第肆拾肆話《EXLoop:Fifth 影と機械と太陽系》
小屋の中は、人一人、一回だけ最低限の休憩出来る程の物が揃っていた。
小屋の壁掛けには、ここでセーブしないと、中央には辿り着けませんと書かれていた。
――なるほど、そういうやり方か…言うとおりに…セーブするか…
龍雅は、小屋の中で少し休憩してからセーブした。
――行くか…
龍雅は、小屋から出ると、この空間の最果てに一瞬で移動した。
そこは砂浜だった。
世界を取り囲むように巨大な海が存在しており、海の奥は、地球平面説のように海の水が滝のように果ての先へ落ちて行っている。
世界は再び変わった。
――この先に行けるのか?
龍雅が、海の中に入ろうとすると、見えない何かに阻まれ、先には進めない。
――ここは、少し落ち着いてみると異様すぎる空間だな。感覚が狂う…
龍雅は、空中に浮き、何処まで行けるのか調べ始める。
10mまで上昇すると、それ以上は、高度を上げられなくなった。
――10mまでか…まぁ、いい10mあればいい。
龍雅が、着地すると結界が張られた。
――結界は、最奥の光の柱まで続いているか…ここが、第一ステージか…
周りに悪魔と天使が混ざったような機械兵が無数に現れ、機械兵は、龍雅に向かって光と闇が混ざったような弾幕を放つ。
――いきなりの襲撃か…
龍雅は、機械兵を一体、本気で殴りつけるが、機械兵の装甲は硬く、逆に龍雅の手から血が噴き出した。
――硬い…こいつは、打撃と武器攻撃が通用し無さそうだ。
龍雅は、機械兵を数体、巨大エネルギー弾で倒すと、機械兵は、爆発し、破片が飛び散った。
――なるほど、エネルギー系には弱いのか…ならば、やるか…
龍雅は、機械兵に向かって弾幕を放ち、機械兵達は爆発し、破片が辺りに飛び散る。
龍雅は、機械兵をエネルギー弾で倒していく。
――よし、行けるぞ。このまま突破してやる。
龍雅は、機械兵を倒しながら進んでいくと、不意に機械兵に足を掴まれ、地面に叩きつけられた。
――油断した…ん?
龍雅は、目の前にある機械兵の破片を見た。
機械兵の破片が蠢めいており、蠢き激しくなっていき、次第に破片は、機械兵となった。
立ち上がり、10mまで上がると、破片一つ一つが機械兵となっていくのを龍雅は、その眼で見て、冷や汗を掻いた。
――こいつも、分身を…
『増殖プログラム起動…』
機械兵達は、味方を巻き込む形で、龍雅に向かって高威力の巨大光線を放ち始め、所々で爆発が発生し、機械兵が鼠算式に増えていく。
あっという間に、結界内を埋め尽くし、所々で、機械兵の山が出来、龍雅のいる場所は、大変窮屈な状態だ。
――…こうなりゃ、先を急ぐしかなさそうだ。速度上昇…
龍雅は、自分に超加速をかけ、光線を避け、敵を倒しながら先へ進んでいく。
龍雅の進んだ距離は、海王星の公転軌道の半分。
龍雅は、光の柱のすぐ近くにある。
光の柱には、機械兵は、存在しておらず、ただ広大な空間が広がっているだけだった。
龍雅は、光の柱の中に入った。
光の柱の中に入ると、外の機械兵達は、全て消え去った。
光の柱の中は、真っ白な白亜の世界が広がっており、全方位が白く見え、一里先進めば、方向感覚が可笑しくなりそうだ。
――なるほど、ここからボスステージか…
龍雅は、何もない空間を進み始める。
白亜の空間を前後左右わからないままひたすら進んでいくと、空から墨のように真っ黒な二つの水滴が落ち、二つの黒い水溜りが出来、二人の少年の姿をした真っ黒な人形となった。
黒い人形の影は、万華鏡のように色鮮やかで色の常に色が変わる不思議な影だ。
――こいつは、高橋と一之瀬か?
