第陸拾弐話《EXLoop:Twenty-:Fifth 幻想領域Ⅳメソポタミア・ウガリット・ヒッタイト》
幻想領域の敵は、神話通りの手順を踏めば、どんなに弱い人間でも倒せるが、隙を見せるまで耐え続けなければならない。
龍雅は、最後の幻想領域へと向かう。
巨大な城を数千万キロ走り続ける。
相変わらず何もなくただ兵器や雑兵が現れ、無数の罠が設置されているのみ。
龍雅は、城の最上階に辿り着いた。
窓から見えるは、広大な異世界の景色。
一つの物語があるとするならば、ここに辿り着いた時点で物語が終わるような広大な世界。
この世界の旅の終わりは、すぐそこまで来ている。
もしかしたらまたやり直す羽目になるかもしれない。
けれど、それでもいい。
やり直す機会/権利/義務があるのならば、やり直すだけ。
龍雅は、後ろにある巨大な扉を開き、最後の幻想領域に入って行った。
最後の幻想領域、そこは黒色の塔のある小島の中心だ。
――ここは何処の海だ?
龍雅は、周囲を見渡す。
何もない草原が広がっている。
足元には、弓と無数の矢、鋸、二つの棍棒が落ちている。
龍雅は、三つの武器を拾うと、二匹の巨大な龍と岩の巨人が現れた。
――最初からクライマックスって訳か…こいつらは、ウルリクムミ、ヤム・ナハル、ティアマットか…最後に相応しい敵だ
天を掴むように巨大な岩の巨人ウルリクムミは、龍雅に向かって岩の拳を超高速で振るう。
龍雅は、咄嗟に鋸を軽く振るうと、空間が切り裂かれ、岩の巨人の腕は、岩の肉体ごと切断された。
――何だ? この切れ味は…面白い鋸だな。
龍雅は、周りの空間を切り裂き、三体の敵の肉体を引き裂いて行く。
だが、すぐに二匹の龍は再生していく。
岩の巨人は、神話通りこの鋸に切り裂かれ、早速脱落すると、二匹の龍は、巨大化し、始龍ティアマットは、叫ぶと始龍の体から無数の怪物が溢れ出始め、小島を埋め尽くす。
――いつの間にかこいつは倒れたか…まぁ、いい…次は、これだな…
龍雅は、鋸をしまい、二つの棍棒を持ち、水龍ヤム・ナハルと相対する。
ティアマットの眷属を薙ぎ倒しながらヤム・ナハルの元へと駆ける。
龍雅のいる島を小島と評したが、それは今の龍雅にとっての価値観だ。
この島は、オーストラリア大陸と同等の大きさ。
この世界を旅してきた龍雅にとっては、地球の大きさは狭すぎるのだ。
龍雅は、ヤム・ナハルの前に辿り着くと、跳躍する。
水龍は、口から空間を抉り穿つような高出力の水流を放つと、龍雅は、水流を回避し、棍棒に雷を纏わせ水龍の頭部を二つの棍棒で力強く叩く。
水龍の頭部は、陥没し、倒れると龍雅は水龍の体を千に引き裂くと、水龍の姿は、倒れず霧のように消え、龍雅は、始龍の眷属を倒しながら始龍の元へと向かう。
始龍の元に辿り着くと水龍は、体を全て再生した状態で再び龍雅の前に立ちふさがり、水流を放つ。
――もうその攻撃は通用しない。そしてここで消えろ。
龍雅は、水流を凍らせると、水を伝い、水龍を体は凍り、固まると、龍雅は棍棒に雷を纏わせ、投げつけ、水龍の体を粉々に砕き、そして砕かれた龍の肉を球体の中に閉じ込め、邪眼を発動し、球体ごと龍の肉をこの世から消した。
水龍が消えると、始龍ティアマットと眷属は、巨大化した。
龍雅は、地面を殴ると、始龍の眷属は、衝撃波によって全て消滅し、始龍は、大ダメージを受け、仰け反り、倒れ、島が、潰れると、龍雅は空へ飛び、空中戦を開始する。
龍雅は、鋸で始龍の体を空間ごと切り裂くが、すぐに再生すると、龍雅は、身体に風を纏わせ、ティアマットが口から炎を吐き出そうとした時、口に向かって暴風を放つが、始龍は、暴風を回避し、炎の超高厚弾幕を吐き出し、炎弾の一発一発が極超新星爆発級のエネルギーの爆発を起こすが、龍雅は、全て回避すると、始龍は、翼を振るい、皮肉な事にマルドゥークに匹敵する程の威力を持つ暴風を起こすが、龍雅はその場で持ちこたえる。
「はっ! その程度の風では俺を吹き飛ばす事なんてできないな!」
龍雅と始龍の戦いは、苛烈を極める。
始龍は、無数の眷属を召喚するも、龍雅は全て邪眼で殺す。
――そろそろ決着を着けるか…
龍雅は、始龍が再び口を開けた時に備えて体に風を纏い始め、次第に風の力が全ての物を星の外にまで巻き上げる程に強くなっていく。
始龍が口を開けると、龍雅は、口の中に一瞬にして移動し、風を解き放ち、そして後ろに高速で移動し、胸に向かって矢を放つと、矢が始龍の胸を貫き、そして消滅し、超巨大な門が現れた。
――神話生物が現れる領域…仮称幻想領域の敵は、例え叶わなくても神話通りいけば大丈夫だった…だが、これから戦う敵は、神話ではない…幻想領域の戦い方は通用しない。これまでのように戦うしかない。だったらこの世界、幻想領域で得た力を以ってやるしかないな。
龍雅は、そう心の中で呟き、門を開いた。
気が付くと龍雅は、城の中にいた。
今までとは違い、色んな物や部屋があった。
完璧に飾られた豪華絢爛の家具の数々。
中には、未来や、別の惑星の家具らしきものもあった。
ロビーの中心にこの城のマップが記されている。
マップには食糧庫、書斎、宝物庫、武器庫、遊戯室などの様々な部屋が設けられており、恐らくここが宮弥が過ごす居住空間だろう。
龍雅は、スマートフォンを虚空から取り出し、カメラ機能を起動し、マップを全て記録し、ロビーの中心、玉座の間へと続く道へと進んだ。
ロビーから玉座の間へは、たった30分で辿り着いた。
龍雅は、玉座の間を開こうと、扉に近付くとパスワードを入力してくださいと龍雅の目の前に、宙に浮く半透明なディスプレイが現れた。
――なるほど、まだ通れないか…
龍雅は、その場を立ち去ると、スマホに一つの通知が入った。
通知を見ると、メールが届いており、メール機能を開くと、自動的に届けられたメールの内容が映し出された。
メールの内容は
幾年月の旅、ご苦労様です。
では、私の元へ辿り着く最後の試練を与えましょう。
簡単な事です。
書斎の中から扉を開けるパスワードを入手してきてください。
と書かれてあるのみだった。
――なるほど、答えは書斎にあるって事か…
龍雅は、その場を去り、書斎へと向かって行った。




