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12.買い物

駅に着いた。夏だから、少し暑くて汗をかいてしまった。


「もうすぐ、電車来るね」


さっき、私がICカードを改札口にピッてやってるのをシロはすごい興味津々で見ていた。シロはもちろん持っていないので切符を買った。


3駅くらいを電車で過ごし、すぐに目的地へ着いた。商業モールである。目当ては、みんなのミカタで、おしゃれなGIとウニクロである!私の推しブランドです。


シロみたいな背の高いサイズ展開も豊富そうだなと思って、やって来たのだ。


今日は多いな〜。すっごく視線を感じる。シロだ。ちらっと横に並んで歩いているのを見た。イケメンだ。エスカレーターに乗ると、JKの2人組のかわいい女の子たちがポッとした表情で、シロを見た後、キャッキャ話している。ほかにも通りすがる主婦の方々や老若男女頬を赤らめていた。


私はと言ったら、もう飼い主気分である。うちの子が可愛いと褒められたら、ソリャ嬉しいのお。こちとらそんなぴちぴちした君らより若く無いんで、ただの連れじゃよ。といった感じで、のほほんとしていた。


「しろー、これバイトの面接で使えると思うよー!」

ウニクロで、白い無難な襟付きシャツと黒いチノパンを見つけた。これは買いだ。1990円である。


下着も、なんか気まずいけど、シロが試着している間、カゴにさらっと入れておいた。


「似合ってるー!」

というくらい無難な服がイケメン際立たせていた。スタイルよく似合っていた。もちろん裾上げなんて必要ない。靴も合皮の黒い靴とスニーカーを後で合わせてみたくなった。


「次、GIいこー!」

なんでもアイドルレベルに似合うので、買い物が楽しいのである。


「私服選んでいいよー」


彼が選んだのは、ややオーバーサイズのテロンとした生地の黒シャツに、カーキ色のワイドスラックスである。黒いベルトも着いていた。とりあえずLを着せてみて良かったので、それにした。



「駅で買い物して帰ろっか」

また電車に乗り、食材等を買って、日用品を買って帰ることにした。

スーパーではシロは目をキラキラさせていたが、だんだん慣れてきたのか、私が探している食材がどこにあるのかわかった様子ですぐカゴに入れてくれるので本当に助かった。


家に着いた。シロが冷蔵庫に入れてくれた。何と綺麗に空っぽだった小さな冷蔵庫が食品でいっぱいになった。


「ありがとう」

「市役所行ってくるね。」

そう言って、シロは歩いて市役所へ行った。


私はぼーっとした。シロが注いでくれた氷入りのミルクティーを飲みながら考えた。

『すっごく楽しかった。いつもなら、休日ずっと寝てしまうくらい鬱なのに。人と話すのってこんななんだ。』


でもシロと過ごすのは実質1ヶ月くらいになるのかな。仕事と家見つかるまでだし。それまで楽しんじゃおうかな。私だって乙女である。イケメンは目の保養になる。


環奈の心には警戒心が段々と薄れていった。

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