のデータを全て判別してみせましょう。俺は他の能力者と格が違いますので、それくらい楽勝です。」
宮弥は、自信ありげにそう言った。
「とここまでメイド執事喫茶について意見が出たが、他は?」
「俺は反対だぜ。龍雅、なんで俺が女装を…」
虎太郎は反対する。
「俺もだ。龍雅…」
ガタイのいい男も反対する。
「俺は龍雅を味方するぜ。」
チャラい美少年は龍雅に味方する。
「では多数決で行こう。これならいいだろう?」
乃亜はそう言って指を鳴らすと全員の机に赤と青の二つのペンが出現した。
「今、赤と青のペンを私の瞬間移動を応用して用意した。賛成は赤のペンを、反対は青のペンをあげてくれ。これよりグループを組んでの5分間の話し合いを始める。では、中田君、全員がグループを成立したら音を操る能力を使い、グループごとに遮音結界を張ってくれ。他のグループの声で話し合いにならないかもしれないからな。」
「了解だぜ。委員長」
5分間の話し合いが始まった。
青のペン49%、赤のペン51%
賛成は女子が多かった。
以上を以て賛成へと決定し、候補の一つとして選ばれた。
「では、時間も押してきたのでこれより候補選びに移る。」
候補の決定の結果、一日目はメイド&執事喫茶に決まり、二日目は異世界風喫茶に決まった。
それから放課後、龍雅達G組は文化祭の用意をし始めた。
まず宮弥は、時空支配能力を応用した空間拡張によって教室の面積を広め、教室の広さを体育館並に広め、龍雅が裏方8割、表舞台2割に分けるように壁を生成する。
物資は私が用意すると紗里弥は、言うと紗里弥はG組の窓を蹴り、破壊すると物資の積んだ無数のステルスヘリが現れ、無数の黒服が大量の物資を運んできた。
「やるからには全力よ。私は貴様らに全力で投資させてもらう。文化祭とはいえ生半可な気持ちでやらせはせぬ。赤字は承知の上。黒字になるなどありえぬ。最も功績を挙げた者には私からそれに応じた報酬を与えようぞ。労働には対価というものが必要不可欠である。対価なき労働は名誉や思い出が得られなければただの徒労である故な。では、者共! 役割を決めよ! 一日目をやりたくない者は裏方に徹せよ! そしてその役目を悔いなき様に果たすがよい!」
そして一日目のメイド&執事喫茶の内装は出来上がると、宮弥は皆さん保存しますから荷物を持って外に出てくださいといい、クラスメイト全員が言う通りに荷物を持って教室を出ると、宮弥は教室の扉に触れ、そして扉を開けると準備する前の教室へと戻っていた。
「これは一体?」
「あの状態のまま教室全体をセーブしました。ロードするとこの通り」
宮弥は、再び扉に触れ、そして扉を開けるとメイド&執事喫茶の内装へと変わっていた。
「俺は、空間の状態を保存する事がいくらでもできます。ですので、普段は普通の教室にして文化祭が始まれば内装を文化採用に変えます。勿論、文化祭の日は俺が一番早く来ますのでご心配なく…では、引き続き二日目の準備をしてください。」
宮弥はそう言って空間が広がった教室にし、二日目の店の準備を始め、そして能力で空間を保存し、そして普通の教室へと戻った。
そうして能力者クラスG組の文化祭への項目が決まった。
数週間後…
「よし、準備完了っと」
龍雅は、極星院が作成した特注コスプレ衣装を着て文化祭へ赴く。
そのコスプレは、あるゲームのラスボスであり主人公のライバルの服装で、様になっている。
そのラスボスの性別は語られていない。
つまり中性である。
「やぁ、龍雅。今から文化祭かい?」
