最近妹の様子がおかしい件について
薊ちゃんの暴走回……
それとタイトルはパクリとか言わないで…本当だからぁ
委員長との一件以降これと言って何事もなく夏休みになった。ただ、あの一件以来ですね…少し奇妙なことが続いているのですよ。
薊が異様に甘えてきます。最近妹の様子がおかしいです。
何が言いたいといわれてもそうとしか言えません。委員長との一件は兄妹としての在り方を考える一件でもあった。だから、一部抜粋して薊にも内容を教えた。しかし、結果としては逆になっていた。
例として
①朝起きると必ずベッドの中にいる。
②やたらと抱き着いてくる。
③いつものように接していても返ってくるリアクションが違う
④頭を撫でることをたまにおねだりするようになった。
まだあったと思うけど大きいのはこのぐらいかな。シスコンの身としてはうれしい限りですが、いつもと違うというのは心配になるのですよ。まあ、様子を見るぐらいしか方法はないですかね。こんなことが最近のボク自身の悩みです。
「兄さん!おはようございます。」
うん、元気のいい挨拶だ。そして、抱き着いてくるのは最近のデフォルトですか?
「おはよう。どうした?なんだかうれしそうだけど。」
「いいえ、ただ単に兄さんといられるだけで幸せですから。」
普通にシスコンを昇天させるのには十分な火力だな。コケコに剣舞3積みのメガガブの地震+急所ぐらいのダメージは入った。何が言いたいかと申しますと普通に10回ぐらい死んでます。でも、違和感のおかげで昇天はせずに済む。薊からじゃない。だから、どこからなのだろう。
「ありがとう。お手。」
「はい!」
なんかしてしまった。そして反射で反応してますがな。
「お代わり、お回り。」
「はい!ってなにをさせているのですか。」
良かった。しっかり反応した。それでも、尻尾のようなものが見えてきそう。
「ごめんって、なんだかつい。」
「でも、いいですよ。兄さんなら。」
で、さっきから何回殺しにかかってますか。無意識だから末恐ろしい。
「……」
この場に綾ちゃんがいないのは心底ありがたく思います。たぶん母さんまでなら大丈夫だけど、それ以外は本気で死ねる。ちなみに綾ちゃんはコミケに向けて夏合宿に行っております。
「兄さん、朝ご飯を食べましょう。」
まあ、何でもないのが一番のこと。だけど、若干気になるので後で希さんぐらいには相談しよう。で、朝食中の無邪気な笑顔でボクは何度昇天しかけたことでしょう。
『デレ期じゃないの?』
今までの事を友人様はこうバッサリと切り捨てました。
「何故、というよりなぜにその単語?」
『まあ、正確に言うならデレデレ期といったところかしら。』
二つにしただけでは?
「何でも二回言えばいいというものじゃない。というより、その言い方だと今までがかなり端から見ると恥ずかしい人みたいじゃないか。」
『そうですけど。というよりも自覚がなかったの?綾ちゃんの心労を考えてあげてほしいものよ。こちらにまで来るの。』
それはひどい言い草である。というより、『兄妹のカップリングなんて屁でもねえぜ』とおっしゃられていた綾ちゃんが……というより、今考えるとおかしかったのかな…あ、ボクがシスコン過ぎたわ。特に約束した以降。
「まあ、そこまでの事は全面的にボクが悪い。認めよう。で、言いたいのは薊がそれに追いついたとでも。」
『そんなところかしら…でも、今の違和感はたぶん攻守が逆転したからじゃないかしら。』
ああ、そういうことか。納得。
「ありがとう。今までつっかえていたもの取れた。」
『それは良かった。それと、相談料くれても良いのよ。具体的には薊ちゃんと遊ぶ権利。』
「その権利はボクにない。薊に直接どうぞ。」
『やった!兄からの直接交渉権を手に入れたわ!』
なんだよその『チケットすら手に入らないコンサートのチケットを買い取る権利を手に入れたファン状態』は?
