番外編2《夏の得大紐2》
急にちょっとしたホラー要素を入れたくなったので入れてみました。
今回は、悠美と人類選別軍が出てきて、選別軍視点の話がちょっとだけあります
「エビィ!」
紗里弥は、素潜りで海老を取る
「カニィ!」
男性の姿に戻った龍雅は、素潜りで蟹を取る。
「何やっているんですの?」
「あれはよくわからない。説明できない。」
「「タイィ!!」」
二人は同時に数匹の鯛を取る。
「「マグロォ!!」」
二人は何故か数匹の大型マグロを取る。
「「シャチィ!! ウナギィ!! タコォ!!」」
二人は、海中から何故か数匹のシャチに乗って大量の蛸と鰻ととって砂浜にジャンプする。
「何でシャ〇タコンボォ!?」
「「シャシャシャ〇タ!! シャシャシャ〇タ!!」」
「歌は気にしないでください。」
緋香里はそう言って、二人が採って来た魚介類を調理し始める。
二人は、海に帰っていくシャチに手を振って見送る。
「所で、その魚は何処で採って来たの?」
「自然発生した。ここは何が起こるかわからないから常識が通用しない。この空間において俺と宮弥が同時に存在する場所に既存のルールなんてあるわけない。」
「まぁ、そうですね。この空間では、主人公の役割を与えられた人間の認識するところに俺がいれば何が起こるかはわからない。既存のルール外の事が突然発生することがあります。まぁ、俺だけの時も既存のルール外の事が起きますがね。」
「よくわからないけど、二人がいるとよくわからない事が起きるって事ね。」
「まぁ、そういう事ですね……ん? 兄さん。予想外の事が早速起きました。」
「予想外の事?」
「はい。といっても既存のルール内の事ですが…人類選別軍の動きが…」
「なるほど、バカンスを壊す輩がいるとな…」
「では、殺すか。龍雅。」
「そうだな。紗里弥…」
二人がそう言った瞬間、海の近くのビルで爆発が発生した。
「早速だな。行くぞ…」
「おう。」
被害に遭ったビルでは、人類選別軍が立て込んでいる。
「あのすみません。何があったんでしょうか?」
「あぁ、テロリストが立て込んでいまして…」
「何か要求とかは…」
「10億です。RGB255のライブの途中だったのですが、ライブの途中でテロリストが…」
――おかしい…本来ならば姉さんが片付けている筈…姉さんはいないのか? 姉さんは力を解放した俺よりも遥かに強い筈…
「悠美さんは?」
「悠美さんなら、今日はいません。今回はGチームだけで来ましたので…」
「そうですか…」
――確か姉さんは、Rチームのリーダーだったな。
龍雅が、そう思った時、遥か彼方から何かが近づいてくる音が聞こえる。
「何の音だ?」
音が近づいてくる。
――何かが来る!!
そう確信すると同時に幻想封殺結界が得大紐を覆い、何かが衝突すると、衝撃波が発生した。
「何だ!?」
そこには機械的でいて生物的な動脈している装甲を全身に纏った女騎士がそこに立っていた。
スカートはかぎ爪で出来ており、そして鎧の所々から機械的な目が着いた無数の触手がこちらを覗いており、気味が悪い。
世界を滅ぼせる程の力を持つ異形の騎士。
それが目の前に現れた謎の剣士への率直な感想だ。
女騎士は、蠢き、刀身に無数の顔が蠢いている様に見える刀全体が動脈している機械的な剣を持っており、騎士が構えると、剣は光を乱反射し始め、剣を振るうと扉は一瞬でバラバラになった。
――あれは…姉さん?
