第5話 ブレース洞窟とヤリドカの襲来
<前回のあらすじ>
無事に本物の小人に地底迷宮デス・アースの地図をもらった2人。しかし、ここの主のサレンに存在がばれてしまった。必死に逃げるも、サレンの光線攻撃がレフィアに直撃してしまい、レフィアがやられてしまった。残されたミラはレフィアの望み通り1人で逃げることに。寝室のベッドの下にあった穴に飛び込み、何とかサレンから逃げ切った。だが、落ちた場所は洞窟で一歩進むごとにさっきまでいたところが崩落する洞窟だった。果たしてこの洞窟から脱出することはできるのか。
「やっぱり。一歩動くたびに崩れるんだ!」
ミラはこの洞窟の原理がわかり、安心した。
この洞窟は岩の崩落さえ気を付ければ安全だと思い込んだ。
「この洞窟のことについて何か載ってないかな?」
鞄からアドルベルナの攻略本を出した。
ーーーーーアドルベルナの攻略ーーーーーーーーーー
・・・
ブレーズ洞窟 ここに来ることはそうそうないと思うが、一応説明しておこう。
ここは一歩動くたびに前にいた場所が崩れるんだ。
だから戻ることができない。
ここにはもう一つの脅威がある。
それはヤリドカだ。
この生物は目は見えないけど聴覚が発達していて、音がした方に突進してくるんだ。
もし奴の突進の犠牲になってしまうと絶対に助からないから気をつけろ。
あと、この洞窟の水には触れるな。
身体が溶けるぞ!
・・・
ーーーーーーーーー完ーーーーーーーーーーーーーー
ミラは少し恐怖心を抱いた。
「だ、大丈夫なはず。」
そう自分に言い聞かせて洞窟を進んだ。
歩くたびに背後が崩落して周りの音がよく聞こえない。
ドーーーーーーーーン!!
岩の崩落とは明らかに違う音が鳴り響いた。
「っき、、、気のせいだよね、、、。」
ドーーーーーーーーン!
ドーーーーーーーーン!
何かが明らかに近づいて来ている。
急いで近くの岩の陰に身を潜めた。
すると、青色の何かがさっきまでいた場所にやって来た。
「もしかして、、、あれがヤリドカ?」
青色のガラスのような見た目で、頭に角が生えている。
奴は周りをキョロキョロと見渡している。
恐怖のあまり一歩後ずさりした。
その瞬間
ゴゴゴゴゴゴゴ
と岩が崩落し、奴と目が合った。
ミラの存在に気が付いたのか目が赤くなった。
ものすごい勢いでミラの方へ突進した。
「ぎゃあーーーーー!来るなーー!」
ドーーーーーーーーン!
咄嗟に避けたので奴と接触することは避けれた。
しかし、またミラの方を見て突進してきた。
「助けてーーー!」
すると、奴の頭上に岩が崩落し、奴がやられた。
「っえ?ヤリドカがやられた。」
ミラは奴がやられたことで落ち着きを取り戻した。
「今のうちに進もう!」
ミラは洞窟の奥に進んだ。
特にヤリドカに遭遇することはなかった。
すると、少し広いところに出てきた。
そこには緑色の水が流れていた。
「あれは、毒水だ!触らないようにしないと。」
なるべく毒水と反対側の壁を歩いた。
ときどき、岩の崩落のせいで毒水が跳ねてミラにかかりそうになる。
毒水が跳ねる恐怖に耐えながら、何とかそこを抜け出した。
さらに進むと、傾斜が急になってきた。
奥の方にはほんのりと地上の光が見える。
「あとちょっとで出られる!」
なぜか赤い光だがミラは気にしなかった。
それよりも、ここを脱出できる喜びの方が大きかったからだ。
「あれ?地上の光がこっちに向かってきてる、、、。」
目を凝らしながらその光を見つめてた。
ドドドドドドドド!
「あれは地上の光じゃない!ヤリドカだ!!」
なんとヤリドカの大群がこちらにむかって来たのだ。
ミラは慌てて戻ろうとしたが、来た道は岩で塞がれている。
「どうしよう。このままだったらヤリドカと衝突しちゃう!」
ミラは慌てて周りを見た。
しかし、身を潜められそうなところはどこにもなかった。
ヤリドカの大群はどんどん迫ってくる。
ヤリドカはどんどん速くなっている。
ミラは藁にも縋る思いでその場にしゃがみこんだ。
ドドドドドドドドと、足跡がどんどん近づいてくる。
ミラはぎゅっと目をつぶった。
なぜか恐怖は感じなかった。
ドーーーーーーーーン!!
