真実との邂逅:序章
サブタイのストックと時間が無くなってきた三島です。
評価して下さった方には感謝しかありません。
あと3章ほどお付き合いしていただければ幸いです。
唐突ながらボクは妹萌えな訳ではない。相手が薊だからというだけである。
どちらかというと、ボクはお姉さん好き。
でも、何時からそうなのだろうかと言われると曖昧である。
前にたかしから『いつから?』と聞かれて考えたのだが……覚えのない光景が頭の中に浮かぶだけであった。何か決定的なことを忘れていると思う。
姉萌えなことについて考えるとか何やってんだか(苦笑)…それもこれも
柊誠……あいつのせいだ!
あいつの放った『忘れている』という趣旨の発言は咄嗟にこのことについてボクに考えさせた。何を忘れている…別にうちの叔母さんのことについてではないだろうし。あの人は、どちらかというと【お姉さん】な感じであって【母】という感じには見えないな……その精神は娘さん方に引き継がれています。
叔母さんを除くと他に姉っぽい人は知らないな。だからこそ、柊の家に行きたかったのだが……薊と父さんに止められた。
珍しく共闘してたよ……うれしいけど悲しい。
オレはこの間の一件で【ボク】との意思の疎通ができるようになってきた。
【ボク】とのつながりが深くなるにつれて【オレ】は【ボク】の“内側”について分かるようになってきた。それ故に、海の中で見たことは知られてはいけない。
ついでに柊家の事件の際に誠を邪魔したのはあいつだろう。
【ボク】はいつもアホみたいなこと(主に妹絡み)を言っているようにしか思っていなかった。
しかし、“内側”を知ってからはそうも言えなかった。
高校1年の頃の一件もそうだがそれ以上の事がある。誠が言っていたのはそのことについてであろう。でも、強いロックが掛かっているような状態で見ることができない。そもそも、【ボク】自身が生まれながらに破綻している。そうでなければ【オレ】は生まれていない。そして、その元凶がそれだろう。
オレがなぜこんなに【ボク】のことについて考えるかだって?
そんなの「自分の事を案じて何が悪い」とでも言わせてもらおう。
それを除いても…【オレ】は“限界”が近いかもな。
せめて【ボク】が本当に真人間になるまでは持ってほしい。
夏休みが終わり、暦の上では9月を迎えて若干の肌寒さを感じるようになってきた。
我々の学校は10月に文化祭を控え、その準備をし始めるころだ。
少なくとも有志の申請などは1学期中に終わらせてあるために実質ボク達の
仕事は前日と当日だけである。…が、今回は事情が異なり少し当日のスケジュールがずれて埋め合わせの案が募集されることとなった。
うちの学校はそこまで文化祭に力が入っていない方と言える。基本的には
生徒が学園の中にある小さな森の中に潜んでゲームをしていたり、裏で商売しているヤツ(たかしを含む)がいるなど楽しんでいる生徒は少ない。
ここ数年で生徒会が十年ほど頑張り続けてようやく有志部門という制度が生まれた。そして、適当に時間を与えてしまっていたために、一グループ消えるだけで大騒ぎである。大丈夫かこの学校?創立記念日もキリスト教系らしからぬ日だし……
実は誠の件は薊には話していない。しかし、薊を除く全ての人物に言ってしまったがために結構めんどくさいことになってきた。
「あなたのせいで薊ちゃんが危険に遭うなんて許せない!勝負なさい!私が勝ったら薊ちゃんはうちの子になってもらう!」
そう言ったのは百合っ子の美咲で、その勢いで提案した【バトルトーナメント】が採用される。大丈夫かこの学校?あ、これボクのせいだ。三笠組(裏経営者)がバックにいると思われてる。
こうして、ボクと美咲の戦いが確定したのであった。
「兄さん、あんまり戦って欲しくはありませんが勝ってください。」
我が愛しの妹にそう言われては頑張らざるを得ない。というよりも勝手に賞品にされたことについてはノータッチなんだね。美咲慣れしたね。
「ああ、負けるつもりはないよ。」
そう、当たり障りのない言葉を返しておく。本当に今回の事は全てボクが原因だから……薊には本当に申し訳ない。
ここ最近で薊は少し落ち着きを取り戻し、前みたいな過剰なスキンシップはなくなった。少し寂しいな……
恐らく、夏休みの一件で自分が大切に思われていたことを確認できたからだろう。きっと、今までのは不安がそのまま現れたのだろう。なぜ委員長の一件でなのかは分からないけども。
そう考えると……本当にかわいいなぁと心底そう思う。薊の庇護欲を刺激される感じがなんともまた…
本当に今の自分を想像できただろうか?それはないだろう。基本年下に興味なかったし、女性そのものを苦手としていた。ほとんど母さんのせいなのだが。
今はただ、薊がいてくれさえすればいい。そう思えるほどに薊を必要としてしまっている。誰かに依存することはあまりしてこなかったはずなのに……
ただ、そのことについても何か引っかかる。【依存】という言葉が引っかかる。
一体何について?何を過必要にしていた?それはこんなに簡単に忘れていいものなのか?