龍雅の生体反応能力で、目の前の騎士を見た結果、名前が剣ヶ峰悠美と表示されていた。
悠美は、龍雅の方を見ると、ついてこいと言わんばかりに後ろを振り向き、そして直進していく。
「ついていくぞ。」
「あぁ」
「おい、待ちなさい」
龍雅達は警察に呼び止められる。
「サツの兄さん。大丈夫です。皆様はそのまま包囲していてください。」
龍雅達はそう言ってデパートの中に入っていく。
龍雅達は、デパートの中に入るといきなりテロリスト達に襲われるが、バリアを張り、銃弾を弾き返し、バリアで殴り飛ばす。
龍雅達は、民間人を避難させ、向かってくる敵を殴り飛ばしながら先に進んでいき、踊り場に出ると、騎士は立ち止まり、騎士は、光に包まれ、装甲を解き、その正体を表す。
騎士の正体は、剣ヶ峰悠美だった。
悠美は、何処か生々しくも美しいドレスを着ており、そのドレスは何故か肉体と一体化しているように見える。
「来ていたのね。」
「あぁ、バカンスを壊そうとする輩を倒そうとな。姉さんは何故ここに?」
「そう、私はファンとメンバーとプロデューサーを守れる為に来た。そして私は貴方の中に宿る存在が私を呼んだだけの事、お前のチームメンバーを救えとね。」
「そのドレスとさっきの鎧そして剣と言いなんだ? 今まで見た事ないけど…その世のものとは思えない異質なモノに見えるんだが。」
「確かにそうね。でも、龍雅もいずれこんな風な異質なモノを身に纏うようになるわよ。私達、よりももった凶悪で異形の兵器をね…きっと…この龍雅の言う異質なモノを宮弥とお父さんは既に持っているわ。」
「宮弥と親父が?」
「そう。もしかしたら虎太郎、紗里弥、麗弥…貴方達もその異質なモノを得る可能性がありよ。」
――アームズ人が条件か…
『龍雅、今思った事それが正解よ。アームズ人は、成長すると肉体が変化して私のようになるの…今の私は、服を着ているように見えるけど実際の裸…この服は、実は内臓みたいなものなの。』
――つまり何も着て来ていないと?
『まぁ、そうなるわね。まぁ、戦いが終わったら一瞬で着替えるけど…裸って事は内密に』
――わかった。
「何事だ!」
「ゲームスタート」
龍雅達は、人類選別軍の兵士を殴り飛ばしていく。
麗弥は、民間人を避難させながら向かってくる敵を華麗に倒していく。
「麗弥…お前戦えたのか?」
「あら、龍雅さん…わたくしが戦う事が出来ないと思いで?」
「正直そう思っていたぞ。」
「わたくしは、貴方達には勝てませんが、この程度の輩ならば踊らせる事が可能ですのよ?」
「そうですかい。虎太郎! あんたの姫様守ってやれよ!」
「何を言って…まぁ、守ってやるとするか!」
「必要ありませんわ。虎太郎さんはわたくしことを気にせず戦ってくださいませ。」
「では、麗弥様は私が守ります。」
「緋香里…」
「私は、紗里弥様の従者である前に、極星院の騎士です。麗弥様も守る事は私にとっては当然の事です。」
「そこどいてください。一掃するんで」
宮弥がそう言うと、全員は一斉に宮弥の後ろに移動し、宮弥は、無数の高貴な剣と槍を射出し、そしてその後、黒い布を纏い、鍵剣で切り裂くと、宮弥は元の水着姿に戻った。
「宮弥、もしかしてアレ使ったでしょ?」
「そうですね…姉さん…結界を展開しないと使えないなんてまだまだ甘いですね。」
「そう言えば宮弥は、結界を展開させずに使っているわね。どうやってやっているのか…お父さんだってまだ結界を展開したままアレを使っているし…」
「まぁ、アレを結界を展開しないまま使うのは難しいですからね。まぁ、姉さんならすぐに出来ますよ。」
「そうね。努力次第って事ね。」
「まぁ、そういう事ですね。」
「何の話していたんだ?」
「いや、こっちの話よ…それよりも後は私達に任せて今すぐ片付けるから」
