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こ、子ども扱いすんな!

「そ、その二人はですね。わけあって協力関係にある人たちで、その、えっとですね」

「なにその歯切れの悪さ。やましいことがないならはっきり言いなさいよ」

「やややましいことなんてねーし!」

「ホントに?」


そこで咲が凄む。


「あ、あぁ」

「やっぱり歯切れが悪いわ」


お前がめちゃくちゃ怖い顔するからだ!


「くるみちゃんが言ってた二人、どうかんがえても女の人よね?」

「ど、どうだったかな」

「わかりやすくとぼけちゃって」

「うぐ」


大体、僕の表情が読める咲相手に隠し事なんて無理があるんだ。

どうする。やましいことがないのは確かだが、僕が女の人と一緒に暮らしてるなんて知れたら理不尽に怒られそうだ。


「もしかしてアンタがウチ来る話断ったのって、その人たちと一緒に居たいからなんじゃない?」

「そ、それは違う!?」

「どうだか。怪しいもん」


信じてくださいよ咲さん!


「だから路頭で暮らすために協力してるだけって言っただろ?」

「やましいことは?」

「ありません!」

「うーん……」

「ここまで言っても信じてもらえんとは! 咲ならきっと信じてくれると思ったのに!」


言いながらよよよ、と泣き崩れる。


「泣いてごまかそうたってダメだから」

「鬼かお前は!?」

「冗談よ。アンタにやましいことがないっていうのは認めるわ」


おぉ。流石は咲さん。

やっぱり親友なだけあって話がわかりますなぁ。


「ただし世の中には危ない人が沢山居るの。春は協力関係にあるつもりでも、その二人はそう思ってないかもしれない」

「いやそれはないと思いますが」

「用心に越したことないって話よ、実際その人たちも路頭に迷ってるわけだし。もしかすると春の財布が目当てかもしれないし」

「はぁ」


田中さんやサラダさんに限ってそれはないと思うんだけどなぁ。


「ま、とにかくそれを肝に銘じておくこと! いいわね!」

「一応は」

「なによその適当な感じ」

「いやなんつうか、あんま心配しなくても大丈夫だと思うぞ? いい人たちっぽいしな」

「もー すぐ他人を信用しちゃって」

「なんなら見にくるか?」

「え?」


口で説明するより見たほうが早いだろう。

咲なら一目見ただけで理解してくれそうだし。


「ただ今日はもう遅いから日を改めてだけどな」

「う、うん。わかった」


渋々と言った様子だが、異論はないようだ。


「それじゃ見送りはここまででいいから、くるみのことよろしく頼むわ」

「それはまぁ、任せておいて」


うむ。心強い。


「んじゃー また明日学校でなー」

「気をつけて帰るのよー!」

「こ、子ども扱いすんな!」


咲はまだ納得のいかない様子だったが、今日はここでお開きとなった。

全く心配性だなぁ。


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