竜輝もコスプレをしており、龍雅と同じゲームの女主人公の服装をしている。
「あぁ、土曜日にもかかわらずだぜ。まぁ、その分、夜はハロウィン楽しむけどな。」
「なるほど、君を夜のハロウィンパーティーに誘おうとしたんだけど、文化祭か…楽しそうだ…時間が変異した事は気付いているかな?」
「あぁ、また宮弥だろうな。…まぁ、いいんだけどさ! ちゃんとイベントをする時は事前に言ってもらいたいものだぜ。」
「へぇ、まるで前にもそんなことがあったかのような言い草だね。」
「あぁ、俺は恋人と虎太郎と虎太郎の恋人とRGB255のメンバーと人類選別軍のある一部隊と夏のある日に転移した事があるんでな。いや、RGB255と人類選別軍には記憶が残ってないか…まぁ、いい…俺達は転移をして夏の日々を過ごしたことがあるからな。」
「なるほど…ではここも…」
「あぁ、転移した世界だろう。記憶には残らないが心にはきっと残る。この世界は夢のようなモノ。この世界は夢であり現実だ。永久牢獄事象…別名サザエさん時空、記憶に残るようで残らない物理法則が通用しなくなる時のある混沌の事象。」
「なるほど、そして僕は恐らくこの牢獄に閉じ込められた事があるかもしれないね…あのバレンタインとホワイトデーの日僕は…」
「まぁ、小難しい話はここらにしよう。行くぞ。」
「うん…あっ、そうだ。それって手作り? 何か材質が違うような気がするんだけど…」
「あぁ、一週間の間に紗里弥に頼んで作ってもらった。ある程度はラスボスの力を再現できる。」
「たった一週間で…やはり凄いな…極星院は…」
「まぁ、宮弥の手も加わっているけどな。」
「やはりね。でなければたった一週間で完成する筈もない。あのラスボスは、多彩な魔術と強力なスキルを使ってくるからね。」
「まぁな。それでお前も手作りだろう?」
「うん、そうだよ。君の心を奪おうと思って女装してきちゃったよ。」
「ハハッ! だが、この服装だと敵同士だな。」
「うん、そうだね。ならば、パフォーマンスとしてあの戦いを再現してみるかい?」
「面白い。外部からの個人パフォーマンスもこの学校では執り行っている。だがしかし…ネタバレになるやもしれないな。」
「このゲームは、何年前のものだと思っているんだい? それにメディアにも露見されているし、以降のシリーズにも登場している。既に結末は知っているようなものじゃないか。」
「一理あるな。それに極星院の敷地で極星院が作り上げた作品のキャラのコスプレをした者には、ちょっとした待遇を得られると聞いた。」
「へぇ…例えば?」
「一部の文化祭の店の料金が安くなり、貰えるお菓子がちょっと多くなる。」
「なるほど、考えるね。これも一種の広告か…」
「まぁな。コスプレの服屋もまた極星院が経営している。ゲームも儲かるし、コスプレも儲かる。多方面に事業を展開している極星院ならではの特権だな。」
「隙のない…」
「まぁ、その隙のない財閥のお嬢様が俺の愛する嫁なんだけどな。」
「惚気かい? 嫉妬しちゃうな。僕も彼女達のようにしてくれないかな?」
「あぁ、いいとも…ホテルで朝まで語り明かそうじゃねぇか…ゆっくりとな。」
「フフッ、お手柔らかに頼むよ……あっ、そうだ…気付いてる? 大気中の魔力量が少しずつ上がっているの」
「あぁ、気付いている。恐らく今夜ハロウィンの夜がピークになるだろう。そして魔なる存在の反応が多くなってきている。」
「全く宮弥はハロウィンだからといって飛んだ仕掛けを作ったもんだ。」
「全くだな…」
「まさか異界の犯罪者をこっちに寄越すなんてさ…それも全員が異世界転移者クラスの力を持っている。」