剣ヶ峰姉妹は、人類選別軍の兵士が落としたアサルトライフルを拾い、そして宮弥は、再び黒い布を纏い、宮弥と悠美は、アサルトライフルを機械的で、生々しい形状をした銃へと変貌させ、乱射する。
悠美が放った弾丸が敵兵に当たると、敵兵に千種類の攻撃が千連続与えられ、そして敵兵は消滅した。
宮弥が放った弾丸は、射出されると同時に消えたのと同時に敵兵の体は破裂し、敵兵の体から無数の弾丸が飛び出し、飛び出した弾丸は一瞬で消え、敵兵の体から飛び出した弾丸の一つが敵兵の体に入りこみ、そして敵兵の体は破裂、そして無数の弾丸が飛び出す。
宮弥の放った弾丸は感染するように次々と敵兵を殺していく。
このテロとは関係ない人類選別軍の兵士も死んでいく。
「このくらいでいいか…後はこのテロ起こした黒幕しか残っていないし…後は時限式にして…極星院財閥との戦争が始まった瞬間に、一斉に起動して殺してやる。」
「怖い怖い…その感染型の弾丸怖いわね…」
「まぁ、そうですね。この銃はいわば毒です。この銃から放たれる弾丸は、敵が多ければ多い程、強力になり、一度発動してしまえば後は放っておくだけ、弾丸が時空を操作し、敵兵の肉を一瞬にして無数の銃弾に変換、そして敵兵を手榴弾のように爆発させ、確実に殺し、そして敵兵の体から飛び出した弾丸は、次の宿主に向かって瞬間移動し、そして銃弾を生成して爆発、まぁ、一種の寄生生物って所ですね。だってあれ、俺の細胞のようなものですからね。」
「もしかしてだけど宮弥、あの時お前わざと負けたんじゃ…」
「バレました?」
「何故全力でやらなかったんだ?」
「いや、貴方の熱意を見ていたらと精神的な意味で負けてしまったんですよ。俺を連れ戻そうとする気持ちに負けてしまいまして…まぁ、それはそうとレベル999同士の兄さんが融合した状態だったら俺はもしかしたら負けていたかもしれませんがね。」
「熱意で負けたのね。それだけ龍雅は宮弥の事思っているんだ。」
悠美は、龍雅が宮弥の事を想っている事についてフフフと笑う。
「フッ、当たり前だ。俺は姉さんも宮弥も大切に思っているし、俺は欲張りでな。美しくて可愛い姉妹の間に生まれて幸せもんだ。それに宮弥は、前世からの仲だもんな。」
「はい。」
「そうなの…よく見てみれば魂の経歴に関係性があるわね。平行世界…いえ…この場合、異世界…いえ、それよりも遠い世界のような…まぁ、いいわ。さて、まだ敵は残っているんでしょ?」
「あぁ、後百人くらいだな。行くか。紗里弥」
「そうだな。あぁ、そうだ。姉上、虎太郎、芽衣、乃愛」
「何でしょうか? 紗里弥?」
「一階と二階の一般客を外へ避難してやってくれ。今いる巡回兵はあらかた殺したからな。姉上は人を誘導するのにも長けているやってくれるな? 姉上? 姉上ならば、皆の事を守ってくれると信じておるぞ。」
「わかりましたわ。では、皆様。ご武運を、芽衣、虎太郎さん、乃愛行きますよ。」
「うん!」
「了解!」
「迅速に済ませよう。」
麗弥は、デパートに居る客を外に誘導するために向かって行く。
「ではいくか…奴らが来る前に助けに迎えにな。」
龍雅達は、選別軍の兵士を片付ける為に向かって行く。
一方その頃…
「巡回中の全兵士からの通信が途絶えました!」
「…監視カメラの映像は!?」
「一階の監視カメラ全てシャットアウトされています。」
「二階第一エリア、監視カメラの映像途絶えました!」
「一体何が起きている…」
『テロリスト諸君、御機嫌よう。』
テロリスト達の脳内に悠美の声が響く。
「誰だ!?」
『私の名は、NP…RGB255の守護者。私の同胞に手を出した君達には、少しエンターテイメントを楽しんでもらおうと思おうと思ってね。君達には私の考えたアトラクションを体験してもらうよ。』
「誰がそんな事を!」
