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剣ヶ峰龍雅の欲望/Life.of.Predetermined:GreedDragon  作者: 六月不二
第3章《体育大会編~Best Friend Reunion~》
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第佰壱話《呉越同舟/虐殺めいたバトルロワイアル》

 『B1は残りチームは3チーム! 現在残っているのは、銀河丘高校! 陽天山高校! 星雲埼高校だ!』


 実況者は、そう言い、二チームの緊張感を煽る。

  

 ――さて、敵チームの弱体化も図るとしようか…


 龍雅は二つのチームに弱体化効力を与え始めた。


 またいつもの勝利方法だ。

 今度は自分が直接的に戦わずして勝つつもりだ。

 

 ――戦わずして勝つのもそれもそれでいい…だが、圧倒的絶望を与えるには、圧倒的な戦闘力を見せねばならない。俺は、お前達を時間稼ぎの為に使わせてもらうぞ。


 二つのチームは、敵同士だった。

 陽天山と星雲埼は、毎年毎年体育大会、文化祭で衝突しあう関係で、敵同士。

 度々戦争が勃発し、敵校同士の仲のいい友などないに等しい。

 二つの高校はこの大会で今年はどちらが勝利するかを決めようとしていた。

 だが、その二チームの前に驚異的な敵が現れた。

 銀河丘高校だ。

 奴らは、あらゆる存在を吹き飛ばしていく。

 一人一人が災害。

 そして奴らは、自分達以外の全てを叩き落すつもりだ。

 奴らとの共闘は不可能

 奴らは、シード権を得るつもりだ。

 そして奴らは毎年、東京大会優勝を勝ち取っていく最強の存在。

 そんな存在がこのブロックに存在し、我らを潰そうとしている。

 有無を言わさないジェノサイド。

 剛司率いる破壊の軍勢。

 いや、龍雅率いる魔王の軍勢。

 ここはもはや敵対するチーム同士が協力せざるをえない。

 呉越同舟、中国の春秋時代、呉と越の国は戦争を繰り返すほど仲が悪いが、もしも両国の人が同じ舟に乗り合わせていた時、暴風に襲われ舟が転覆しそうになれば、呉の人も越の人も普段の遺恨を忘れ、舟が沈まないよう互いに助け合ったに違いないと孫氏の九地に書かれている。

 敵同士が手を組み、龍雅達という最大の敵暴風、雷鳴、災厄を打ち倒す。

 

 「この貸しは後の戦いで返せよ! 幸次!」

 「あぁ! 本気で仕合うだろ? 大智!」

 「そうだとも!」


 二人は、ハイタッチをし、龍雅に向かって行く。


 二つのチームの共同チームと銀河丘高校との戦いが始まる。

 

 『おおっと、ここで敵対校同士が同盟を組んだァ! 銀河丘高校、二つのチームからの攻撃に耐えられるかァ!?』


 二つのチームは表に出る能力は持っていないが…身体能力を強化する能力を有した能力者が多い。

 故に、この二チームは地味だが、確実に予選突破や準決勝に行ける強さを持っている。

 だが、銀河丘高校の前では無意味。

 敵対する者の能力を無効化する力を持つ銀河丘高校の二人には太刀打ちできない。

 そして彼らの中には、能力を封印する技を持つ者龍雅もいる。

 死力を尽くして戦わねばならない。

 

 二つのチームは、銀河丘高校と数十分ほど激戦を続ける。

 龍雅は、その様子を観戦しながら敵全体を弱体化させ、味方全体を強化していく。

 戦況を見て、後ろで味方に確実な強化をし、そして敵に確実な弱体化をする。

 傍から見れば、敵から力を吸い取っていくように見える。

 龍雅は、いつまでも倒せない事を見て、一つの事を想いつき、ニヤリと笑う。


 ――使うか…エリア・ディバイト! 味方にリジェネを与え、敵にスリップダメージを与える範囲技! エリア外に出れば、リジェネとスリップダメージが消える。いわば生物兵器だな。まぁ、スリップダメージエンチャントによるスリップダメージと比べると割合ダメージは遥かに少ないがな。それでも敵を倒せるだろう。俺が直接手を下さずともな。


 龍雅は、緑色の玉を投げ破裂すると、緑色の瘴気がスタジアムに満ちる。

 高校と高校のメンバーは苦しみ始め、そしてダイバーと銀河丘高校のメンバーは平然としており、それどころか、銀河丘高校のメンバーの体の傷が徐々に回復していっている。

 

 『続いてB1エリアを見てみましょう! おおっと!? スタジアム内に緑色の瘴気が発生しました! これは一体何でしょうか!?』

 『恐らくですが、あれは、敵にのみ効果のある毒の霧でしょう。よく見てみてください。高校と高校のチームだけが苦しんでいます。』

 『なるほど、この閉鎖空間、毒の霧は効果的! さぁ、どうする? 高校、高校! 倒される前に銀河丘高校を倒し切る事が出来るか!?』


 (今日はえらい大人しいな…頭が冴えているからか? 或いはそういう趣向でやっているのか? まぁ、いい補助してくれるのは嬉しい事だ。よし、俺も援護に回ろうかな。)


