↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
リーゼロッテはいつも怒ってる  作者: 有栖多于佳


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
24/30

リーゼロッテ、教会にざまあする エピソード1

教会の悪事を挫くターン

リーゼロッテの婚姻が終わり、三月経つと今度は公爵家の長女ローズと辺境伯家の嫡男ヨハンの結婚式がメルゼルク辺境伯領で大々的に執り行われた。


今回は公爵家嫡男のロレンツも列席するために辺境伯領に向かった。


王太子ヘンリーと王太子妃リーゼロッテは、宰相が居ない間その職務に当たった。

勿論、以前と同様に副宰相と補佐官も居て、ヘンリーだけでなくリーゼロッテも居るので仕事は滞りなく処理されていった。


結婚式の当日は、リーゼロッテの転移魔法(ワープ)で、二人で式と披露宴に出席し、パーティーを終えると、また王城へと魔法で戻った日帰りだった。


ローズの結婚式も無事に終え、公爵家が無事王都に戻ってきて日常を取り戻したある日


メルゼルク辺境伯領の領都へと進む街道にある漁村で少し騒ぎが起きていた。


「親方、沖の孤島に荷物を届けに行った奴等が不穏なことを言ってるので、聞いてやってください。」

「不穏なことだと?何だ、言ってみろ。」


この村を実質治めている、漁師の網元の親方は、部下の漁師からおかしな話を聞かされた。


この漁村の沖に向かって進んだ先にある孤島はこの村の皆の故郷だった。

余りに過酷な島での生活に島を捨てて、辺境伯領に新たに居場所を与えられて皆で移住したが、島を捨てられないと数件の家族が残っていた。


そこには辺境伯家の海軍基地を造られたこともあり、物資の運搬にこの漁村から週一回物資の運搬定期便を送っていた。


その島へ向かった船乗りの一行が、孤島から先の水平線の彼方の海上に薄い煙のようなものが立ち上っているのが見えたと言う。

この船乗りは《スキル 遠視(ズーム)》の持ち主だと最近判明した者で見間違えるとは思えなかった。


「海底から白い煙が空へと昇って行くなんて、海底火山の爆発だったら困るな!」

親方は急ぎ船団を引き連れて、海上のその煙が立ち上る場所まで行った。


そして親方自身も含めて素潜りの得意な者で、煙の付近を潜ってみたが、水温が上昇している訳でもなく、水中の生物が逃げて居なくなっている訳でもない。


ただ潜った者は皆『おおおおおおおおおぉぉおおー』という慟哭のような呻き声のような、地を這うような低い音を耳にしたのだった。



「これは何かおかしなことが海で起きてる」

そう確信した親方は、村の役人に伝えた。

役人は領都のメルゼルク家に宛てその親方の話を手紙に認めると、辺境伯へと伝えたのだった。



むかしむかし 世界を創る神が二柱 青い女神と白い男神がおりました


二柱は二つの世界を創生しました 


それは 青い世界と白い世界 二つの世界


二柱から生まれたその世界は双子のそれ  または海と空のそれのよう


または太陽と月のそれのよう       または光と影のそれのよう


または鏡の中と外のそれのよう      またはこの世とあの世のそれのよう


青い女神は青い世界の青い子に 女神の智恵の祝福を


白い男神は白い世界の白い子に 男神の力の祝福を


そうして双子のその子らは 互い助けて 長く平和に過ごしていました


ところがある頃  青い子の子孫は 分かれ争い 醜く戦い 青い女神を失望させてしまいました


「ああ、あの子達は私の祝福の意味を忘れてしまった」


嘆き悲しんだ青い女神は 深い深い深淵の底に閉じ籠ってしまったのです


白い男神もまた 青い女神が横に居ない悲しみに 打ちひしがれて  


雲の切れ間にお隠れになってしまいました


すると 青い世界も白い世界も 神の加護が弱くなり 混沌の世界になってしまいました


混沌の世界の中 更に 破滅へと進む 青い世界


一方 白い世界は 白い神の祝福を受けた教皇が己を犠牲にして 


魔力と命を使って 百年に一度 白い男神の神託のための 魔方陣を形成しました


白い神は 自身の子が対話を望むならと その願いを聞き入れました


それからの白い世界は 問題が起これば百年に一度 


その強力な魔方陣で神の神託を得て 過ごす事になりました