『おっと拒否権はない。何せ、君たち選別軍だけ、ここから出るには私のゲームをクリアしなければならないからね。一つペナルティを与えよう。避難誘導員、デパートの客人、スタッフ、我がグループのファン、グループのメンバー、プロデューサーに危害を加えた時点でゲームオーバー、そしてゲームオーバーした場合は…』
兵士の一人が爆発し、肉片が飛び散り、体の中から無数の銃弾が飛び出し、そして消える。
『こうなる。ここから出るには、私の用意したここから出る鍵を手に入れなければならない。』
「貴様の狙いはなんだ!?」
『狙い? ウフフフフ…君達の恐怖だ。まぁ、そうね…君達が殺し合ってくれるならば、ここから出る条件を甘くしてやってもいいけれども…』
「何ィ……」
その時、空からいくつかのエアガンが落ちてくる。
『そのエアガンはさっきの兵士のように惨たらしく殺す為の起動装置だ。さっきは出れないと言ったが、実はそのままでも外には出られる。だが、デパートの外に出た瞬間、さっきの兵士のように惨たらしく肉片が飛び散るようになっている。君達選別軍の体の中には既に銃弾が仕込まれている。体内に仕掛けられた銃弾は、起動すると肉を食い散らかし、そして喰らった肉に応じて銃弾が生成され、そして無数の銃弾が君達を殺す。つまりそのエアガンは、銃弾を起動するための装置だ。殺したい者の方に向けて銃口を向けて引き金を引くと起動する。君達の中の一人が仲間を殺した場合、仲間を殺した者のみここから生きて出るヒントを与え、仲間を殺した者を殺した場合、殺した者が持つ情報と新たな情報を与えよう…そしてその情報を誰かに口外しようとした者は、惨たらしく死ぬ。そしてプレイヤーの諸君、ペナルティ対象を逃がした場合、その時は私からこのゲームを有利に進める為のアイテムをやろう。そしてたった一人生き残った場合、生き残った者のみ、無条件でここから生きて帰してあげよう。あぁ、それとデパート内にはペナルティ対象を外へ避難させる超強力なエネミーが複数人いるから気を付けたまえ…それでは君達の健闘を祈る…GoodRack』
通信が切れる。
選別軍の兵士は動揺する。
二階、三階、四階、五階の監視カメラには、怪物達が助けに来た事を告げ、捕らわれていた者達はここから出られる事を知り、歓声を上げ、ワープゲートに入っていく者達が写っており、外を映し出す監視カメラには、ワープゲートから出てきて、警察に保護される者が多数写されている。
デパート内にいる人間が次々と外へと消えていく。
このままだと出る為のアイテムが手に入らなくなる。
「慌てるな! まずはこの状況をどう打開するかが問われる。」
『あぁ、忘れていました…エネミー達がペナルティ対象を救助する度に…死んだ兵士が復活し、敵として現れる事を言い忘れていたよ。』
再び通信が切れると、死んだ筈の選別兵の肉体が再生し、そして壁の中から死んだ兵士が現れ、ロボットのように攻撃し始める。
「退避! 退避!」
選別軍の兵士は、部屋から逃げていく。
選別軍が逃げていくのを確認すると、傀儡となった兵士は、壁に溶けていった。
「ハァ…ハァ…何でこんな目に合わなきゃいけねえんだよ…」
「だからやめておきましょうといったんですよ…RGBに手を出すのは…NP…またの名を剣ヶ峰悠美…あいつは、ウルティメイトウォーリアー剣ヶ峰勇雅、YS…剣ヶ峰宮弥に並ぶ世界最強クラスの能力者…あいつ楽しそうに言っていましたけど、多分相当怒ってますよ。きっと…こんな手の込んだやり方で…俺達をやろうだなんて…」
「いや、きっと奴も楽しんでいる筈だ。…奴は敵対者を遊ぶ傾向にあるらしい。クソ…ここまで早く嗅ぎつけられるとは思わなかった…」
「俺、救助を呼んでみます。」
兵士一人が無線機を使って外部に連絡を取ろうとすると…