ボクは『何を忘れている?』
自分のクラスの文化祭での仕事いうものは存在しないが…クラス有志というクラスでの仕事は存在する。つまり…
「はい!これより私たちの喫茶店の女装店員枠を決定したいと思います。」
何それぇ。そして、完全な男顔なボクには関係ない。たかしがなるのがオチだ。
だから委員長……ボクをそんな目で見ないでくれ。
「ちなみに小鳥遊君は殿堂入りということで除外させていただきます。」
そうなの…殿堂入りなの?人様の前に出すのなら殿堂入り上等じゃないの?
そして、唐突なアンケートが始まり、結果が前に張り出された。
村上23票 江本3票 源2票 羽原2票
あれれぇ?おっかしいなぁ?ボクが1番な上に男子票が入っているのが謎だなぁ?女子は19人のはずだぞぉ?
そして、童顔の羽原君が2票か…おかしくね。なぜか聞こう。
「どうして僕に票が入るのですかぁ?おかしくないですかぁ?」
その疑問に答えるのは、やはりというかなんというか委員長だった。
「諦めなさい晃司君。あなたは選ばれたのよ。生贄に……」
何だろう言葉が出ねえ。ボクそこまで人望がなかったんだ。早く薊に会って人のぬくもりを感じたい。
「まあ、それだけではないよ。あなたの母親についてと言えばわかる?」
「…………………………………………………………………………は?」
理解しましたとも…ボクが母さんとそっくりな件についてですね。
もういいですよ。ボク自身はどうでもいいけど薊が弄られないか心配…すまぬ。
「どこえなりとも連れていけいっ!薊に迷惑はかけるなよ!」
そしてボクは大手化粧品メーカーの一人娘とカリスマ美容師の次女というこの学校ならではのコンビに恥辱の限りを尽くされた。
すべてが終わり、鏡で自分の顔を見た第一印象……『母さんだ』
完全に自分の母親でした。何?なんか似てる…から同一人物まで昇華できるの?そして衣装も肩幅とかをカバーするための衣装を完備…結託してやがったな。
取り敢えず、クラスまで戻る羽目になりそこでたかしとひと悶着あったのは割愛しよう。そして現在進行形で踏んでいます。SM嬢じゃねえよ。
でも何だろう…ゾクゾクしてきた。
委員長に言われた通りにトーンと声色を変えてみたところ、なぜか大好評…みんな目が腐ってるのか…いや、外見だけは現在は女だな…
これをきっかけにホモがたかし以外にも増殖し、変なものが出来上がりそうだったが先に潰させていただいた。皆、過去の薊ファンクラブの一件を知っているからね。
それからもう一つ、
このときに取られた写真を友人などにバラまかれました。
希と美咲が大爆笑してきた。まあ、そういうことには慣れたからいいけども。
もうヤダ……




