第陸拾斜話《EXLoop:Final たった二人の最終戦争》
「ブレイブジェノサイダー・ザ・ワールドデストロイヤー…これが王の力だ!!」
龍雅の両目は、黒く染まり、世界に再び虚無が侵食し始め、そして世界は真っ暗闇の世界から灰色の混沌とした白と黒の揺らぎのある世界へと変貌した。
城は、徐々にすり減り、そして消えて無くなった。
「後戻りなど出来はしないか…では、セーブをするとしましょう。」
宮弥は、強制的に龍雅が巻き戻る地点を今の時刻に設定し、戦闘を開始した。
剣を振るい、ワームホールを無数に展開し、ワームホールから無数のゼウスの雷鳴が射出されたが、龍雅は、雷を全て消滅させ、そして自分のレベルを強制的に999へと上昇し、そして龍雅のオーラは変わり、宮弥の攻撃を全て回避し、そして指を鳴らすと、時間が逆行し、無数の雷が宮弥に襲いかかるが、宮弥は雷を全て光に変え、レーザーとして龍雅に向けて放つと、龍雅は盾を生成し、レーザーを反射し、そして宮弥を蹴り上げると、宮弥の腹は消滅するが、すぐに腹は巻き戻る様に再生し、そして炎の矢を無数に放ち、炎の矢は一つ一つがビッグバン並みの威力で爆発した。
(一二歩先の兄さんの行動パターンに無駄がない…いや、無駄がないというよりは読まれている…つまりこれはアレを使っているという訳だな。歴史改変による行動改変も無意味ときた。ここは、槍を使うか…)
宮弥は、空間から無数のブラックホールではない何かを回転させながら射出し、球体は、回転する度に時空を吸い込み、龍雅の体を世界ごと引き裂こうとする。
「さて、こうなるか…ならば…これでどうだ!!」
龍雅は、無数の物体を生成し、光を超える速度で放ち、質量無限のブラックホールを無数に生成した。
「莫大なエネルギーの爆発を受けるがいい!!」
ブラックホールの質量をエネルギーに変換し、大爆発を起こし、槍を破壊し、そして宮弥は、爆発から逃れる為、ワームホールを生成するが…
「逃がすかよ!」
龍雅は、爆発を収束し、光線と化し、光線が向かう先にワームホールを生成し、宮弥を追いかける。
(この光線は、無限のエネルギーが光線と化したもの…熱量は計り知れない。)
光線は、一直線でしか動けない。
だが、ワームホールを無数に展開する事で、光線の動きを曲げる事が可能。
宮弥は、光線を回避する為、連続してワームホールを展開するも、すぐに光線が宮弥を追いかける。
「更なる攻撃だ!」
龍雅は、全方位にワームホールを展開し、全身から無数の光線をワームホールに向けて放ち、そして宮弥は、無数の光線を回避しながら龍雅に向けて無数の砲撃を仕掛けると、龍雅は砲撃を全て回避し、宮弥は、光線の軌道を予知し、そして光線が当たる直前に、空間を捻じ曲げ、光線を回避し、無数の光線を一つにまとめ上げ、光弾と化し、龍雅に向かって放つ。
龍雅は、光弾を消滅させようとするが、消滅が効かない。
「これは破壊されることがない。必中と防御無視と即死の概念付与した光弾を破壊などは出来ない! そして俺に向かって跳ね返す事も不可能だ! そして時間の影響も受ける事はない!」
光弾は、一秒ごとに無量大数に分かれ、龍雅を追いかけ始める。
龍雅は、ワームホールを生成し、異世界に逃げ込むも、次元の壁を破り、追いかける。
――否、簡単な事か…
龍雅は、宮弥のいる世界に戻り、無限にも等しい数の光弾が龍雅を追い詰める。
――概念付与でこんなことが出来るのなら…俺だって……光弾、付与概念全無効、我にあらゆる原初神の力を宿せ。
「行くぞ! ハァ!」
龍雅は、掌に光を生成し、光を叩き割ると、光弾は全て吹き飛び、無数の銀河が生成された。
「なるほど、新世界を誕生させましたか…でも、それで何の意味があるというのですか? すぐに滅び去るというのに…」
「確かに滅び去る…今も、虚無の浸食で銀河が消え始めている。だが、無数の光弾が消えた。俺は光弾を消すためだけに世界を創った…いや、創ってしまった。生物はいない。生物が生まれる可能性などない。ただあるのは、輝き燃える恒星のみ。」
「なるほど、この世界は無意味な世界であると…では、消してしまいましょう。」
宮弥は、剣を振るうと、世界は一瞬にして消えた。
「さて、もう遊びは終わりにしましょう。もう俺は、出し惜しみはしませんよ。全邪全聖全善全悪…あらゆる伝説と神話は、我が身に通ずる。我が忌み名、天使ヤズラエルの名の元、ありとあらゆる夢幻よ。我が力となれ!」
――強制セーブか…!