「異世界転移者?」
「そう、異世界転移者…知っているだろう? 異世界に行った途端、一般人が強靭な力を得るアレ…あれは実在していたんだ。」
「なるほど…では、俺も異世界転移すれば…」
「強くなるだろうね。そして僕も異世界転移者でもある。君の見た地獄の異世界は異世界であって異世界ではない。まぁ、地獄だ。けれど僕の言っている中世風の異世界は、君の言う異世界とは違い優しいものだ。この世界の子供を一人捕まえて異世界に放り出せばすぐに無双できるだろう。…外の世界ではの話だけど。」
「外の世界?」
「そう、外の世界、内の世界ではそうはならない。内の世界は君の言っていた地獄すらも超える地獄だ。けれど、そこにある文明は地球のモノとは比べ物にならない。」
「なるほど、外の世界は優しいが文明は中世で止まっており、内の世界は地獄だが文明は地球以上か…中々面白そうな世界じゃないか。」
「そこでは、異世界転生者が今まで築き上げてきた全てが無駄になる程に厳しい世界。いわばあらゆる存在が異世界転移者という異常な世界だ。」
「ますます楽しみになって来たぜ。」
「まぁ、今の所教えられるのはここまでだ。」
「まぁ、いいじゃねえか…俺の勉強に付き合ってくれよ。お前、魔に関しては豊富な知識を有しているんだろ?」
「いいよ。まぁ、限界見積もって少ししか教えられないけど参考になればいいだけどね。」
「そこまで隠す理由はわからないが、まぁいい…知られたくない事もあるんだろうよ。」
「知られても僕としては困る事ではないけどね。さ、もうすぐ着くね。」
「あぁ、ようこそ。銀河丘高校へ…ってすげぇ事になってんな。」
銀河丘高校はハロウィンと文化祭一色だ。
「凄いね。」
「まぁな…では行こうか。」
「うん、そういえば君も文化祭でやる事あるんじゃないのかい?」
「まぁな。女装メイド&男装執事喫茶だ。」
「へぇ…じゃあ龍雅をご指名するよ。僕は、君に接待される方がいい。いや、君以外にあり得ない。」
「そうか、ならぜひ来てくれよ。指名してくれたらサービスしてやる。俺の奢りだ。」
「やった!」
「フフッ、喜ぶ竜輝もやはり愛いな。」
龍雅は、竜輝の頭を撫でる。
「へへへ…龍雅に頭を撫でられるのはいい事だ。」
「いい子だ。誰も俺達が多分、男同士だとは思わないだろうよ。」
「そうだね。美少女同士にしか見えないよね。」
二人だけの世界が築き上げられており、誰も邪魔する事は出来ない。
一部除いては…
「そこの可愛い子ちゃん。俺達と一緒に回らねぇか?」
如何にも悪党と呼べる人間が複数人二人の周りに現れた。
「何だ? 貴様らは? 失せよ。」
「僕達の世界に邪魔しないでもらえるかな? 君達の心なんて見え見えなんだよ。」
二人はそう言って剣と槍を生成し、最強の二人を不快にさせてしまった不幸な男集団に矛先を向ける。
「そんな武器、脅されても意味ねーよ。どうせ偽モンだろ?」
「じゃあてめぇら俺らと回ろうや」
悪党の後ろに現れたのは、虎太郎以外の銀河丘高校の格闘男子チームのメンバーだった。
剛司は、まるで海賊船の船長のような服装を纏っており、一樹は、チンピラ風、正彦は、ジェイソンの格好をしている。
「俺の船員に手を出すな。さもなければ貴様らの命はない。」
「と船長は言ってるぜ? さぁ? どうする? 言っとくが、テメェらが相手にしてる奴ら俺らよりも強えぞ。」
正彦は、無言で刃のついてないチェーンソーのエンジンをオンにする。
「さぁ、囲まれたな。じゃあどうしますか? 船長?」