でも、感謝はしておこう。これからも今までみたいに可愛がって行きましょう。
ボクはいつものごとく暇な時間を薊と共に過ごす。で、最近の甘えモードのせいで薊がネコ化したのでもっぱら、頭を撫でながらテレビでも見ています。その時の顔がとても幸せそうなので良かったです。
「薊は可愛いなぁ。」
今までみたいに何気ないその一言であるが、今は薊の反応も異なる。
「ヘヘッ…」
すごくうれしそうだ。顔も赤くしてかなり照れている模様です。
「兄さんから言われると嬉しいです。最近は何だか前よりもそういう発言がうれしく感じるようになりました。なんでなのでしょう、でもいいです。こうしていられるのが幸せです。」
こんな感じが今の村上家です。攻守逆転とは希もよく言ったものだ。全く持ってその通りです。
翌朝、ボクは目が覚めると隣には何かがあった。
「薊、また来たの?」
「……すやぁ」
寝ていらっしゃいます。で、今ボクは薊を抱き寄せていますが別に委員長みたいな欲求に襲われたわけではありません。普通にベッドと壁の隙間に落ちそうだからです。隙間ができているのはルーターを設置したため…と言われても理解できませんよね。まあ、パソコン買った(こっそり)けど、家のルーターと相性が悪かったのでフ〇ミマで4,000円ぐらいのを買ったわけですよ。そして、設置できるのがベッドと壁の隙間にあるコンセントのところだけという訳です。ドゥ―ユーアンダースタン。
「うん、どうしよう。」
これに尽きます。動けば確実に薊は落下してルーターで確実に足あたりを怪我します。そして、パソコンをネットにつなげることができなくなる。。
第二に薊は低血圧…ボクの就寝時間は二時半ごろ…ということはボクの気付かない時間帯に侵入したということは確実に起きません。まあ、このまま二度寝をして、役得を味わうというのが最善手なのだろう。そうなのであろう。夏休み直前あたりはこのまま学校だったから、ボクがこのまま抱きかかえて起きて着替えさせたりもした。何というか立場が逆転するというのもいいものだなとは思いました…ハイ。
「晃司、久しぶりに薊ちゃん連れて出かけてくるのはどう?」
「いいけど…どうした…いきなり。」
「なんだか、いつも家にいるけど晃司が家にいるから薊ちゃんも家にいるのかと思ってさ。」
ああ、そっか。ボクがいかないのであれば薊も行かないということか…
「よし、行くか。薊、どこか行きたいところはない?」
「そうですね。ショッピングモールとかはどうでしょうか。それと、デートですね。」
そう少し照れながら言った。この感じがまたたまりません。
「よし、デートと行きますか。」
「はい!」
こうして、村上兄妹、夏のショッピングモールデートが開始された。それと加えると、今回知り合いと遭遇する確率はゼロである。小鳥遊兄妹は実家。委員長の家は…考えるのはやめよう。それと希は失っていた家族との交流を取り戻していた。という訳で、今回は…邪魔者がいない!
電車に揺られること10分ほど、ボク達は以前のショッピングモールまで来た。言えばいいんでしょ
イ〇ンだよ〇オン。ちなみにジャ〇コは旧名だから。うちの親はまだ使っていますが……
「ふふーん」
薊はご機嫌のようで鼻歌全回でした。
「着いたよ。さあ、どこまで行こうか。」
「そうですね。それではこの前できた新しいお店にでも行きましょうか。」
こういうセリフは大体おごってもらえると思っている彼女が言うことが多いので覚えておきましょう。でも、どちらかというとボクがおごられる側です。そういう意味である可能性が2割ほど存在します。あなたが彼女とそういう会話をする場合は彼女の性格をよく考えてからよく吟味しましょう。それがうまく生きるコツだったりします。
「兄さん、現金が尽きかけているのでATMの所まで行ってもらっていいですか?」
「ああ、最近出費が多かったね。…ボクのせいで……」
「違います。あれは私が悪かったです。」
何の話かと言われれば入院の件、父さんを説得する際に生活費諸々は薊が払うと約束してしまったから。別にいいと言ってはいたが反対したのは意外!薊であった。
「それと柊家の財産というものが恐ろしく思えた。」
「まあ、ざっと玄孫の世代まで豪遊できるぐらいはありますよ。」
余計恐ろしいわ。それから現金を下ろし終えた薊は『兄さん』と言って腕に手を回す。なんだか恋人のようにも見えなくない。確かに義兄妹なので似てませんし、でも実際は仲のいい兄妹です。
それから、ニューオープンの新しいお店はクレープ屋であった。薊はこういうものを食べたことがなかったようだ。だから、余計に気になったのであろう。それと、母さんからボクの財産管理を任されているために帰りにこういう店に来ることもなかった。だから、いい機会かなとは思う。いろいろ言ってはいたが母さんは本当に薊の事を考えていたらしい。なぜかって?そりゃそう思ったら母さんはそう思っているからだ。これはボクと母さんだけができること。
「薊、ここだよね。まあ、思った以上にいるな。そんな有名店でもないのに。」
「兄さん、そういうことは言わない約束です。」
薊は心底わくわくした様子で、ボクをたしなめるように言った。
「それと薊は何か食べたいものは決まってたりする?」
「いいえ、こういうものはその場の雰囲気で決めるのがいいと美咲ちゃんから聞きました。」
おお、珍しく感心した。美咲って普通のことも言えるんだ…と言ったら殺されるだろうな。たぶん現段階でボクが一番恐れている人物だし。と、考えていると思いのほか早く順番は回ってきた。薊は何にするか決めたようだ。
「はい、ご注文は何にいたしましょうか?」
「私はチョコバナナでお願いします。」
おお、たぶん外れが少ないオードソックスなものを選んだか。初めてならそういうものの方がいいかな。
「じゃあ、ボクは……」
「お待ちください、お客様は当店の400人目のお客様なので様々な特典が付きます。」
といって、差し出されたものは…『当店自慢のクレープ全品食べきれるかなっ!挑戦権。』と普通の無料券しかし、無料券は明日から……そうですか、チャレンジしろと……
「じゃあ、これで…」
「はい承りました。」
「ルンルン。」
しょうがなく…周りに流されて後悔しているボクと、妙にテンションの高い店員、めっちゃワクワクしてる薊。何この差は?