激しい衝突音が鳴った。
ミラは恐る恐る目を開けた。
「生きてる。」
ヤリドカは勢い余ってミラを飛び越えたらしい。
ヤリドカの動きが鈍くなっていた。
「今のうちにここを出ないと」
ミラは地上の光に向かって走った。
ヤリドカの動きは鈍くなったとはいえ、背後にはミラを追いかける音がするように感じる。
本当に追いかけてきているのか、ミラに振り返る余裕などない。
「はあ、、。はあ、、、。」
傾斜がきつくなってきた。
でも、地上の光はもう目の前だ。
「あと少し。あとちょっとで地上に出られる!」
地上の光に合わさって誰かが見える。
近づくにつれて目の前にいる人物がわかり、驚愕した。
「フフフ。異分子よ。私から逃げ切れるとでも思いましたか?」
そこには地底迷宮の主、サレンが立っていた。
「な、なんでここに、、、。」
「そんなことはどうでもいいのです。もう、逃がしませんよ。」
サレンは、持っている杖を大きく振り上げ
「奈落に眠る魂よ、我が杖の光によって目を覚ませ。集い、交わし、生命となれ!
ロック・アウェイクニング!」
すると、崩落していた岩が集まり、ゴーレムが形成された。
「フフフ。それでは、このゴーレムちゃんとのお遊びを楽しんでくださいね」
とだけ言い残し、奴は消え去った。
「急いで出ないとゴーレムが!!」
ミラは大急ぎで出口に向かった。
そして無事に地上に出ることができた。
だが、ゴーレムは一向に動かない。
ずっと洞窟の中で突っ立っている。
「なんだ、オブジェか。」
ミラは完全に安心した。
ミラはしばらく歩いた。
やがて白いコンクリートのようなもので出来た街に出た。
「やあ、お嬢ちゃん。見慣れない顔じゃね。」
ミラは優しそうな老翁に話しかけられた。
ミラは奴を警戒した。
もしかしたら、老翁を装った看守かもしれない。
ここまで無事にやって来たのに、強制帰還させられるわけにはいかない。
「安心して、ワシも異分子じゃから。証拠に、ほれ」
老翁はニラミーギョを踏んで足跡をつけた。
「本当に異分子ですか。」
「ああ、そうじゃ。まあ、そう簡単には信じてもらえんじゃろうけろな。」
ミラは、鞄から攻略本を取り出した。
もしかしたらここにこの街や老翁について載っているかもしれない。
ーーーーーーーーアドルベルナの攻略ーーーーーーーーーーーー
・・・
平和の街 ピーシスト ここは、アドルベルナで唯一の異分子が住む街だ。別名、異分子のオアシスとも呼ばれている。ここの者は皆、異分子だ。泊まるならここが最適だ。
・・・
ーーーーーーーーー完ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「本当に異分子なんですね!」
この本を見て、老翁が本当に異分子なんだと確信した。
「ハッハッハ。そんな騙すようなことはせんから、安心しろ。ところでお嬢ちゃんは、どこへ行くんだい?一人で冒険するのはきけんじゃよ」
「実は、、、」
ミラは事の経緯を話した。
親友を救うためにアドリッス樹林を目指していること。
道中、仲間のレフィアがサレンに襲われたこと。
すると、老翁は血相を変えた。
「何⁉お嬢ちゃんの仲間が襲われたのか。」
「はい。なんとかして助けられませんか」
「うーん。場所が場所だでなあ。」
「そこをなんとか!」
ミラは必死に懇願した。
ミラの剣幕に圧倒されたのか老翁は
「ワシの孫のニルスに頼めば何とかなるかもしれない。」
老翁は地図を出した。
「この家にニルスがいる。ついてこい。」
「ありがとう!おじいさん!」
レフィアはこうしている間もサレンに襲われている。
ーー今度は私が助ける番だ。待っててね、レフィアーー