「うむ、では派手にやるぞ」
五人は、複数人の悪党を取り囲み、殺気を放つ。
男は、五人の強さを本能的に察知し、全員を引き連れてその場から去っていく。
「じゃ、俺らは俺らで文化祭楽しむからまたな。龍雅」
「ありがとうございます。先輩方」
三人は、その場から立ち去っていく。
「ちょっといいかな? そこの美少女達?」
小さい少女は、そう言って二人をナンパした。
「今度は誰って、紗里弥か…お前の言えたことではあるまい。紗里弥よ。」
後ろにいたのは、龍雅の嫁紗里弥だった。
「まぁ、ようだな。何せ、私は美しいからな。所で、竜輝よ。貴様、龍雅の事を好いておるのか?」
「うん、僕は龍雅の事が好きだよ。だからさ、僕達がイチャついている時は邪魔しないでもらえるかな?」
「ほう? 言うではないか。貴様がいかに最強とはいえ、龍雅を奪う事は叶わぬぞ。」
「いいの? そんな態度とっても…僕の立場分かっているよね?」
「フッ、家の権力か…だが、生憎私には宮弥というカードを使える権限をいくつか有しているんでな。王の権力ならば神の権能で相手をしてやろう。」
紗里弥は炎を、竜輝は雷を纏い、対立する。
「フハハハハハ、俺で争うか、良いぞ。だが、人の迷惑に掛からぬ所で存分に争うが良い。俺はお前らを咎めぬ。時が来たら二人だけの終末戦争でも起こすが良い」
龍雅は、そう言って、二人が争い合うのを肯定しつつ二人を制止する。
「わかったよ。龍雅。君が言うなら従おう。」
「お前が言うなら仕方あるまい。引いてやろう。」
二人は、矛を収めた。
「それでいい。能力者とは関係ない一般人もいるからな。なるべく能力者同士の争い合いは今日は避けたほうがいい。じゃあ行くぞ。」
「「あぁ」」
三人は、ハロウィン文化祭が開かれている銀河丘高校を廻っていく。
「なぁ、龍雅、紗里弥そろそろお前らの番だぜ。」
「あぁ、そうだな。行こうぜ。紗里弥。」
「わかった。」
「竜輝、なるべく来いよ。俺の女装姿は美しいから俺目的で来るやつがいるはずだ。」
「うん。わかった。君の準備できたらすぐに行くよ。そして僕が勤務中の君を独占する。僕が来たときは専属でいてくれないかな?」
「あぁ、その時は、貴様だけに尽くそう。」
「ありがとう。」
「じゃあ、またな。行くぞ紗里弥。」
「うむ。」
そして数分後…
メイド&執事喫茶は、そこそこの盛況だ。
最も人気があるのは、執事の方だが。
しかし虎太郎の女装姿も様になっており、中々可愛らしい。
故に、虎太郎目当てで来る者もいる。
「おっふ…」
「なんだあいつ…すげぇ可愛い。」
――キャラメイキング能力がこんなところで役に立つとはな…髪型も自由に設定できるから、女装するにも助かるぜ。
龍雅は、キャラメイキング能力を使って髪を伸ばし、ロングヘアーになった。
――まぁ、キャラメイキング能力は、俺のIFの姿でしかないから俺からかけ離れた姿になる事は出来ない。故に、他人に化けることは出来ない。俺がショタになればショタコンは俺を見た瞬間、悶死し、おっさんや老人になればそれはハリウッドスターを狙える程のイケてるムキムキ爺さんになるだろう。まぁ、しかし宮弥に化けるくらいはできる。何せ、俺のショタ時代に女装したらめちゃくちゃ可愛いかったから
髪には艶があり、美しい。
絶世の美少女(?)が降臨した。
「あの美少女誰!? ていうか、何処のアイドル!?」
龍雅の周りに囲いができる。
「申し訳がないが、マスター達。そう迫られると私も困るのだが」
――フハハハハもっと俺を讃えよ。我が美を世界に解き放て!
