第七十七話
金属と金属のぶつかり合う音と大男の悲鳴が場を包んだ。
希莉の攻撃は修羅が6本の小刀で止めていたが僕の攻撃は見事に絶鬼の手首から下を切り落としていた。
「俺の腕がぁぁぁあ。くそ、許さねぇぞ」
怒り狂う絶鬼、その時彼の片腕は肩から下をすべて切り落とされていた。
「何するんですか、神威さん。いくらあんたでもこれは許さねぇぞ。」
「今切り落としたよく見ろ絶鬼。なにか変なものが入ってきていたぞ。」
流石鋭い。[呪刀 禁忌]は切った相手を内部から破壊する刀、刀の刃から呪いが体内に周るのを阻止するために腕を切り落としたのだ。
一方希莉も修羅は相変わらず鍔競り合いの最中だった。
「6本も刀を使うのか。やるじゃねぇか」
「そちらも中々ですね。妖刀を二本も使えるなんてね。」
なんかお互いがお互いを褒めあっていた。そしてその直後二人は激しい斬撃の乱舞へと移る。
刀と刀のぶつかり合う音が響き周囲の空気を振動させていた。
「希莉、遊びはそこまでだ。」
「了解。遊びは終わりだってさ。今の間に覚悟できたよな?」
希莉は修羅の刀を一本一本砕いてゆく。そして数秒後、修羅の持つ小刀は最後の一本となった。
するとその時戦闘に参加していなかった神威が口を開いた。
「修羅、絶鬼、ここは後だ黄泉へ行くぞ。」
「しかしまだ俺の片腕の借りが…」
「そんなのは後だ。神界には相当のダメージを与えれた。今はこれでよい。」
そう言って神威は彼らの足元に門を出現させ黄泉へ行ってしまった。