 虎太郎は、龍雅からコピーした強化能力を使い、更に戦闘力を上昇させる。

 

 (手強いな…非常に手強い…本当に勝てるのだろうか? こちら側の攻撃が通じなくなってきている…)


 「弱気だな。いつも俺達に立ち向かう威勢はどうした?」

 「それとこれとは訳が違うな。あいつらは俺達を遥か上の実力者集団だ。」

 「だが、諦めるのはお前らしくないぜ。」 

 「ハッ、誰が諦めたかよ。俺は、銀河丘高校を倒し、お前らを今度こそぶっ潰す。」

 「フッ、そうこなくっちゃな。俺達は後ろでふんぞり返っている龍雅を倒そうぜ。」

 「いいぜ。やってやる。」


 二人は、龍雅に向かって駆けだす。

 全員が他のメンバーの気に取られている内に。


 (あいつをぶっ潰せば、勝機がある! それに奴は恐らくこの中では最弱だからサポートしているんだろう。そこでふんぞり返る時間はもう終わったぜ! 龍雅ァ!)


 確かに龍雅は、この中では最弱だ…だが…


 「いつ俺が弱いと言ったかな?」


 龍雅は、向かってくる二人を軽い小突きで吹き飛ばす。


 「俺は弱いよ。だからこそ待っていたんだ。俺の機が熟すまでな。仲間をサポートし、俺の盾代わりに働いてもらい、そして機が熟した時、俺は動き出す。今はまだその時ではない。まぁ、といっても抵抗するとしてもイエロースナイパーでやるつもりだったのだが仕方がない。レッドファイターで片付けてやる。また元の位置に帰れ。」


 龍雅は、二人に触れると、さっきまで二人がいた場所に瞬間移動し、龍雅は自他の強化を再開し、そして弱体化も再開した。


――さて、本格的な強化と弱体を開始しよう。


 龍雅は、強化技と弱体技の出力を上昇させる。


 「再び攻めるぞ!」

 「おう!」


 二人は、再び龍雅の元に向かって行く…が…


 「おっとさせないぜ?」


 虎太郎は、二人の前に現れ、二人を殴り飛ばし、挑発する。

 

 「「邪魔をするなァ!!」」


 虎太郎は、二人の攻撃を受けるが跳ね返す。

 物理反射能力で、跳ね返したのだ。


 「おっとすまないな。俺には攻撃が効かないんだ。俺が本気を出さないのはわかるか? 面倒だからだ。お前らを片付けるのは簡単だ。だがやりたくねえんだよ。面倒な事は…」

 「フハハハハハ! 紅き戦士となった事で、お前の欲望が活性化されたか! いいぞ。よい事だ。だが、欲望を果たす為ならば、やらねばならないことがある。お前は早く休みたいそうだろう? ならば、お前が直々にやるしかねえんだよ。」


 龍雅は、機が熟したのかレッドファイターの状態になって現れた。


 「準備が完了したのか、龍雅。」

 「あぁ、こいつらを片付ける準備は出来た。さて、行くぞ。虎太郎。」

 「あぁ…」


 龍雅は、地面を足で軽く踏むと、衝撃波が走り、衝撃波は収束し、銀河丘高校のメンバー以外を吹き飛ばす。


 「何!? ぐあああああ!!」


 二人は、吹き飛ばされる。


 「おっと、軽く威嚇するつもりだったのだがな。これは失敬失敬…俺の威嚇はそんなに痛かったかな?」

 「クッ…あれが威嚇だと…? 冗談じゃない…」

 「まぁ、これでわかっただろ。俺達には勝てないとな。」

 「いいや、まだまだだ…」

 「何故諦めない? この戦いはもはや決着がついたも同然だ。おっと俺達に媚びようだなんて考えるなよ? 俺は、もう決めたんだ。お前らを倒し、シード権を得るとな。」

 「媚びようだなんて考えてねえよ。」

 「ほう…では消えろ。そして虎太郎に一時の休息を与えたまえ」


 龍雅は、そう言うと、エネルギー収束された拳を振るい、衝撃波で直前上に存在する全原子を消滅させ、消滅した原子の爆発に夜原子消滅のビームを放つ。

 

 「「「「そうはさせるか!!」」」」

 

 四人は、二人を突き飛ばし、四人は爆発を受け、スタジアム外に落とされる。


 「「てめぇら!」」

 「後は頼んだぜ。リーダー…」


 『圧倒的強さ! 剣ヶ峰龍雅! 圧倒的な強さ! だが、これでも銀河丘高校最弱の戦士! ならば、他のメンバーはどれほど強いんだ!?』

 

