第伍拾弐話《EXLoop:Thirteenth 虎の影/水星の壁/覚醒した龍》
破壊の波が、響き渡る。
虎太郎の攻撃は、一発一発が龍雅より劣るが、一瞬で無数の攻撃を仕掛けてくる為、総合的に虎太郎の方に戦力的に軍配が上がる。
だが、龍雅には、虎太郎の手数や行動パターンが判っている為、攻撃を紙一重で回避するので、戦力は同等だ。
――さて、少し試してみるか…エネルギー集束を体全体にかける。これで攻撃力が飛躍的に上昇する。
龍雅が、虎太郎に向かって殴ると、虎太郎の体は、砕け吹き飛んで行った。
――よし…成功だ。超高速打撃によって発生した膨大なエネルギーがロスする事無く与えられる…後は殴り/蹴り続けるのみ
龍雅は、虎太郎の攻撃の動作を始める前に超強力な攻撃を超高速で与える。
虎太郎は為すすべがない。
――悪いが、長い時間を取る訳にもいかない…俺はもう勝利を掴んでいるからな…
龍雅は、そう思い、虎太郎の頭を砕き、核を潰すと、虎太郎の体は溶けて無くなり、復活した。
――残り5…死ね!
龍雅は、虎太郎が復活した所を再び頭を砕き、潰した。
――残り4
龍雅は、次に復活する所を先回りし、攻撃し、砕く。
――3
虎太郎は、瞬間移動と無数の攻撃を繰り返し、抵抗を試みるも、龍雅は、無数の攻撃を全て回避し、そして瞬間移動する先を予測し、無数の巨大光弾を配置し、攻撃し、焼き消す。
――2
龍雅は、手を握りしめ、時間を再生した時に生じる…いや、龍雅が攻撃した時に生じたエネルギーを収束させ、虎太郎を焼き消した。
――1
龍雅は、虎太郎と超高速戦闘を繰り広げ、数秒後、虎太郎は再び死んだ。
――0…
虎太郎は、最後の抵抗を見せ、能力の全てを使って対抗する。
だが、龍雅は無情に残酷に虎太郎の姿をした偽物を潰した。
虎太郎の姿をした影人形は、崩れ、そして二度と復活しなくなった。
虎太郎の影の消滅を確認すると、龍雅の口から血が吐き出された。
「先に進むか…」
龍雅は、体を再生しながら先に進んでいった。
鉱山を抜けると、湖のエリアに出た。
遠い遠い遥か先に超巨大な透明な塔と塔を覆う光の柱が見える。
塔の中には、螺旋状の何かが存在しており、その何かは塔の上に存在する巨大都市へと続いている。
塔の総合的な大きさは、ベテルギウスの如き大きさだ。
――ここには何が出る?
龍雅が、一歩進むと、巨大な龍が複数現れた。
「なるほど、龍には龍か…」
龍雅は、龍を一体一瞬の内に全ての攻撃を試して倒す。
――従来の通り心臓部か…
龍雅は、龍の弱点が判ると龍を全て倒していきながら進んでいく。
水星エリアに現れる敵を血眼で探し倒していく。
本来行く筈のない場所にも行って敵を殲滅した。
そして敵を全て倒すと光の柱の前に立った。
「さて、来い…」
龍雅が、そう言うと、結界が張られ、さっきの龍を遥かに超える超巨大な龍が現れた。
大きさは、北アメリカ大陸と同じ程の大きさだ。
「これまた大きいな…地球に居たら間違いなく世界が終わっているな…」
龍雅は、視界に収まり切らない巨龍の攻撃を全て回避し、そして心臓部を穿ち倒した。
「だが、見かけ倒しだったな…レベル130に上がった俺をお前が止める事など出来ない。」
結界が解かれると、龍雅は、光の柱の中に入って行った。
龍雅は、いつものように光の柱の中を駆け、改造兵の影人形が現れると、龍雅は、影人形を一瞬で消し去る。
――さて、次は誰だ?
目の前に、血のように紅い闘気を纏った屈強な男の影が現れた瞬間、男から透明オーラが発せられ、光の柱全体を覆った。
――何だ? 今のは…まぁ、いい…あれは親父か…何をしたのかわからないが、やってやる…親父には、能力が無いからな…
龍雅はいつもの様に、身体能力上昇を発動しようとするが…
――能力が使えない!?
龍雅は、能力が使えない事に驚愕している。
――ならば、鎧を‥
龍雅は、鎧の効力を発動させようとするが、発動しない。
――鎧もダメか…
勇雅は、龍雅の体を殴り、吹き飛ばす。
龍雅の体に余りにも強い衝撃が響き渡る。
虎太郎の影人形の攻撃よりも遥かに鋭く重い。
龍雅は、たった一発の攻撃で死に復活した。
――ケアリングも使えない…今の俺は、一般人よりも遥かに強い人間だ。どうすればいい? やり直すしかないのか? いや、やり直したとしてもここで詰む…レベル130が限界点だ。紅き戦士への覚醒方法もわからないし、どうすればいいんだ?