『ハーァイ! 君、外から呼ぼうとしたでしょ? 助けを…ダメだよ。世界中にいる選別軍の奴らも銃弾が埋め込まれているから助けを呼んでも無駄。無駄死にが増えるだけだよ。いいのかなー? 無駄死にが増えてもー? それに、増やさない方が脱出しやすいよ? 殺す数が減るからね。』
「このサイコパスめ…」
『何とでも言え。君達は、ここから出られない。絶対に…』
悠美の声は、徐々にノイズ混じりの不協和音の声になっていき、言い終わると、兵士が持っている無線機からノイズ音が鳴り、そしてけたたましい金切り声が鳴り、無線機が爆発し、使えなくなり、そしてデパートの中がいきなり異界になっていく。
『ここは助けの来ない結界内…お前達は、第一の罠の中に入った。さぁ、足掻け…プレイヤー達よ…』
兵士達の脳内に不協和音の悠美の声が気味悪く響く。
異形の壁から傀儡の兵三人が現れ、銃を向け、問答無用で銃を放ち始める。
傀儡の兵士の射撃能力の一発一発が正確で、敵の動きを予測し、確実に急所を狙って連射してきており、この時点で数名銃に撃たれて死んだ。
「戦闘開始!」
遅い号令を聞いて兵士達は、傀儡の兵士に向かって不正確な射撃を放ち始める。
傀儡の兵士達は銃弾を回避していく。
「この野郎!」
一人の兵士がグレネードランチャーを放ち、吹き飛ばす。
「やったか?」
爆風が晴れると、そこには、肉体が再生していく三人の傀儡の兵士がこちらに向かって近づいて来ていた。
銃は、グレネードランチャーの爆発によって壊れたようだ。
傀儡の兵士は、走り、こちらに向かってくる。
その速度は、火事場の馬鹿力で出るような肉体の限界を超えた速度だ。
「足を崩せ!」
「了解!」
選別軍のスナイパーは、三人の傀儡の兵士の足を崩し、倒れさせた。
倒れたのを確認すると、隊長は兵士達を連れてその場から立ち去る。
(巡回していた兵士の半分が10%が改造兵だった…あの兵士は、普通の兵…残っている改造兵、このチームのリーダーである俺だけ…俺が何とかしなくては…)
「この先には何もいない。いくぞ…」
(とりあえず今はカロリーを補給しなければ…そうでないと俺の能力は使えない…制圧する際に能力をフルに使ってしまったからな…クソ…こんな時に運が悪い…)
「隊長、突撃の際にカロリーを大幅に使ったんですよね? これ食べてください。」
「これは…」
「突撃の際にくすねてきた栄養食です。」
「悪い。恩に着る。」
新兵らしい見知らぬ兵士から栄養食を渡された。
「美味いな…そういえば、お前って誰だ?」
「いやですね。俺ですよ俺、いや私ですよ~」
新兵の体がピシッと割れ、新兵の肉体は生理的に不快な音を立てながら気味の悪い変貌を遂げ、新兵だったものから鎧を身に纏った悠美の姿へと変わった。
「貴様は!?」
「御機嫌よう。テロリスト諸君さっきぶりだね。さて、隊長…君にはこいつらを纏めて殺せる力を持っている。その力を脱出のために使ってもいいし、隊長。君の好きなように使いたまえ…Ciao…あぁ、そうだ。君達の中にもまだ私がいるかもしれないよ…何せ、今いる私はただの幻影でしかない。さっきのはただのデモンストレーションに過ぎない。君達の中に私が紛れ込んでいるという事のな…そして君達の中に紛れ込んでいる私は不定期に君達を一人ずつ殺していく…そして私には銃弾が仕込まれていないので、エアガンに撃たれても死ぬことはない…人狼を楽しみたまえ」
悠美は、そう言って立ち去ろうとする。
「待て!」
隊長は、悠美に向かって超高熱の炎を放つが、悠美の体を炎が通り抜け、炎が異形と化した肉壁に食われて消え、悠美は、少しずつ透明になって消えた。
「消えちまった…クソ…なんなんだあいつは…!」
「まさか味方に紛れていたとは…それに…この中に奴がいるだと? 殺しあいを強要させる気か!」
