第五話
「あいつら?どういうことですか。鋭くんがスキルに覚醒したことに何か関係があるのですか?」
「まあ落ち着きたまえ、あいつらの名前は『辺獄』紀元前からその存在が確認されている、魔術組織だ。」
それを聞いた都は憤慨する。
「ふざけないでください。この令和の時代になぜそのような魔術組織とかいう、非現実的な組織が実在しているんですか!それにその『辺獄』とやらになんの関係があるんですか!」
「確かに実に、非現実的だ。だがね、本来この世界にはあのダンジョンが存在していたんだよ。紀元前の四大文明があった時代にはね。だからこそ、かのバビロニアは文字や一週間が七日間などのような優れた文明を作り出すことができた。」
「だけど滅んじゃってるじゃないすか」
守は、横槍を入れてきた中学生に顔を向けていった。
「そうだね。確かに滅んだ。だが、その滅んだ理由が『辺獄』にあるとすれば?」
「まさか!自分たちだけが、あのダンジョンの恩恵を受けれるようにするためですか?」
「その通りだが彼らの思惑はうまくいかなかった。ダンジョンを完全に操るには、天の女主人と地の女主人その二人の恩寵が必要不可欠だったんだ。彼女らはこの世界において、最も古い命を司る神でもあったからね。
だが、簒奪した彼らを彼女達は許すことがなかった。だからこそ、彼女達は自らをチェスに変えて自ら仕えるにふさわしい主人を探し求めているんだ。」
「それに適合したのが、鋭ってことですか?」
「ああそうだ。『辺獄』は自分たちに恩恵を集中させるために鋭を傀儡化しようとした。そのためにあいつらは鋭をさらったんだ。そして私たちが、鋭を助けるためにいった時にはもはや最悪の状況だったよ。なにせあいつらは、自分たちがダンジョンから昔回収した『遺物』を使用して鋭に成り代わろうとしたんだ。だが、そんな無法を彼らが許すわけがない。地の女主人と天の女主人はまさに怒り狂い、地獄絵図だったよ。なんとか私達と三十人の駒たちが全力で止めたけど、怒り狂った女主人達はまさに神。そんな存在がダンジョンのない世界に、出現したんだ。世界の修正力が鋭を生かしておくはずもない。だからこそ、私たちは苦渋の決断を迫られた。彼らを再度封印することをね。
そうして今に至る。わかってくれたかな?だからこそ今はもう心配の必要がないんだよ。あの子にとって、このダンジョンはもはや自分の庭も同然なのだから。」
「でも、今『辺獄』はどうなっているんですか?」
「わからない。今どこで何をしているのか何を企んでいるのかも。」
その瞬間、守のスマホに一つの電話があった。
「ああ、すまないね。少し電話をさせてもらうよ。よければ聞くかい?」
「それでいいんですか?貴方防衛大臣でしょう?」
「大丈夫大丈夫、鋭の友達だったら信用できるし。」
そういって守はスピーカーモードで電話を聴き始めた。
「月影防衛大臣!大変です!たった今、アメリカが『辺獄』と名乗る組織に乗っ取られました!あの場所はもはや完全に治外法権となっています!どう対応しますか!?」
はい今回は鋭の昔話でした。ちなみにおじさんとおじいさんは両方とも、能力とかを封印するタイプのスキルですね。こっちはまあ、あんま強力じゃなかったんで見逃された形です。(能力者とかいなかったらあんま意味ないし・・・)
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