「さぁ、無限の死の始まりですよ。覚悟してくださいね。に・い・さ・ん。」
宮弥の闘気は、まるで神仏/邪神/天使/悪魔/英雄/怪物のように見える。
あらゆる存在を超越しているよう。
まるで勝てる気がしない。
宮弥が、剣を振るうと、宇宙崩壊の攻撃が何京回も続き、龍雅は一瞬にして数億回死んだ。
「クソッ…」
宮弥は、何かを投げると、無数に分裂し、光を超える速度で追いかける物理弾と化し、龍雅に衝突すると、宇宙を滅ぼす大爆発が無数に発生し、宇宙を遥かに超える程の大きさのブラックホールが無量大数の数ほど発生し、龍雅は、数兆回死んだ。
「即死が無意味なら、俺自身の攻撃出力を上げればいいだけの事! この力を以って倒す! 概念無効にされる前に! 否、今の俺に概念無効そして異能無効は効かない!」
宮弥は、狂気的なテンションで、龍雅に無限にも等しい連続攻撃を与える。
「ハハハハハハ!!! ハハハハハハハハハ!!」
龍雅は連続攻撃を受け、無数に死ぬ。
「ハァ…ハァ…強すぎるな…」
もはや、神という領域を超えている。
どうあっても勝てない。
最強の邪神の力でさえ、小さく見える。
「さて、ここで一つ私の最終奥義でも発動しましょうかね…あらゆる物語よ…人の心より生まれし世界よ…我に更なる力を与えよ。聖魔臨界突破・界樹極撃!!」
その時、この世界の全ての平行世界が滅んだ。
龍雅が作った恒星だけの世界の平行世界も全て滅んだ。
恐らくこの世界から離れた異世界…つまり龍雅の住む世界でも時空の震れが発生し、滅んだ世界も無数にあるだろう。
龍雅が元いた世界は、滅びた。
龍雅は、復活すると、世界は灰色から何もない真っ白な空間へと変わっていた。
「ふぅむ…初期設定の世界に戻りましたか…まぁ、いいでしょう…関係の無い事です。」
龍雅は、剣を生成する。
何の変哲もない形の剣。
戦場にあればすぐに忘れ去られてしまうような形の剣。
「そんな剣で何が出来るというのですか?」
「…確かにこれは何の意味の無い剣だ…だが…」
剣を振るうと、宮弥は、何かを感じ取ったのか回避すると、全てを切り裂く斬撃が発生した。
「俺を反則技を使って強化した…俺という存在が壊れてもいいぐらい強化した。故に、この剣は意味など無い。」
反則と反則を重ねに重ねた罰だろうか龍雅の体は砂の建造物ように少しづつ消えていっている。
「何をしている? それは…お前を滅ぼす…」
「分かってんだ! これは長時間使えば俺自身、俺の魂と体そして歩んだ道のりを全て初期へと回帰させる可能性のある禁断の技! さぁ、早く決着をつけようぜ! 宮弥!」
龍雅と宮弥は、一瞬にして無数に衝突する。
衝突する度、時空が大きく歪む。
何度も何度も衝突する。
互いが傷ついて行く。
世界は変わっていき、衝突する度に無数の物質と光が生まれては消える。
「ハァ!!」
龍雅は、宮弥を殴ると、宮弥に殴り返されると、また殴り返す。
蹴られると蹴り返す。
斬られると斬り返す。
失った肉体は再生する。
殆ど肉弾戦だ。
龍雅は、無数の弾幕を作成すると、宮弥も弾幕を張り射出し、弾幕が行き交う中で再び肉弾戦を開始する。
弾幕の弾を操りながら敵の弾を避け、殴り蹴り斬る。
この二人はもう何も考えてはいない。
ただ目の前の敵を倒し、勝利を告げる。
ただそれだけだ。
もはや二人は、頭を動かす前にもう体が出ている状態になっている。