「なぁ、お前、さっき壊れた無線機、録音機能ついていたよな?」
「そうだけど何だ? まさか俺を疑ってんのか!?」
「そうだ。予め、マイクに録音して通信しているように見せかけたんじゃないか?」
「そんな…言いがかりだ!」
「言いがかりか…だが、自分の潔白を示す証拠がないだろう?」
「証拠ならある! 無線機を…ない!? 無線機がない!?」
「大方、再生機能を使った証拠を消す為に能力を使って消したんだろう?」
「嘘だ…信じてくれ…」
「駄目だ。確かめさせてもらう。」
一人の兵士がエアガンを構え、疑われている兵士に向かって引き金を引くと、兵士の体が破裂し、体内から無数の銃弾が飛び出し、そして銃弾は消えた。
「そんな…信じてくれと言ったのに…」
辛うじて生きていた疑われていた兵士は、突然発生した牙の生えた床に悲鳴を挙げながら喰いつくされた。
「何やってんだよ! お前!」
「何って、疑いのあった奴を殺したまでだ。こんな状況で冷静な判断が出来るか。それに早くここから出たいんでな。俺は他者よりも自分の命を優先する。」
その時、疑いのあった兵士を殺した兵士の脳内に悠美の声が響く。
『ハァイ、仲間を殺したそこの君! ヒントを与えよう。君に与えるヒントは…鍵を手に入れるヒントを得たければ、食品売り場に行け以上です。』
(食品売り場か…そこに何かがあるんだな。)
「さっきの事は、後にしよう…それで何かヒントを得たんだろ? 口頭じゃ駄目だからメールで送ってくれ。」
「まぁ、いい…ヒントを送ってやろう。」
兵士は、メールの送信ボタンを押そうとすると、肉体が破裂し、床に喰われた。
「何!?」
その時、全員の端末がハッキングされ、画面には「メールでも駄目だよ~♪」と血の文字で表示され、全員の端末が爆発した。
『ハァイ! メールで伝えようとお願いしてヒントを皆に与えようとして殺しちゃったそこの君! 彼が持っていたヒントと新しいヒントを与えよう。そのヒントは…鍵を手に入れるヒントを得たければ、食品売り場に行けと結界を解きたければ、結界内にいる全ての敵を倒せ以上です。』
(俺が…殺した…そんな…嘘だ…)
震える…自分が仲間を殺してしまった事に…どうしようもない恐怖…
「おい! 逃げるぞ!」
肉壁から無数の敵兵が現れる。
確実に殺そうと近付いてくる。
銃を構えて近付いてくる。
「ハハハハハ…殺せよ…」
一人の兵士が諦めたその瞬間…
「そのゲームは無効だ…」
中性的な美声が聞こえると、無数の敵兵は肉体を崩し、消滅した。
「誰だ?」
そこには英雄、いや悪魔が立っていた。
自分達を殺そうとした悪魔の一人。
悪魔の中の王、魔王…龍雅が。
「よう、テロリスト共、助けに来たぞ。」
龍雅は、絶望しかけた兵士に手を差し伸べ、兵士は龍雅の手を掴み立ち上がる。
「何で、俺達を…」
「俺ァ、バッドエンドよりもハッピーエンドが好きなんだよ。ほら、行くぞ。お前達の行く先は地獄ではない刑務所だ。てめえらはムショに入って反省しな。」
「龍雅…それはいけないわよ。折角のゲームがぶち壊しになるじゃない。それに貴方では私には勝てないわ。」
悠美は、肉壁から現れ、龍雅に向けて異形の剣を向ける
「ハッ、俺は生憎と馬鹿な壊し屋でな。バカは蛮勇を振るうのさ。」
「そうなのね…じゃあ始めましょうか。」
悠美は、指を鳴らすと龍雅を縛っていた腕輪が外れ、龍雅は力を取り戻し、そして大幅にレベルアップした。
「レベル200か…」
「さて、ここではやりにくい…他の場所でやりましょう?」
悠美が指を鳴らすと、空間の歪みが出現した。
「この先は、地獄の異世界…そこが私達の戦場よ。言っておくけど、私は宮弥程、優しくはないから」
「覚悟は決まっている。」
『ならば、俺も力を貸そう。』
――獄雅?
