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剣ヶ峰龍雅の欲望/Life.of.Predetermined:GreedDragon  作者: 六月不二
日常章Ⅰ《取り戻した日常編~Normal daily life is beautiful/Happy days everyday~》
75/222

第斜拾壱話《季節変成:迎春》

 致命的なバグが発生しました。

 異界、並行世界消滅及び管理者現界時間が数日経過の影響により、発生したと判断。

 解決策を検索。

 バグは修復不可能と判断。

 次の大規模イベント通称体育大会予選発生まで季節は歪んだままです。

 時間設定。

 異界№Billion界呪支配世界通称現実世界に基準設定。

 1月7日、2028年に設定。

 記憶処理開始…99%完了。

 管理者空神翔妃、ユーザー剣ヶ峰龍雅のみ失敗。

 銀河系、太陽系、地球位置設定完了。

 更新完了。

 今後、時間設定を大規模イベント開始時以外は、現実世界基準に設定します。

 2028年設定の大規模イベント全工程終了まで2028年は繰り返されます。

 時間停止解除。

 

 得大紐は北国の如く深い雪が積もっている。

 本州はそれほどでもないが、ここだけが何故か雪が積もっている。

 最低気温は−40度

 それもそのはず、原因は、紗里弥が意図的にこの島を凍えさせているからだ。


 得大紐山は、最強最悪クラスの火山で、噴火すれば、地球は、原初の時代マグマオーシャンの時代に逆戻りするとまで言われている。

 紗里弥が能力を覚醒する前に、火山を止めていた氷系能力者千人ほどがいたが、紗里弥が能力を発現した数日後に、前任者は全員死亡。

 紗里弥は、前任者の遺志を継いで島全体を冷やしているのだ。

 

 「寒っ!」


 龍雅は、震えながら眠っていた。

 時間の歪み、バグのせいで季節が急変し、冬へと変わった事と、龍雅の格好が春のままである事が重なり、龍雅は寒さに震えている。


 「今何時だ?」


 龍雅は、スマートフォンを見ると、7時を示していた。

 

 「7時…1月7日か……1月7日!? 嘘だろ…時間が巻き戻っているのか!?」


 龍雅は、月日を見て飛び起きた。


 「起きましたか…」

 「翔妃…お前何をした?」

 「いや、俺は何も…ただ、世界そのものがバグってしまったようです。」

 「バグった?」

 「そう、そしてこれからは時間の経過が急激に早くなり、そして一年が終わるとまた年は2028年に逆戻りする。…イベントが一通り終えるまでは、」

 「イベント? なんだそれは?」

 「イベント…貴方の人生に仕組まれたメインストーリーで起こる事象の事をイベントと呼び、これまで今までの出会いや第一第二の輪廻そして私の世界での戦いは、イベントに入る。あなたの感覚での昨日の出来事はイベントではない。つまり貴方が過ごすべき本来の日常は失われたといってもいい。世界規模での記憶処理が行われました。」

 「翔妃…これを解除する方法はないのか?」

 「ありませんね。あるとするならば、全イベントの終了させ、エンディングを迎えるか…或いは、貴方の完全なる死か、俺がこの世界から出て行くか」

 「なるほど、逃れられないということか…」

 「そういう訳です。俺の能力をフルに使っても修復不可能な状態です。」

 

 (俺を出て行せれば、すぐに解決するのに、お人好しだ。)


 「では、1年をやり直しましょうか…」

 「あぁ…」

 「一つ言い忘れました。人間関係や能力値そして所持金、所持物は変わっていませんので、安心してください。後、イベント発生時だけは、季節が元に戻りますので…」

 「わかった。」

 「まぁ、ともかく今は着替えましょう。」

 

 龍雅は、冬服に着替え、下へと降りた。

 母は、仮想通貨で儲けた分を取りに行ったらしく家にはいない。

 父は、また大会に出場して稼いでいる。

 姉も、テレビ出演でいない。

 家に居るのは、兄と妹ただ二人だけだ。

 