頑張った…ボク頑張った。全品食べきった。正直、この店はまだ少ない方だったのがせめてもの救いだった。そして吐きそう。当分というか…半年ぐらいクレープは見たくない。
「おお、カワイ子ちゃんじゃないかい。俺たちと遊ばねえ。」
ああああああああああぁぁっぁぁっぁぁぁ!薊が絡まれたぁぁ!
「断ります。一緒に来ている人もいますし、知らない人と一緒でも楽しめる程図太くはありません。」
はい、撃沈。薊は中2女子にしては身長高めだ。確か160前半だっけ?母さんと一緒ぐらいだったし。
ということはあちらは中学生を口説いているつもりはないのだろう。っと、助けに行かないと…うぷっ。
「兄さん。」
薊はボクの後ろに回りしがみつく。いつも通りで、弱役得ですが今は…吐きそう。
「なんだ?彼氏もちかよ。でも、そっちは顔色悪いぜ。大丈夫かよ。」
ここはびしっと行きたいし、正直フルボッコにしたいけど今は無理……
「……ビニール袋ないですか?」
「「……」」
当事者は唖然とした……真意に気付いた二人は行動に移る。うう、恥ずかしい。
「ごめんなさい。さっきあんなことをした後なのに抱き着くのが強すぎました。」
「はい、ビニール袋持ってきました。」
もういやっ!なにこれ死にたい!そうして、ビニール袋は使われることはなく済んだが…
「もしかして、上条の村上さんですか?」
「うん、そうだけど。」
「マジっすか!ここら一帯の不良集団全員に呼び出されて勝ったという伝説はここらでは有名ですよ。」
え、綾ちゃんの件ってそんなに早く広まったの……【狂気】の事は広まらなければいいけど…まあ、その前に全員撤退したか。
「まあ、薊に手を出したから殺してやりたいのは山々だけど、薊の前で荒事にしたくないから少し来い。ナンパするのにいい相手の選び方を教えてやる。」
ってなわけで、彼はそれなりに美人な大学生ぐらいのお姉さんのナンパに成功しました。その後、彼らに様々な試練が訪れそれを乗り越えていくのだが本編とは関係なし。
「兄さんにとって私はどう見えますか?」
「というと?」
「先ほど兄さんが本質を見てアドバイスをしていたので、私はどうなのか気になりました。」
そうだった…薊にはどうだったかは一度も言ったことはなかった。
「薊はボクが見た中で一番きれいだった。これは偽りのない本音だよ。だからボクは薊の事が大好きなのさ。」
「そうですか…そうなれたのはきっと兄さんのおかげです。私とこういう風に接してくれた時にきっと嫌な子だった私は消えたのでしょうね。」
嫌な子という意味は正直言って分からなかったけど、ボクが見ているのはそういうものではない。
「違うよ、本質というものは生まれた時から決まっている。だから、薊は最初からなんだよ。あの時のボクは綺麗な宝石よりも火打石の方を欲しているような人間だったから。それに、本当にきれいな人は自覚なんてしていないさ。自分は性格がいいと自覚しているヤツにまともなやつなんていない。」
「良かったです。兄さんと一緒にいて不愉快な気分にしてしまったらどうしようかと……だからよかったです。」
そう言って薊はボクに抱き着く。ボクもそれに答えて抱き返す。言っていなかったのは悪かったな。そんな心配をされているとは思わなかった。
「大好きだよ薊。」
「私もですよ、兄さん」
良かった。ボクもう坐臥られてないか心配だったし、最近その心配はないことに気付いたが…
「「「おおー!」」」
……ヘアっ!野次馬が…ああ、何と…完全にラブロマンスなシーンじゃないですか。本当に知り合いがいなくてよかった。そして、急いでその場を去った。
余談だが、この後くじ引きをして2泊3日の温泉宿泊券が当たった……ボクの当分の運は尽きたな……