そう言って獄雅が龍雅の心の中で話しかけてきた。
獄雅…真ヶ峰獄雅とは、龍雅の中に宿るもう一人の龍雅で、その力は世界最強レベル。
『今のお前では分が悪い…ならば俺の力を使えば抵抗できる。今回はお前に主導権を譲ろう。まぁ、あの時のお前は俺の力をフルに生かせず苦戦したけどな』
――うるせえ…お前だって999の俺と融合しないと本気の宮弥に勝てねえじゃねえか
『まあな…で? どうする? 俺の力を使うか? 使わないか? 今なら、折角だ。異形の装備を貸してやる』
――やってやるぜ。
『よし、では力を与えよう。』
龍雅の力はさらに増幅し、結界が解かれる。
「へぇ…もう一人の龍雅の力を借りたのね。」
「あぁ、始めようぜ。おい、お前達…宮弥達に伝えておいたからさっさとここから逃げるんだ。」
龍雅は、テロリスト達に解体を放ち、体内にある銃弾を分解した。
「これで外に出ても大丈夫だ。早く行け!」
「恩に着る!」
テロリスト達は、その場から去って行った。
「さぁ、始めようぜ。姉さん…」
「よくも私の計画を壊してくれたわね。」
「喧嘩なら異世界でやろうぜ。ここじゃあこの世界がぶっ壊れちまうんでな。」
「えぇ」
龍雅と悠美は、高速で異世界に続く扉に入っていくと、扉は閉まった。
「またここか…」
そこは数億年間戦った世界だった。
「ここが私達神々に匹敵する能力者の戦場に相応しい。さぁ、始めましょう。」
悠美がそう言うと、龍雅は最強形態に移行し、破滅の領域を展開する。
無人の異世界は破滅の領域によって崩壊し始める。
「ハァアアア!!」
先手を切ったのは龍雅、龍雅は、魔王のような禍々しい礼服を身に纏い、そして超音波を発する瞼の閉じた眼が付いた剣を装備すると、力が更に増大した。
龍雅は、剣を振るうと、鞭のようにしなり、伸び、そして悠美を追いかける。
――これは…蛇腹剣か!
「へぇ…これが龍雅の剣か…」
悠美は、物質を生成しながら逃げる。
刀身が、物質に触れると、物質は消滅…いや、消失する。
(何!? あれ、超巨大ブラックホールの重力にも数兆年耐えられる物質なのに消えた!? まさかあれに触れると消し飛んじゃう訳!?)
「逃がすかよ!」
龍雅が、そう言うと蛇腹剣の刀身が数億に増え、そして光を超える速度で追いかけ始める。
(速い…!)
