第肆拾伍話《EXLoop:Sixth Area.Uranus》
海を制覇した。
次は、天だ。
龍雅のいる場所は雲の上、空を登っていくにつれて、地上は、見えなくなっていく。
酸素は、地上よりも薄い。
時々、100億ボルトの雷鳴が襲い掛かり、そして竜巻の如き暴風が吹く
後から追いかけて来るは、聖魔の軍勢。
機械兵の顔は、石像の様に顔全体が灰色かつ無表情だ。
龍雅は、軍勢から逃げながら天上の光の柱を目指している。
「しつこい奴らだ…」
全方位から機械兵が、龍雅に向かって攻撃を仕掛ける。
機械兵の弾幕の一発一発の威力は、レールガン級、ビームの威力は、核兵器と同等
龍雅は、機械兵を倒しながら先に進んでいく。
しかし、それは真に倒したとは言えず、破片は機械兵となり、龍雅に襲いかかってくる。
――こいつらの倒し方はないのか?
正しい倒し方でなければ、増えていく。
だが、奴らの装甲は、異常な程に硬い。
エネルギー弾による攻撃は非常に弱いが、その倒し方では、敵が増えて行くばかり
――いいや、忘れていた。俺だけにしかできない事…俺は、未来を変える事が出来る。この鎧を取得した時点で俺は、未来を掴んでいる。
龍雅は、そう思い、もう一つのボタンを押し、機械兵に打撃で攻撃を仕掛けると、機械兵は倒れ、消滅する。
⦅やっと気付きましたか…けれど、そいつらは飽く迄最初の雑魚…次から現れる雑魚たちは、そう簡単には倒せませんよ。⦆
――未来を改変する能力、乱数調整…この能力は卑怯だから使用を控えていたが、まさか忘れてしまうとは…多すぎる能力というのは、便利な分、自分の力を把握しきれないという弱点があるな。
乱数調整によって龍雅の攻撃が常時クリティカルヒットとなった為、機械兵の装甲が無意味となり、龍雅と機械兵の立場が逆転する。
――これで俺は、こいつらを恐れないで済む!
龍雅は、倒していきながら進んでいく。
全方位に剣の弾幕を放ち、次々と敵を消していく。
無数に続く雲と破片の道、空を昇り降りしながら進んでいく。
ある程度進んでいくと、世界全体が揺れ始めた。
――!? 何だ!?
龍雅は、立ち止まり、敵を倒しながら周りを見渡した。
――地獄が墜ちて行く…これは一体…
空に浮いていた地獄の破片が、深淵に向かって落ちて行く。
空に浮いていた都市の破片と無数の城が、空に向かって昇っていく。
龍雅が、登っていくにつれ、世界の景色が変わっていく。
深淵へと墜ちて行く地獄、地球の位置は地獄へと変わっていく。
全ての地獄が深淵に墜ちると、光の柱は禍々しい色に変わり、進路が大きく変動し、地球の位置が最後の手前のステージとなった。
近未来の都市は、中央の光の柱の頂点の上に、空中都市として固まり、全て城は、融合し巨大な混沌とした城として空中都市の中央に現れた。
――なるほど、まだ世界の変化は終わってなかったという事か…
揺れが収まると、龍雅は、進み始めた。
しばらく倒しながら進んでいくと、行き止まりが見え始めた。
――ここは一方通行な筈、道がない…ここで詰んだか?
龍雅がそう思い、構えると機械兵が消え、後ろに階段が現れた。
――何!?
階段は、第二層へと続いており、その先には、本格的に天界と言える空間が広がっている。
――行くか…
龍雅は、第二層に向かって走っていった。
龍雅が、第二層に辿り着くと、龍雅は周りの風景を見た。
――なるほど、
いきなり、20キロトンの大爆発が発生した
――何だ!?