龍雅は、勇雅の攻撃を上手く攻撃を躱しながら、そう思う。
紅き戦士…戦闘力を向上させ、更に格下の敵の能力を無効化する能力。
それを得なければ、龍雅は自分の父に勝てないと知った。
――なら、どうやって勝つ? 勝てる方法はあるのか?
龍雅は、完全に詰んだ。
どうあってもここから先には行く事が出来ない。
例え繰り返しても、ここで詰むだろう。
だが、龍雅は抵抗する。
まだ一回しか死んでいない。
まだ九回も残っている。
体は動く。
諦めない。
諦めない。
力を奪われた。
だから何だと言わんばかりに挑む。
強大な敵に立ち向かう。
「ガハッ…」
勇雅の攻撃が龍雅の腕を消し飛ばす。
一撃一撃が星を破壊する一撃だ。
龍雅は、勇雅に攻撃しようとすると、カウンターを仕掛けてきて逆にダメージを負う。
――技も力も俺より遥かに上か…
龍雅が構えると、勇雅の姿は、消えた次の瞬間、龍雅の体に強い衝撃が一瞬の内に何度も響き渡り、体は崩壊し、龍雅は死んだ。
――今のが、親父の実力の一端!?
龍雅は、復活するとそのまま勇雅は、龍雅を殺しにかかってくる。
――クソ…
逃げなければ。
逃げねば。
逃げろ。
龍雅の肉体/脳が大声で叫ぶ。
だが、光の柱はいわば牢獄。
龍雅が勝つ/死ぬまで出られない生と死の牢獄。
龍雅は、体と脳の命令を聞かず、立ち向かう。
どうせ逃げれないなら立ち向かった方がいい。
だが、抵抗空しくまた死ぬ。
まるで龍雅の今の状況は、まるで前に戦い、最後の抵抗を見せた虎太郎のようだ。
龍雅は、勇雅を殴ろうとするも、外れ、外れた隙に殺される。
――もう1機しか残っていないな…復活機能は相変わらず何故か生きている…ポーチ機能は、道具を取り出せないが生きている。
龍雅の体はいきなりボロボロ。
龍雅は、勇雅に一発だけ攻撃を加えると、死にまたあの場所へと戻された。
――どうする? どうする? 限界でも130しか上げられない…では、どうすれば? この異世界に来る前のループは、自分の仲間を守ればよかった…だが、今は違う。今は、どう敵を倒すかだ。どうすればいいんだ? 俺よ…
龍雅は、海辺の敵を倒しながら自問自答する。
それから数十回繰り返した。
何度も挑んでも勇雅のエリアで終わる。
この誰も転移/転生したくない地獄の様な異世界で体感時間にして数年過ごした。
だが、現実世界の記憶は消えてはいない。
龍雅は、ただ進み続ける。
――宮弥…お前は何故、俺にこんな試練を与える? 俺が戦闘好きとは言え、限度があるだろう。
龍雅は、汗水を流し、溶岩地帯を進みながらそう思う。
再び、湖に辿り着く。
龍雅は、無意味と知りながら無数の龍を全て狩る。
そして光の柱の前に現れる巨龍も倒す。
改造兵を倒し、勇雅の前に立つ。
「また来たぜ。親父…」
能力無効化の波動が光の柱を覆う。
勇雅は、龍雅に襲いかかる。
龍雅は、勇雅の攻撃を直感と経験で回避する。
だが、空振りの攻撃でも体と鎧が風圧でズタズタに切り裂かれ、火傷を負う。
空振りを避けている内に、風圧で切り裂かれ、一度死んだ。
それからも四回龍雅は殺された。
「勝てない! なぜ勝てない!」
龍雅は、復活し、自分の無力さを呪い、心の中から怒りが湧く。
無力な自分への殺意。
無力な自分への憎悪。
龍雅は、怒りを白亜の大地に叩きつける。
どれだけ敵を倒せども倒せども結末は同じ。
今を記録できない状況。
「所詮、俺は才能にかまけた人間だ!」
能力が使えない状況。
龍雅は、自分が努力ではなく才能だけの人間だと自覚する。
龍雅の中は自分への怒り殺意に満ちていた。
「アァァァァァ!!」
龍雅は、叫ぶと龍雅は、青紫のオーラを放ち、目がネコのような眼となった。
――これは、一体…
龍雅は、自分の体の変化を見て、そう思い、咄嗟に能力、治癒を使うと自分の体が回復する。
――能力が解放された…それに戦闘力も飛躍的に上昇している。まさか…これが、俺の紅き戦士か?
勇雅は、龍雅の変化を見て、再び攻撃を仕掛けてくる。
龍雅と勇雅は、互いを殴り合い、そして両者吹き飛ばされる。
――さぁ、始めようぜ。親父…覚醒した努力なしの俺との勝負をな…