 絶望する。

 実況が発した絶望の情報。

 龍雅はこの中でも最弱。

 圧倒的な力を持つ龍雅が最弱。

 恐怖。

 銀河丘高校への圧倒的な恐怖。

 絶望。

 立ち塞がる銀河丘高校という壁を登り切れない絶望。

 圧倒。

 圧倒される銀河丘高校の刃向かう二つのチーム。

 龍雅は、絶望する皆を見て、愉悦、歓喜、狂喜、悦楽に浸る。

 龍雅にとって誰かの絶望もまた喜び。

 魔王を自称する彼でこそ喜べる事。

 

 ――俺は悪魔だ。故に、この絶望を喜ぶ。絶望しろ絶望しろ絶望しろ。そして恐怖せよ。俺達銀河丘高校を恐れよ。


 龍雅は、笑う。

 絶望する様を見て笑う。


 「畜生オオオオオオ!!!」


 大智は、龍雅に殴りかかる。


 「無駄だ。」

 

 龍雅は、大智を殴り飛ばした後に幸次に向かって光弾を放つ。


 『あいつやりすぎじゃねえか?』

 『今は耐えろ。俺達が返り討ちにされては…ハッタリになっちまう。今、俺達が本気になったら…』

 『わかっている。クッッ止めに行きたいが…仕方がないな。』

 『まぁな…奴を止める方法がない。』

 『虎太郎もまた従っているのか。龍雅を自由に暴れさせるしかなさそうだ…』

 『俺が止めても無駄ですね。この強化は全て龍雅によって成り立っている。今解かれたら弱体化間違いなし…それに結界を張っても龍雅には策があるとおもいますね。奴の強さは剛司先輩の本気の状態を遥かに超えている…機が熟したというのは剛司先輩に対抗する機が熟したという意味でしょう。』

 『例えアームズ人でなくとも戦闘力がアームズ人を遥かに超えていれば、能力無効化能力から抜け出せるか…アームズ人の力が   封印されているからこそなせる技だろうな。』

 『そうだな。覚醒しているアームズ人同士が同等に近しい戦闘力だと結界と結界が干渉しあい互いの結界を無効化、同等戦闘力を持つアームズ人のみが能力を行使できる。そしてアームズ人でなくとも能力者の戦闘能力がアームズ人を超えていればアームズ人の結界の影響を受けずに能力を行使できる。』

 『腕を組んで虚勢を張って見ているしかないという事か…』

 『そう言う事になるな。放っておけば最強になる最弱…全く持って恐ろしい…』

 『では会話を終了します。俺は龍雅に呼ばれているので共に戦って来ます。』

 『了解した。』


 虎太郎はテレパシー会話を終了し、龍雅と虎太郎以外は後ろに下がって腕を組み、空中を浮遊し龍雅を見守る。

 まるですでに勝ったかのように。

 そして自分達は龍雅よりも遥かに強いと見せつけるかのような態度で

 だが、彼の強さは銀河丘高校のメンバーを遥かに超える力を持っている。

 

 「どうしたどうしたァ!? てめぇら! もっとかかってこいよ!」

 「龍雅、あまり調子に乗るな。」

 「ハッ、敵共に絶望を与えろって言ったのはお前らじゃねえか。俺はてめえらの命令に従っているだけだ。」

 「それはそうだが…それを言ったのは紗里弥だろ?」

 「生徒会長の言葉は、いわば生徒の総意に値する。そして恋人からの頼まれ事は果たさねばなるまい。」

 「なるほどな…後で殴る…」

 「好きにしろ。だが、今はこいつらを倒す。俺という存在の絶望をこの会場にいる全員に知らしめなければならない。お前は余裕を持つふりをして戦え。」

 「わかった。」

 

 龍雅と虎太郎は大智と幸次以外の敵チームのメンバーを落とし、そしてリーダー二人に向かって走り出し、そして…


 「「ここで負けてたまるか!」」


 大智と幸次は、抗戦するも…


 「じゃあな。」


 龍雅は、二人に向かって光線を放ち、二人をスタジアム外に突き落とす。


 『陽天山高校! 星雲崎高校! 同時脱落! よって銀河丘高校! たった一チームだけ予選突破! 銀河丘高校! 災厄を止める事は出来なかった!』


 このエリアに沸き上がったのは歓声ではなく恐怖の声だった。

 残虐な戦い方は毒の霧以外はしなかったが、全てを圧倒するような気迫が観客を恐怖に陥れた。

 これから先、予選を勝ち抜いたチームはこのような恐怖を味わう必要がある事への同情、憐憫から生まれる恐怖。

 勇雅は、龍雅の奮闘を見て、ニヤリと笑う。

 

 (龍雅め…恐怖に陥れて銀河丘高校の強さを立てたな…しかし、俺は分かっているぞ。お前達の強さが…まぁ、いい…俺は、お前らが戦うさまを見るだけだ。そして今のお前が■■■■■に相応しいか見せてもらうぞ。)


 勇雅は、そう思い、B1ブロックを立ち去り、東京大会本選の観客席へと向かって行った。

 


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