第十六話
『カァン カァン カァン』金属を叩く音が、一定間隔で室内に響き渡る。
冥界から帰ってきて、数日後僕は村正の鍛冶場へと訪れていた。
『ジュワァー』熱された、刀身が水の中へと入れられ周囲に水蒸気が立ち上る。
「よし、できたぜ。これこそが雇い主、あんたの専用装備その銘を『白亜』この剣は、神ですらも穢すことはできずこの剣は決して折れることがない。あんたが歩みを止めない限り、この剣はずっとそばにいる。
だからこその、『白亜』だ。握ってみろ。」
そういって、村正は僕に『白亜』を手渡した。その瞬間、手に重みが降りかかる、ことはなかった。
(とても軽い!まるで自分の体を操っているかのように、自由に動かせると言うことが直感でわかる!)
その白銀の刀身には僕以外何も映らなかった。
「ねえ、村正?これってどうなっているの?」
「ああ、それはあんたのために作られたもんだ。そして、その最も強い効果。それは、性質の獲得だ。その剣は、あんたが重いものを斬れば的にとって重い剣となり熱いものを斬れば熱い炎を纏わせれる力を持った剣となる。まさに『白亜』の名にふさわしい俺が今まで打って来た中で最高傑作と言って良い代物だ。そして、その刀身に何が写るかはあんたのこれから斬るものによって変化するだろうよ。だから俺は『白亜』と名付けた。」
その瞬間、白亜が光り輝く。
「は!?ね、ねえ村正!『白亜』にこんなゲーミングpcみたいに光る機能つけたの!?」
「いや、んなわけねえだろうが!こんなもんつけるぐらいなら、ジュワユーズ斬ってその機能奪った方が何十倍も楽だわ!つうかそんな機能俺が自分の作品につけるわけあるかぁ!」
そう言うや否や、村正は水を『白亜』にかける。だが、止まることがなかった。
そして、その光は直線となって村正の鍛冶場の壁をぶっ壊した。
「俺の鍛冶場が〜!?ちっくしょう!なんてこったこれじゃあハンニバルにぶち殺され、いや待て、あの方向ってまさか!?ハンニバルが建築している方向じゃねえか!?」
「えっそれってだいじょうぶなの!?」
「いや、多分大丈夫じゃない!急いでハンニバルたちの方に向かうぞ!」
そういい終わると村正と僕は『白亜』を持ってハンニバルたちの方に向かった。
「畜生め!?なんということだ!まさか主人の居城の基礎がぶち壊されるだなんて!許さんあの光!」
そうして僕と村正がハンニバルの方に向かって最初に見たのは、自分の作った城の基礎が壊されてしまったことに怒り狂ったハンニバルの姿であった。
「ちょっとちょっと、どうしたのよ!なんでこんなことになってるの!?」
そうして、エレシュキガルとヴィヴィアンもやってきた。どうやら、二人で茶会を開いていたようだ。
(普通に仲良い方なんだよなあ二人って。喧嘩するほど仲がいいともいうしね。)
そう思いながら四人を見ていると、ふと変な裂け目があることに気がついた。
「ねえ、四人ともアレなんだかわかる?」
そう言って僕が指さした所を、四人がみると揃って知らないといった。
「それにしても不思議ですね。村正が作った剣がジュワユーズみたく光り輝いてそこから飛び出た光が村正の鍛冶場や城の基礎を壊すだなんて。まるで太陽光レーザーみたい。」
(太陽光レーザーみたい。か。ずいぶんと懐かしい言葉だな。其れにしても其れを聞くとどうにも思い出してしまうな。)
そして、その不思議な裂け目が、バチバチとなり大きく開いた。
ええ、ジュワユーズについて少々補足です。
フランスにおける王権の象徴でイギリスのエリザベス女王の王冠みたいなもの。現在はルーブル美術館に所蔵されていますがそれはレプリカで本物はフランス革命で紛失してます。あと柄頭に聖槍が埋め込まれていて1日に三十回ほど色を変えるとかいうとんでもない聖剣とかの中でもイロモノ中のイロモノの逸話の持ち主(今後出てくる予定はなし)
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