教会の尽力のおかげで 白い世界の秩序は保たれているのです 


《創生神話 この世の成り立ち》


「そうそう、こんな話だったわね。」

リーゼロッテが教会から届いた報告書とそれに付随する創生神話を執務室で読んでいた。


「なんだロッテ、その報告書、どうかしたのか?」

横の執務机からヘンリーが声をかけた。


サルアール王国では現在、王太子の執務室にはヘンリーの執務机とリーゼロッテの執務机が横に並んで一緒に仕事をする体制になっていた。

そうすることで、同じ文官が両方に付くことで人数も削減できる上に、ヘンリーのミスが減り、業務の効率化が図れると言う、いつもの屁理屈(ヘンリーくつ)であるが、これは実際作業効率を上げていた。


ヘンリーや文官が悩み判断に迷うような案件も、リーゼロッテのスキルや知識によってその場で最適解を出すことができるのだった。


そんな最近であるが、リーゼロッテが珍しく報告書を何度も読み返していたのを目の端でチラチラ見ていたヘンリーが気づいて声をかけたのだった。


「ええ、来年は()()()()の年でしょ?」


「ああ、そうだな。結局なんの相談もなく、どこの国からも教会からも説明なく神託の国に決まったが、どうなんだろうな。以前より教会への寄進も減っていて、教会が王国の希望する事業を請け負った時に事業費用として寄付している感じだな。随分負担が楽になったが。」


「ええ、以前のように神の御名の下教会から乞われるままに寄進していた時から比べたら三割程度にまで減っているのです。それなのに神託の国になったのだから、今まで通りに寄進するように圧力がかかったら嫌だなと思ってましたの。今はそのような申し出は無いのですが、神託後はわかりませんでしょ?何とか教会から距離を取りたいと考えていましたら、先手を打って教会から神託の準備に入るからそれに伴う費用を負担するようにという手紙が来たのです。」


リーゼロッテが手に持つ手紙をヘンリーに渡しながら抑揚の無い声で言った。


「うえー、なんだこの贄に関係する費用の膨大さは!神託で何を聞くのだろう?」

ヘンリーが教会の手紙に書いてある費用額をみて驚く。


「そうなんですの。神託で聞くことは何かヘンリー様もご存じ無いのですか?宰相(おとうさま)もご存じ無いみたいで。費用に見合うことなのか、何せ建国以来初めてのことですしね。今までのツケもありますのに、随分横柄だなと教会の態度に思うところもございます。」


「その神託の儀式とは一体どのようなモノなのだろう。」

「そうなんですの。王国では誰も知らないのですから、この金額が妥当かどうかもわからないですわ。」


リーゼロッテが表情を曇らせている。


「こんな時に、辺境伯領では海底に異変があるらしいから、調査団の要請が魔術団に来ているし忙しいな。」

ヘンリーがため息をついて自分が処理をしていた依頼書をリーゼロッテに手渡した。


「あらあら、海底での異変。海底から空まで上がる白い煙、でも水温は変わらず。何なのかしら?ではこれの調査に向かいましょうか。」


リーゼロッテは教会の手紙には文官に『今までのツケをこの分減らしてあげるよ』ということを、王族らしい遠回りな言い方で書いて出すように指示を出し、ヘンリーの報告書に自分の名のサインを入れて、自らが調査団として辺境伯領へと行くことにした。


「あ、ロッテ。一人で行くなどと水くさい。私も一緒に行こう!」

ヘンリーが嬉しそうに力強く言い放った。


そすると、直ぐに魔術師のヨーゼフとラルゴを呼び寄せて、辺境伯領へと転移魔法(ワープ)したのだった。



「さて、次の新月の晩、予定通り儀式を執り行う。準備せよ。」

「「「御意」」」

教会の教皇の間に枢機卿と教会幹部、聖騎士たちが集まり神託の日が決まった。

そこに集まった者たちは、百年に一度の神事に気を引き締めて準備に入っていった。


そこはキョコト市国の教会の地下室

馬車から多くの魔石が地下室に納められた。


そして、闇魔法を属性に持つ魔力量の多い教会関係者が続々と地下室へと入っていった。



お読みくださいましてありがとうございました。


誤字誤謬があるかもしれません。


わかり次第訂正いたします。


いいねなどいただけますと励みになります。


よろしければお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。