感覚だけで戦っている。
「オラァ!!」
「アァァ!!」
何度も何度も殴り合う/斬り合う/蹴り合う。
「宮弥!! いや…翔妃ィィィィ!!」
「龍雅ァァァァァァァァ!!!」
剣と剣がぶつかり合い、そして鍵剣は、はじけ飛び、剣は、ひび割れ、消えた。
「ハァ…ハァ…そろそろ決着を着けようか…」
「ええ…そうですね…」
二人は、目を瞑った。
世界は、無音となり、静寂に包まれる。
数分後、二人はいきなり力を溜め始める。
「ハァアアアアアア!!!」
「アアアアアアアアア!!」
エネルギーが高まっていく。
世界は揺れる。
無数の異世界が小さな揺れを観測する。
「「行くぞ!!」」
宮弥は、空を飛び両手にエネルギーを溜める。
龍雅も、宮弥に向けて両手にエネルギーを溜め始める。
「「喰らえ!!」
「聖魔臨界突破・界樹極撃!!!!」
「悪逆臨界突破・冒涜極撃!!!!」
二人は、エネルギー波を放ち、二つの攻撃が衝突する。
攻撃の衝突で、無数の世界が揺れ始める。
エネルギー波は球体となり、押し合う。
二人は、エネルギー波の中に入り、エネルギー波を取り込み、二人は衝突すると、爆発し、無数の世界が大きく揺れ、そして揺れが収まると、二人は白亜の大地に跪き、そして全身の力を入れて立ち上がる。
「体力が消耗して双方能力は使えなくなったようですね…けど…はぁ…はぁ…能力が使えなくなってしまったとは言え、私はまだ終わってはいませんよ…兄さん。」
「あぁ、決着を着けよう…」
宮弥は、鍵剣を抜き、龍雅に向け、クククと笑う。
龍雅は、剣を取り出し、構える。
――これが本当に本当の決着だ。
「はぁ!」
宮弥は、龍雅に向かってフラフラになりながら斬りかかると、龍雅は、もたつきながら回避し、宮弥に斬りかかるが、宮弥は剣を鎧で受け止め、はじき返すと、隙を突き斬りかかるが、龍雅は、鍵剣を突き、剣ごと放り投げると、龍雅の剣は、消滅し、白銀の鍵剣も遠くへ飛ばされると、二人は、殴り合い始めた。
――魔力は、もう残っていない…なら殴り合うのみ…もう考える力も残ってねぇ…
「オラァ!」
龍雅は、拳にエネルギーを溜め、エネルギーで攻撃力をブーストし、宮弥の顔を殴る。
「ハァ!」
宮弥は、純粋な戦闘力による攻撃で、殴る。
「オラァ!」
「はぁ!」
技も無く殴り合う。
虚無の世界にただ殴り合う音だけが聞こえる。
次第に双方の力も無くなっていき、技も力もない攻撃になっていく。
それでも殴り合う。
宇宙最強クラスの戦いからただの人間二人の殴り合いへと落ちていく。
二人の意識が朦朧とし始める。
「ハァ…ハァ…」
無意識に殴り合う。
どちらかが倒れるまで。
動物的に攻撃し合う。
「■■■■■■■■■■■■■■■!!!」
言葉にもならない叫びを放ち、龍雅は、宮弥に向けて渾身の一撃を加えると、宮弥は倒れ、そして龍雅もまた倒れた。
宮弥は、残りの力を振り絞り、這い、龍雅の元へと向かう。
「ハハハ…俺の負けか…」
「いいや、貴方の勝ちですよ。兄さん…俺を相手にここまで…お疲れ…さまでした…兄さん…いや、龍雅君‥」
「そうか……それは……それは…よかった…宮弥…いや…翔妃……」
龍雅と宮弥は、気を失い、倒れた。
数日後
「…さん…に……ん…に…さん…兄…ん! 兄さん!」
宮弥の声。
龍雅が目覚めるとそこは、白亜の世界。
龍雅は起きると、宮弥は龍雅に手を差し伸べ、龍雅は手を取り、立ち上がった。