悠美は、光を超える速度で回避する。
瞬間移動しながら回避する。
「駄目か…届かないようだな。」
龍雅は、蛇腹剣を元の状態に戻す。
(龍雅のあの剣…警戒した方がいいわね。そして早めに決着をつけないと…)
「真価解放!」
悠美は、そう言うと剣は、姿を変え、千の剣の羽根を持った翼へと変貌した。
剣の一つ一つが色が異なっていながら調和しており、羽ばたく度に剣の羽根が色に合った属性を放ち、地上へと突き刺さると剣は属性に合った大規模な大災害を起こし、そして悠美の翼の羽根は再生する。
「へ~力を解放するには真価解放っていうのか…では、俺も使わせてもらう…真価解放!」
龍雅が、そう言うと礼服は、黒と金が反転した黒主体の魔王の鎧へと変貌し、そして剣の超音波は無くなると、剣は目覚め、閉ざされた緑黒の眼を晒そうとすると…
「やめろ! 兄さん!」
宮弥は、突然現れ、龍雅の剣を弾き飛ばし、剣は龍雅の体内に消える。
「兄さん…今、何をやろうとしたのかわかっているんですか!?」
「宮弥…お前一体何を怒っているんだ?」
「兄さん…貴方がやろうとした事は、俺の支配する全ての世界を跡形もなく消し去る事なんですよ!? わかっているんですか!?」
「何だよそれ…意味わかんねえんだが…俺の剣が…世界を滅ぼすだって?」
「はい。そうです。俺と兄さん以外の全てが消え去ります。この剣の真価を解放する事は絶対にやめてください。お願いいたします。」
「わかった。んで、悠美…どうする? 続けるか?」
「いえ、やめておくわ。そんな危険な物を持った弟とやり合うつもりはないわ…」
「わかった。おい、獄雅。もういいぞ。」
『あぁ、そうかい…で? 俺の武器の使い心地は?』
「気味が悪い程、使い心地が良かったな。」
『そうか…では、俺は寝る。お休み。』
龍雅の中から力が抜け、獄雅の力を失った。
「さて、先に帰っていてください。俺は、この世界の修理をしますから」
宮弥は、そう言って元の世界に戻る扉を開いた。
「帰ろうぜ。姉さん。」
「そうね。龍雅、今日はごめんね。」
二人は元の世界に戻っていった。
「ご協力感謝します。」
異界デパートから解放された選別軍の兵士は、警察に連行されていく。
「まさか宮弥と悠美以外が倒した奴、みねうちとはね…」
「まあな…事後処理はなるべく避けたいんでな。あいつらはあいつらで証拠隠滅が出来るからな。記憶改竄でなかった事になる」
「龍雅が撃った奴は?」
「あれは急所を外してある。後で回復させた。」
「よう! 集まっているな!」
剣ヶ峰三兄妹は、デパートから出てきた。
「さっきの戦いで、何故かお前にこんな感情を抱いてしまった…いつかお前を超えて見せる…絶対に私がお前に駆って見せるとな。悠美…何故か貴様を超えなければならない気がしてな。」
「私もよ。紗里弥、私は貴方に負けるわけにはいかない気がするわ。」
二人はにらみ合う。
「悠~美~」
一人のアイドルが悠美に抱き着く。
「無事だったか?」
「うん! 助けに来てくれてありがとう!」
「私にとってはメンバーは、もう一人の妹のようなものよ。礼はいらないわ。」
「おいおい姉さん。もう一人の妹ばかり見てないでさ。偶には、本来の弟と妹の事を見てくれよ。」
「すまん。龍雅、今度埋め合わせするから」
「ホントだな?」
「約束するわ。」
「んじゃ、今遊ぼうぜ。姉さん。」
「いいの?」
「あぁ、この後の予定は?」
「ないけど…」
「んじゃ、遊ぼう!」
龍雅達は再び海で遊び始めた…
この夢が覚めればまた格闘大会に戻り、戦いが始まる。
この夢は、現実世界に残る夢。
RGB255も人類選別軍の兵士もこの夢で起こったことが現実に反映される…
制御された龍雅の戦闘力は一般高校生から再び改造兵の力へと戻った事に三人以外は知る由もない。