 「取り上えず七草粥を食べましょう。今日は1月7日、お粥は朝食にもピッタリです。それに本来は朝に食べるのが正しいんですよ。」

 「そうか…じゃあ一緒に作ろうか。」

 「えぇ、儀式なんてやってはいないけれど…作りましょう。」

 

 龍雅と宮弥は台所に立ち、宮弥は異次元から七草がゆの素材を取り出し、料理を開始した。

 どれもこれもが新鮮でいて瑞々しい。

 

 七草粥、その起源は古代中国にあり、大しうと呼ばれる者がいた。

 大しうは百を超えた両親を若返らせるために、山に21日籠り、苦行を重ね、天に願った。


 「私に老いを移してもいいのでどうか両親を若返らせてください」


 それを聞いた帝釈天は、こう告げた。


 「そなたの願いを聞き入れた。須弥山の南に齢8000年の鵞鳥がいるが、この秘術をぬしら親子に授ける。ついては、 毎年春のはじめに七種の草を食べること。1月6日までに7種類の草の集めておくこと。次の時刻に柳で作った器に種を載せ、玉椿の枝で叩くこと。 酉の刻から芹、戌の刻から薺、亥の刻から御形

子の刻から田平子、丑の刻から仏座、寅の刻から菘、卯の刻から清白、辰の刻からこれらの種を合わせ、東から清水を汲んできて、これを煮て食べること。一口で10歳、七口で70歳若返るので、ついには8000年生きることができよう。」


 大しうは、神託を何度も暗唱し、この日が正月であった為、山を降り、七種類の草を集め、6日の夕方から夜通し草を叩き、朝になると清き水で粥を炊いて両親に食べさせた所、両親は若返り、この噂を聞いた帝は、感動し、大しうに位を与えた。

 七草粥は、親孝行の話と呼ばれている。


 龍雅は、米を水が澄むまで洗い、そして米の量にあった水を鍋に入れた。

 宮弥は、鍋に対して時間経過能力を使い、時間を短縮させた後、蓋をして鍋をヒーターに乗せ強に設定し、沸騰すると蓋をずらし、弱に設定した。

 龍雅は、焦げ付かないように注意しながら60分ほど熱量を調節しながら最弱の力で優しく混ぜ、そして餅と予め切っておいた七草を入れ、混ぜ、そして七草に火が通り、餅が柔らかくなると、龍雅は塩を振り、混ぜ、茶碗に盛り付けた。

 七草粥は美しく仕上がっており、米の一つ一つが綺麗に見える。


 「おいおい、全部俺がやったじゃねえか…」

 「えぇ~俺、七草切りましたし~」

 「それ調理って言わねえから…」

 「いけずめ…」

 「さて、食うか…いただきます」

 「いただきます」


 七草粥は、朝に食べるにふさわしい優しい味だった。

 七草は苦くない。

 忙しい朝でも食べれそうな味だ。

 龍雅と宮弥は食べ終えると食器などを洗った後、食器洗い機兼食器乾燥機に入れ、起動した。


 「さて、休みだし…どうしようか…」

 「そういえば、メールに入ってましたよ。極星院邸で新年会やるって…」

 「いつだ?」

 「明日の12時…日曜日からです。」

 「んじゃ、今日は何にもないって訳か…」

 「えぇ…何にもありません。何も起きず何も起こらない。そして全てが狂いだした始まりの日。物理法則が弱まり、変幻自在と化す世界。その始まりの日。あなたが進まない限り2028年を繰り返す。過去と未来は失われ、世界は固定された時間に囚われる。世界規模の輪廻…牢獄事象の始まりです。」


 宮弥は怪しい声でそう言い、クククと笑う。

 世界は狂い始める。

 修復不可能。

 壊れた世界の日々が始まる。

まぁ、簡単に言うと剣ヶ峰龍雅世界がサザエさん時空に入ったということです。

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