龍雅が上を見上げると、聖なる光を纏った無数の機械の飛竜が龍雅に向けて敵意を向けていた。
飛竜の上には、聖騎士という言葉に尽きるような金と白の鎧姿の機械の兵士が乗っている。
――何だ? あいつらは…
無数の飛竜は、ジグザグに高速移動しながら、龍雅に向かって大爆発を起こす光線を放つ。
龍雅は、無数の光線と爆発を避けながら、進み、跳躍し、乱数調整を開始し、無数の飛竜に向かって剣を放つ。
――乱数調整によって放たれた剣弾は、全ての防御性を無効化する…耐えるのならば、それは体力がまだあるという事だ。
一体の飛竜は、爆発し、破片が飛び散り、全ての破片は即座に飛竜と騎士に変わり、飛竜を失った騎士は、変貌し、飛竜と騎士となった。
――今度は、武器、打撃攻撃は効かないのか…ならば、こっちでやらせてもらうか…
龍雅は、調整しながら飛竜に光の弾幕を放つが、爆発し、破片が全て飛竜と騎士になった。
――クソ…これもダメか…なら、どうする? 念動力か? それとも分解か? 否、それは全て打撃、武器攻撃ではない。弾幕と同類だ。
龍雅は、考えた結果、一つの答えを得た。
――状態異常…これを少しだけ掛けてみるか…
龍雅は、自分に状態異常無効を多重にかけ、無数の飛竜に向かって毒炎の弾幕を放った。
――この炎は、炎の原型を留められる限界まで温度を高めた炎と万物を殺す猛毒、機械が触れれば誤作動を連発、除去不可能なウイルスに感染、そして機能停止に至る。
無数の飛竜が毒炎に触れると、飛竜と騎士は、暴走し始め、所かまわず攻撃し始めた。
――どうやら失敗のようだな。寧ろ、凶暴性が増している。毒性が仇になったか…
所かまわず攻撃し始めたせいで、所々で爆発が発生し、破片が飛び散り、破片が新たな敵を生む。
暴れているのにも関わらず天界の建造物などは一切の傷を負わない。
龍雅は、その場から立ち去ろうとすると、飛竜達は暴走しながら龍雅を追いかけ始め、後から生まれた飛竜も追いかけ始める。
――なるほど、少しばかり知能を残しているか…
龍雅は、勝てないと思い、逃げる。
天界は、龍雅に向かって攻撃をする。
時に、雷鳴、時に、劫火、時に、猛吹雪、時に、大量の水、時に、追いかけてくる無数の槍と矢、時に、全てを焼き焦がす光。
まるで天罰のようだ。
龍雅は、敵の追手と仕掛けられた罠を乗り越え、光の柱の前に辿り着いた。
移動距離は凡そ、天王星の公転軌道の半分。
上に昇った距離も併せると、移動距離は天王星の公転軌道の十倍の距離だ。
空を見ると、巨大な月がすぐそこにあり、周りを見ると銀河や星々、そして星雲が近くに見える。
黒い渦が万物を放出し、白い渦が万物を吸い込む。
遥か遠くに見えるのは、最後のステージ近未来都市。
下を覗けば、所々に星雲が雲のように漂い、地上にある万物が小さく感じる。
周りの星の光によってこの世界は明るく見えるのだ。
龍雅は、息を切らしながら光の柱の中に入った。
――もう少しだ。もう少しで天王星エリアがクリアだ。
光の柱に入った龍雅は、白亜の空間を走りながら回復し、中央へと目指す。
天王星半周分走ると、空から墨のように真っ黒な水滴が一つ落ちて水溜りが出来、一人の男の姿をした影人形が現れた。
「松林か…お前を見るとイライラしてきたな…それにしてもお前には似合わないな…悪人がこんな所にいるなんてさ…」
松林は、蜘蛛の糸を射出し、龍雅は蜘蛛の糸を避け、剣を生成した。
「さて、死ね。」
龍雅は、松林の体を真っ二つに斬ると、プラナリアの如く分身した。
――そういえば、こいつは…あらゆる生物の能力を持つ能力を持っていたな…あの能力は、恐らくプラナリア…体を二つに切断する事で、体が増える生物…剣による攻撃はやめておくか…
龍雅は、そう思い、剣を分解し、拳を構え、龍雅は、松林の体を蹴り飛ばす。
――表面が生物とは思えぬ硬さだな…
向かってくるもう一人の松林は、蜘蛛の糸を龍雅の足元に放ち、そして蜘蛛の糸に電流を流した。
龍雅は、電流を避け、もう一人の松林に対してエネルギー弾を放ち、もう一人の松林は、エネルギー弾を避けた。
蹴り飛ばされた松林は、即座に龍雅の後ろに瞬間移動し、電流を纏った拳で龍雅を殴った。
「少し痺れるな…だが、もう終わりだ。」
松林二人は、生物最速の速度で龍雅に接近するが、龍雅を避け、時間停止し、二人を何度も殴り、時間を動かすと熱風が吹き荒れ、二人は跡形も無く消え去った。
――さて、再生するか…
龍雅は、再生した二人の頭を切り裂き、核を取り、潰すと影人形は、消えていった。
影人形が消えると、周りの景色が変わり、巨大な物見台の中へと風景が移り変わった。
――ここで終わりか…
龍雅は、物見台から出て、地上へと降りて行った。