「起きましたか…」
「あぁ、起きたぜ。数億年ぶりの睡眠だった。…さて、もう事は終わった事だし、一緒に家に帰ろうぜ。宮弥…」
龍雅が、そう言うと、宮弥は首を横に振った。
「今更帰れません…俺が、帰ってきた所で覚えているかどうか…それに俺達は偽物の家族…」
「忘れるわけがないだろう。偽物の家族? それがどうした? 確かに俺の住む世界、俺の家族はお前の造った偽物だ。だがな…偽物が本物に負ける事なんてのはありえない…勝つ事だってある。だって、偽物の肉体を持つ俺が本物の肉体を持つ俺に勝ったんだからな。それに、戦いってのは、敗者は勝者の命に従うべきだぜ。そう、お前は戻って来い…勝者が敗者に対する命令だ。」
「俺を許してくれるのですか? 数億年もここに閉じ込めたのに?」
「あぁ、俺はお前に対して怒ってない。お前は、YSという女から解き放たれ、二人の少女として生きる。もし、YSのままでもいい…俺は、前世の事は覚えていないけど、俺はお前の愛する存在としてあり続けよう。振る舞おう。宮弥…いや、翔妃。」
「フフッ…では、帰りましょうか…兄さん。」
「あぁ…」
龍雅が、歩き出した瞬間、何かが龍雅の中から抜け落ちた。
――何だ?
後ろから拍手の音が聞こえる。
龍雅が、後ろを振り向くとそこには、白黒の龍雅が立っていた。
『おめでとう。俺…そして翔妃…俺は、役目を終えた。俺は、この世界と共に消え去るのみ…』
「どういう事だ? 龍雅…? 消えるって…」
『そのままの意味だよ。俺…俺は、消える。俺の役割は終えた。後は、お前達が世界を思うままに駆けろ。俺は、お前の中で留まっていれば、お前は成長しないからな。』
「俺とお前は、数億年過ごした仲じゃねえか…なのに、どうしてそう簡単に…」
『ハハハ…嬉しいね。俺が俺に好意を抱くとは、まぁ、元がお前だから俺は男も女もイケる口何だがね。』
「…そんなのってない。」
『いいや、ある。偽物たる俺が消えるのは道理、真の肉体と同じ力なんてどうせ、すぐにお前も手に入る。今手に入るか、後に手に入るかの違いだけだ。それにお前は、言ったな。勝者は敗者の命に従えって…ならこちらもやらせてもらう…約束を果たせ、そして恩には恩で返せ。故に、俺はお前に命じる。振り向くな…未来を視ながらここから出ろ。俺の彼女を頼んだ。』
「いやだね。」
龍雅は、白黒の龍雅の手を掴んだ。
「ならば、俺は、恩を仇で返し、約束も守らない。俺は、自分勝手なクズなんでな。恩を仇で返し、約束も守らないかも知らないひねくれ者の悪人だ。俺の欲望のままに動く。助けたい奴は助け、守りたいモノを守り、そして離したくない存在は、離さない。俺は、強さでお前を求めてなんかいない。俺はお前に生きて欲しい。俺はお前、お前は俺…光と影は、同時に存在しなければならない。」
『ハァ…仕方がない…わかった。覚えておけよ。恩を仇で返した事を…』
白黒の龍雅は、龍雅と再び同化した。
⦅なら、お前の中に居座ってお前の生きざま、お前の進む道行を特等席で鑑賞してやるよ。⦆
――ありがとよ。俺…
「じゃあ帰りましょうか…兄さん。」
「『あぁ…』」
漆黒の世界に光が差し込む。
二人は、手を繋ぎ、光に向かって飛んで行った。
得大紐に、夕陽が照っている。
地球に戻って来た。
元いた世界に戻って来た。
あの地獄の異世界から戻って来た。