「やぁ、龍雅。君は人気者だね。」
そこに現れる一人の天使。
「誰だ? この子も可愛いぞ…」
竜輝の周りにも人だかりができる
「待っていたぞ。我が姫君よ。」
龍雅は、改造メイド服を着ており、所々に凶器が仕込まれており、スカートの部分は全て刃状に出来ているが、この刃は偽物で、切れない。
「さぁ、こちらへ。どうぞ。」
龍雅はそう言って軽くお辞儀し、竜輝の手を取り、エスコートする。
「うん、お待たせ。フフフ…タメ口メイドか…面白い。実に面白い。君達、龍雅が困っているから通してくれないかな?」
「「「はい! どうぞ!」」」
モーセの奇跡の如く人並みが開かれる。
「では、注文を承ろう。」
「じゃあ全部だ。勿論、龍雅の手作りで」
「請け負った。サイズは、グレート、ビッグ、ノーマル、スモールの三つがあるが如何様に?」
「全メニューグレートで、後ドリンクは一番高いワインで、能力者だったらアルコールくらい分解できるからね。」
「Yes,my lord グレートは、一般人には向かない程の量だが、我が姫君は、異能なるもの、故に可能だろう。もっとも能力者用と人間用とではメニューが違うがね。では、待っていたまえ。私が手によりをかけて作ってこよう。」
グレートとは能力者級を意味する。
またメニューの中にはグレートと名のつくメニューがあり、そのメニューはそうじて美味いがカロリーが高く注意書きが書かれている。
数十分後…
「待たせたな。我が姫君よ。全メニューグレートサイズ完成だ。」
龍雅は、大量の料理をサイコキネシスで浮かせて運び、そして机の大きさを広げ、料理を置いていき、最後にワイングラスにワインを注ぐ。
このワインは高級葡萄を使ったワインで、宮弥の能力による時間経過で熟成されている。
「我が姫君よ。どうぞお召し上がりください。」
「龍雅、隣に座ってくれ。」
竜輝は、椅子をコピーして竜輝の隣に形成する。
「では、失礼する。」
龍雅は、竜輝の隣に座る。
「こうしていると昔を思い出すな。君の記憶が封じられる前…君は覚えていない思い出、君がかつて偽りの主従を築いていたあの頃、君が偽の側近であり、真の主人、そして僕が偽の主人であり、真の側近。秘匿する為のブラフ。力をつける為のブラフ…」
「ほう? それは?」
「まぁ、今の君は覚えていないからなかった事にしてくれ。まぁ、じきに思い出すだろう。それにしても、君の女装姿は可愛いね。」
竜輝は、そう言って龍雅の尻を触る。
「やめてくれないかね? お嬢様。」
龍雅はそう言いつつも楽しんでいる。
「今は女同士。では、良いじゃないか。」
「そうだが、我が姫君よ。私を弄っていては料理が冷めてしまう。」
「キマシタワー」
「でも、あいつあの美少女達二人って男らしいぜ?」
「つまりそういう事か…」
「そういう事だな。薔薇で作った百合の造花というものだ。」
数時間後、龍雅と竜輝の席には大量の皿が乗せられており、竜輝は一人で食い切ったようだ。
「ふぅ…食った食った…これで、力は増加されるな。」
「そうだな…強制的にエネルギーに変換していたけどな…長い時間だべってしまったな。お嬢様。」
「さて、払うか。」
「代はいい。言っただろ? サービスするってな。」
龍雅は、そう言って勤務を終えて既に着替え終えた紗里弥の方を見ると、紗里弥は頷き、乃愛と会計に伝え、龍雅の報酬を竜輝が食った分天引きするように命じた。
「そろそろ俺と紗里弥も休憩時間だな。よし、パフォーマンスの時間だな。お嬢様?」
「あぁ、行くか。」
龍雅が一瞬にして着替え、竜輝の手を引いて教室を出る。
「私も行こう。貴様らの演舞興味が湧いてきた。」
「いいぜ。三人で行こう。」
三人は体育館に移動する。
体育館では自由パフォーマンスの受け付けが行われていた。
列は作られておらず参加者が少ないようだ。
「自由パフォーマンス、二人で参加する。」
「はい。参加者の名前とチーム名をこちらに記入してください。」