家に帰り、温泉券の事を伝えると母さんは少し考えて許可してくれた。しかし、その背後で母さんがとある組織を組織していた。組織を組織するってなんか面白くない?え、そんなことはない。そっかぁ。
「第一回緊急会議を行います。出欠を取ります。一ノ瀬家!」
「「はい、二人ともいます。」」
「小鳥遊家!」
「趣旨に若干反しますが、公仕を含め三人います。」
よし、全員集まったか…まあ、公仕君は今回の件に少し関わるので後々呼ぼうかと思っていたから好都合だ。
ちなみにこれはL〇NE電話の機能を活用したボイスオンリーの会議である。電話では全員でできないし通話費がかさむのでこの機能を活用することに決まった。
ことの発端は夏休み前、薊ちゃんが急に晃司に対してひどく甘え始めたことについてだ。晃司自体そのことに関しては少し考えてはいるみたいだが、こちらは別にそのことに関してのグループを立ち上げた。まあ、連絡も含めて結成したのはつい先日であるので、詳しいことを知っているのは私と希ちゃんだけである。
事情を説明して今回の本題に入る。
「今回諸君らを招集したのは事態が深刻化したからだ。息抜きに出かけさせたら晃司が2泊3日の温泉券当てました。」
「「「「「なんと!」」」」」
「今までの内容から考えると一抹の不安が残る。晃司自体はそういう雰囲気になっても対応しきれるが問題は我々の監視の目が一切届かないことである。【狂気】が発動なんてしたら目も当てられない。」
「会長!発言よろしいですか。」
「何かね会員no.1希君。」
「晃司君は以前私に薊ちゃんとの接し方について相談しました。その際に薊ちゃんと遊ぶ権利を得る権利を得ました。それを活用してはどうでしょう。」
「そうだな、薊ちゃんは今の状態だと断る可能性が大きい。」
「そうですか。」
会議は続き一時間が経過したころ。
「会長!今回の件で、唯一同行する手段を発見しました。西区のイ〇ンで温泉券を当てることです。こちらは3人です。」
と希…
「なんと、やはりそれしかないというのか。」
と小鳥遊家から。
「この券の恐ろしいところは使用可能開始期間の一週間前にようやく場所が知らされることです。しかし、関係者を人脈を使って調べたところ、同じ市内の券なら同じ場所に行くらしいです。」
と希
「「「「「なんと!それはまことか!」」」」」
若干テンションが高くなっているというか、疲れていたのだろう。後日思い返すとなんとも恥ずかしい。でも、これのおかげで目的ができた。小鳥遊家の豪運(小鳥遊家のゲーム事情はソフト以外は全てくじ)と希ちゃんの強運(具体的に言うとロシアンシューの当たりだけを一気食いできる)さえあれば行ける。金ならある、具体的には主婦三人の所持金ぐらいは。
結果として一回目で当たったため実質120円ほどで済んだ。あの買い物はほとんど無駄だったというのか……しばらく食料に事欠くようなことはないだろう…賞味期限がぁ!大丈夫、ほとんどが日持ちするヤツ…腐りやすいのから食べよう。取り敢えず、各食卓に適した分配が必要だね。
「うちはみんな小食かな」
と一ノ瀬家…どうしたらそこの娘はそんなのでそんなのが実るのだ?
「うちは4人家族だから3人よりはだけどそこそこかな。」
と小鳥遊家。公仕あまり食べそうにないね。修学旅行時に夕飯の一部を晃司にやってたらしいし。
「まあ、うちの夫は食べないと本当に死んじゃうからね。多めに貰うね。」
そうである。うちの人は体質的に食べないと死ぬ。どうしてかは…知ってるけど…言わない。体質の事を…特に晃司に悟られてはならない。我が家の秘密は【狂気】だけで十分だ。
母の会は現実にあったら恐ろしいよね?そうじゃない?
ちなみに、あのカップルの話はその⑤ぐらいで出す予定…
綾ちゃんは今回だけ邪魔なので…