『この影は、兄さんと虎太郎が戦った中で、選ばれた存在を模倣した土人形…戦闘力と能力の出力をオリジナルよりも上に、そして瞬間移動とその他の能力を付け加えております。これから戦うボスは、全て影人形…では、お楽しみください。』
龍雅の頭の中に、宮弥の声が響き、影人形は、龍雅に向かって敵意を向け、構える。
――なるほど、強化再戦か…面白い…やってやろうじゃねえか…
龍雅は、拳を構えると、一之瀬は、嵐の如き強風を放ち、高橋は、10億ボルトの電流を放った。
龍雅は、電撃と強風を放つ所を見てから、風と電撃を避け、高橋の体を分解すると、龍雅の後ろに、高橋の影が現れ、龍雅の後頭部を殴るが、ビクともしない。
――復活したか…なるほど、こいつらは、あいつらと同じく核を潰さなければ消滅しないという事か…
龍雅は、一之瀬の胸を抉るが、そこには何もなく真っ黒な空間が広がっているだけだった。
――外れか…
一之瀬は、龍雅を振り払い、竜巻を発生させ、龍雅は竜巻を切り裂き、高橋は、電流を龍雅に浴びせようとすると、龍雅は一之瀬を電撃に向かって投げると、電撃は一之瀬を通り抜け、一之瀬の体は、高橋に当たり、二人は倒れ、龍雅は、電撃を軽く回避した。
「悪いな…俺は、命を一つたりとも減らしたくないのでな…」
龍雅は、一之瀬と高橋に向かって無数の剣を放ち、そして離れ、超巨大なエネルギー弾を放ち、70ギガトン並みの爆発が発生すると、龍雅は、自滅しないように防御態勢に入り、自分自身が受ける威力を無効化し、爆発が収まると、影人形は、その場から消えていた。
――終わったか…? いや、まだだな…
龍雅の後ろに、影人形が現れ、強襲をかけて来た。
龍雅は、影人形二体をカウンターキックで叩き落し、剣で切断すると影人形の頭部から黒い球体が現れた。
「これが、影人形の核か…」
龍雅は、二つの黒い球体を潰すと、影人形は蠢き始め、爆発し、液体のように辺りに飛び散り、黒い液体は、次第に消え、白亜の空間は、次第に海沿いの草原へと移り変わり、覆っていた結界は、消えていき、世界の所々に、光の階段と光の道が現れた。
空に浮く破片へと階段が伸びており、光の道は、破片と破片を繋いでいる。
中央には、この世界の頂点へと続く長い螺旋階段が出現しており、その長さに龍雅は絶句する。
――あれを登るのか…
龍雅を誘導する様に、空間の所々に障壁が立ち塞がっており、龍雅が行けるのは、すぐ近くにある光の柱へと続く道だ。
次のステージへの道のりは、距離にして海王星と天王星の軌道の間と同等。
光の柱の数は、八つ存在し、今、最初の柱を攻略した為、七つとなった。
――なるほど、太陽系と同じ大きさである理由は、太陽系と同じ配置にボスステージがあるからか…それなら、無駄を省けばいいのに…
この距離は、龍雅にとってみれば、走って隣の県に行くのと同じようなもの
「速度上昇…」
龍雅は、自分に超加速をかけ、次の場所へと飛んで向かった。
龍雅が向かっている先は、光の階段だ。
光の柱が指している地点は、雲の上にある神殿だ。
――あそこに、ボスキャラが?
龍雅は、光の階段の前に着地し、光の階段を昇っていく。
龍雅が、地上を見ると、荒れ果てた荒野、深い樹海、燃え盛る溶岩地帯、深い渓谷、鉱山地帯、巨大湖に、光の柱が存在しており、まるで太陽系のそのものだ。
エリアとエリアの間には、広大な草原が広がっている。
――あの巨大な光の柱は、太陽か…
雲の上にある破片に着くと、結界が張られ、無数の機械兵が出現した。
――こいつらに、弱点はあるのか? 攻撃力上昇
龍雅は、自分の攻撃力を最大まで上昇させ、鎧のボタンを押し、機械兵を殴ると、機械兵の装甲が少し凹み、龍雅は、他の機械兵からの攻撃を避けながら、連撃を加え、穴が開くと機械兵は機能を停止し、消滅した。
――あまり効果的とは言えないな…せめてやるなら、時間停止してからか…
龍雅は、そう思い、機械兵をエネルギー弾で倒しながらその場を立ち去っていく。