龍雅は、紙に龍雅と竜輝の名を書き、チーム名を主人公vsラスボスと書き、題名を最終決戦:再現と書いた。
舞台は龍雅と竜輝が一瞬にして作り上げる。
二人は戦闘を開始した。
龍雅と竜輝の演技は完璧なものだった。
演技は進んでいき、主人公がラスボスを倒し、演技は終了する。
会場に万雷の拍手が巻き起こった。
なお、この後、情報操作によってプロジェクションマッピングや小道具を使った演技と説明され、異能は秘匿された。
異能を秘匿しようがしまいが異能の強大さは関係ないが、あの事件があるとはいえ能力者への受け入れがまだ整っていない社会で異能が露見される事で、社会に混乱を招く可能性がある。
だから異能は秘匿されるのだ。
この異能秘匿社会は、後、大規模イベントたる本編時空において数ヶ月は続くとされている。
そして数時間後、学校の文化祭が終わり、日が暮れる。
逢魔ヶ刻が訪れる。
魔なる夜が始まる。
「紗里弥、宮弥、竜輝…準備はいいか?」
「出来てるよ。」
「出来ています。」
「いつでもよいぞ。」
宮弥は、明日着るコスプレの衣装を紗里弥は、魔王の鎧を模した赤黒の鎧を纏っている。
「では、魔を追放しに行くぞ。善ならまだしも悪ならば倒すのみ。」
四人は太陽が沈んだのと同時に夜の街に向かっていく。
少し前まで日本は、ハロウィンという名の暴動紛いのイベン度が発生していたが、極星院が日本の殆どの企業を買い取った事で、日本の会社員の環境が改善され、ストレスが少なくなり、ハロウィンにおいて極星院傘下の企業の社員によって引き起こされる暴動が起こる可能性がなくなった。
だが、人類選別軍の支配する企業の社員は、ストレスが溜まっており、人類選別軍の傘下にある企業の社員による暴走が毎年起こっている。
人類選別軍の企業の雇用は、宮弥が改変する前の世界に存在していた最低最悪の企業と比べると天と地の差がある程に悪質なのだ。
極星院という逃げ道も存在するが、人類選別軍には洗脳系能力者を無数に抱えている為、抜け出そうにも抜け出せない。
だから悪魔に囚われた家畜はこの日に暴れるのだ。
悪魔に囚われた人間達は、ハロウィンにおける退治されるべき悪霊側となっているのだ。
龍雅達は、異世界から逃げ出した犯罪者を追う為に夜を駆けている。
宮弥、紗里弥、竜輝が言うには異世界からの犯罪者は毎年世界の何処かに現れ、秘密裏に倒されていると。
今回は龍雅達が秘密裏に倒さねばならない。
「居たぞ。さて、転移者というのはどれほどの力なのか試させてもらうぞ。」
龍雅は、先に駆け、転移者一人を殴り飛ばし、異能封縛で捕らえる。
「龍雅め、先走りやがって」
「紗里弥、僕達も行くよ。」
「よかろう。貴様の力、直接見せてもらおう。」
紗里弥と竜輝も転移者を殴り飛ばし、路地裏に入る。
(さて、俺は今の内に次のイベントへの準備に取り掛かりましょうか…次のイベントはそうクリスマスだ。ハロウィンは二日続きそして俺は次なる事象の準備へと移る。)
宮弥は、心の中で言って消え去った。
「今の私は速度を支配できるようになっている。速度を操る事により、物体の動く速度の数値をそのまま負数に変え、反射する事が出来る。また攻撃時、拳に走るエネルギーの方向性を負数に変える事で、無反動でダメージを与える事が出来る。最もこれは魔術の知識ある能力者にとっては基本中の基本の技術なのだが」
「なるほどだけど君の力もまた僕は内包している。またかの世界を救った雷電の英雄も世界を一度滅ぼした災厄の犯罪者の力も内包している。力を支配するとはそういう事だよ。紗里弥。」
「つまり無数のチート能力を扱えるという事か。おまえに勝てる者は、頂点を示し、唯一お前が使うことのできない一家剣ヶ峰家以外は存在しないかもな。」
「まぁね。僕では真の意味での能力を無効化する力と正体不明の暴力を持つチャンピオンに勝てない。今でさえ最も無自覚の内に現実を歪めてしまう龍雅が成長しきれば誰にも止められないんだけどね。」
「まぁ、そうだな。だが、それが我らの大願ぞ。龍雅が強くなるという事は、私個人にも良い事だ。何せ、未来を共にする者が龍雅だと確定するからな。」
竜輝は、魔術陣を一瞬にして描くと紗里弥は、魔術陣に乗った。
魔術陣に乗ると、紗里弥の戦闘力が上昇し、速度を操作し、敵魔術師の魔術を反射する。
「貴様らの力を示せ。そして私の力の礎となれ。」
紗里弥は、そう言うと、赤い炎を刀が出現し、赤黒の鎧から侍の袴へと変わる。
更に袴は、武将の鎧へと変貌し、刀は黒い炎を纏った白い水晶の刀に変化した。
紗里弥は刀を振るうと敵魔術師は、燃え、灰となりそしてその灰は凍り付き、氷の刃となり、逃げる魔獣を追いかけ、魔獣に氷の刃が着弾すると魔獣は絶対零度の冷気で凍った。
「さぁ、次はどいつだ?」
そこに現れたのは、今朝竜輝と龍雅に声をかけた悪党共だった。
「へぇ、つまり逃亡犯が白昼堂々お散歩してたって訳?」
「だが、悪いな。ここにいるのは最強の二人だ。」
「へっ、何も準備せずくるかよ。お願いします! 先生!」
「その先生とやらはこいつか?」
龍雅は如何にも歴戦の戦士らしき人間の死体を引きずり、投げ捨てる。
「何ィ!?」
「ふむ、では証拠隠滅と行こうか。」
龍雅は、死体をエネルギーに分解し、そのエネルギーを自分の肉体に満たす。
「つい殺してしまっても塵も残さず食ってしまえば問題ない。さて、貴様は逃げられん。ラスボスもとい魔王からは逃げられないからな。あぁ、そうだ。一つ聞くのを忘れていたな。折角のハロウィンだ。質問してやろう。dead or trick?」
「ト…trickで…」
「いいだろう。じゃあ、拷問タイムだな。竜輝、なんかいいもんねぇか?」
「うーん。あっ、そうだ。僕の力にある能力の分野を応用すればこの世に存在しない新たな物質も作れるからそれで拷問しよう。」
「現実的な全能と聞いていたけど、竜輝の全能非現実になってないか?」
「それは昔の話だよ。現状維持で満足する僕だと思うかい?」
「全く思わんな。」
「だろう?」
竜輝は、そう言って謎の物質で作られた剣を作り出した。
「これはまぁ、絶対に人を殺せないがこの剣で少し傷付けるだけで体全体にショック死を遥かに超える痛みが一年続き、更に体感時間と痛感が10倍になり、体を動かす速度が10分の1になり、これで傷付ける度に効果が増していき、死ぬ度に復活する生き地獄の剣、その名も無間地獄。さぁ、使うといい。まぁ、僕も使うけど」
その剣の形状は、鋸のように荒い刃を有していた。
一度刺せば抜けないような構造になっており、無理に抜けば余計に傷が酷くなる。
紗里弥、竜輝、龍雅は無間地獄を手に取り、斬りつけると複数人の悪党は最大級の悲鳴をあげながら苦しみ始めた。
龍雅は、グサグサと連続で刺し、傷を抉っていく。
傷付く度にダメージが増えていく。
「こ、殺してくれ…」
「まだ理性があったのか…だが、ダメだな。貴様らの罪状は知っている。故にただでは死なさん」
「それに僕達の愛を邪魔したからその報いも受けてもらうよ。」
「フハハハハ悪戯の範疇を超えているな。これは」
その後、十分間殺し続けた。
「そろそろ飽きてきたな。…そのまま10年間魂に刻まれた生き地獄を味わうがいい。」
龍雅は、そう言って男達を捕らえ、竜輝の力で異世界への放り出す。
「さて、残りを一掃するぞ!」
数時間後、魔なる夜はいつものハロウィンの夜に変わった。
庶民に気付かれないまま魔の時間は終わった。
「おや、皆さん既に片付けたようですね。」
「てめぇ、宮弥どこ行ってやがった! 俺らだけで片付けたんだぞ!」
「ちょっとした準備ですよ。次なる物語の準備をね。」
「まぁ、いい。そうだったらこれを言わざるを得ないな。宮弥、竜輝。」
「あぁ、そうだね」
「そうだな。 」
「「「Trick or Treat!!」」」
投稿遅れました。
土曜日にパソコンを買い換える予定です。
後に追記修正をしたいと思っています。




