第十一話 転生したら新種ですか!?
どうも桃犬猿雉です。
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(*´・ω・)
今回は冒険者目線での話です。
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面白いことは呟いておりませんが小説関係のつぶやきをたまにしております。
夕暮れの冒険者達でにぎわう酒場に俺ら鉄の絆はいた。
メンバーは結成当初からの顔ぶれでテーブルを囲むのはリーダーの俺のカリファと副リーダーのエイリン、魔法使いのブリーダ、大剣使いのゲンマ、根使いのドルク。
この顔ぶれで集まるといつもはどんちゃん騒ぎして俺やエイリンがいさめてを繰り返していたが今回はみな表情を固くしている。
それもそのはずだ、今日あった出来事を考えてみたらな。
それは昨日の昼過ぎ頃にさかのぼる。
俺はいつものように冒険者組合から受けた仕事をいつものメンバーで遂行して代表として冒険者組合に報告をし終わった後にちょっと道具にでもいって物色しようかお考えていた時だった。
学者のような恰好をしたおっさんがこっちを見ていたのに気が付いた。
俺と目が合うのを合図にそのおっさんは俺の方に近づいてきた。
おっさんは歩き方からすれば素人だったが、俺は冷静にいつでも剣を抜けるような体勢で構えた。
「そんなに警戒なさらずに」
学者の男は敵意がないといった風に両手を差し出す形で近付いてくる。
「実はあなたたちの評判を聞いて直接依頼をさせていただきに参りましたボスティナフと申します」
「というと、指名依頼か」
「その通りでございます 期待のルーキーが活躍しているという噂を聞きつけてまいりました」
そう言われて、その時の俺は数々の依頼をこなしてきたこととボスティナフのおだてに乗せられてしまっていたんだと思う。
俺たちも初心者や新人から抜けて中級と言えるほどの冒険者になったという自負はあった。
それがいけなかったのか調子に乗って、組合で正式に出されたもの以外の依頼を受けてしまった。
受けた当時は考えてすらいなかったが、あれはいわゆる表沙汰にしにくい依頼を馬鹿な冒険者に口車で受けさせる目的だったのだろう。
内容も研究材料を採集するための護衛と聞いていたし、あとで知ったがまさか媚薬の材料だとは、あのおっさんの学者風の見た目に騙された。
冷静さが自慢だった俺もこれじゃ冒険者に成りたてのひよっこと何ら変わりないな。
メンバーと何の相談もなく勝手に依頼を受けてしまった。
相談なく勝手に受けるなんてリーダー失格だな。
とりあえず依頼を受けるまでは良かったんだ。
別にそこまで危険な場所に行くわけじゃなかったし、ファルスの森にはおとなしいモンスターが多く深くまで立ち入ることがなければ俺たちの実力で十分に帰ってこられると見込んでいた。
まぁ、それもいつも通りならの話だが。
浮かれていた俺たちは翌日の早朝に集まりボスティナフと合流し、ファルスの森に向かった。
行く途中レッサ―レオファンに襲われたが、最前衛の俺がスキル「煽動」を発動させ盾を構えて攻撃を引き付けておき、続けて棒術でドルクが他のレッサ―レオファンを牽制し、ゲンマがスキル「力溜め」で大剣での強力な攻撃を加える。
その間もエイリンが全体を見渡すことができるスキル「ホークアイ」で視野を広げ、弓で俺たちが不意打ちを受けることを防ぎ、魔法使いのブリーダの合図で射線をあけブリーダが氷魔法で氷の槍を前方へと放つ。
俺たちの連携に一匹また一匹と撃退するうちに奴らは逃げていった。
奴らの対処は数匹を倒すだけで逃げていくので、全部を相手取る必要はない。
アサルトディアやランドラットもこちらから攻撃しなければ敵対的な行動はとらないので無視して奥に進んでいく。
あまり奥まで行き過ぎると砦蟹の縄張りに入ってしまうが、目的の材料とやらはその前のエリアにあるらしいので俺らも順調にすすんでいたのでもう依頼達成も目前だと気が緩んでいた。
周囲を警戒しつつもボスティナフが素材を採集し終わるのを待つと、ボスティナフは物足りないのか少し奥の方まで行こうと話を持ち掛けてきた。
最初は俺らも反対的な雰囲気を持っていたが、報酬を水増しするといわれてつい欲が勝ってしまった。
エイリンは最後まで反対していた。
彼女の方が俺よりもリーダーに向いていると今さらながら思う。
普段は可愛いものに目がないんだが、いったん依頼を開始すると雰囲気が切り替わるんだよなぁ。
俺は鉄の絆の知名度の上昇による傲慢から、魔法使いのブリーダは新しい魔道具欲しさから、大剣使いのゲンマは酒と食い物代欲しさから、根使いのドルクは女の気を引こうと贈り物を買いたいと賛成で結局はエイリンが折れて少し奥まで行くことになった。
今考えると、エイリンが正しかったんだよな。
俺らはボスティナフを護衛しながら奥へと進んだ。
奥に行くほど木々が生い茂る中、やっと開けた場所にでた先に奇妙な光景が広がっていた。
巨大な岩がある。
それだけならば、別に大したことではない。
奇妙なのはその岩の上に小屋が建っていたことだ。
そこまでモンスターが強くない森の浅い場所とはいえ、ここは危険地帯だ。
そんなところに小屋を建てるものがいるのかと、俺たちは全員疑問に思ったんだ。
小屋も木材は使われているものの釘や金具は使われておらず、要所要所を石膏か何かで固めたような感じだ。
どうも胸騒ぎがする。
俺は撤退を指示しようと口を開こうとしたその時、
「リーダーなんでこんなとこに小屋なんてたってんだぁ? こんな辺鄙なとこにたてるなんてもの好きもいたもんだぜ」
そうでかい声で話したのは幅広の大剣を背負ったゲンマだ。
こいつは図体もデカいが、声もかなりデカい。
俺は片手で顔を抑えながらも、撤退を指示した。
ボスティナフも渋い顔をしたがおとなしく指示に従ってくれた。
だが遅かった。
小屋が建っている巨岩が揺れたかと思うと、手足と首が生えた。
まずい、こいつはメガリスメガロスだ。
実物を見たことはないが、岩のような甲羅に、水竜のような首長の頭に巨木の幹ような足は情報と間違いない。
だが、おとなしい性格だと聞いている。
刺激しないように、ゆっくりと撤退すれば見逃してもらえるだろう。
そう指示しようとした時に再び邪魔が入った。
ボスティナフが急に態度を一変させて、うろたえ始めたからだ。
メガリスメガロスをみてから顔を真っ青にしていたが、急に呻きだしたかと思うと、震えだした。
まずいとか、おわりだとぶつぶつ言っている。
その様子に俺ボスティナフに詰め寄る。
「どうした? メガリスメガロスはおとなしいモンスターだこちらが刺激しなければ何もしてこないはずだぞ」
「ち、違うはやく逃げるんだ、、」
「どういうことだ?」
「こんなはずじゃなかった あいつらが急にやめたりしなければ冒険者なんて雇わずに済んだんだ」
見かねたエイリンが、さっきから錯乱状態にあるボスティナフの頬を打ち、
「あなた私たちに何か隠してるわね 正直に話しなさい」
ボスティナフは青い顔を白くしたが頬はエイリンにぶたれて赤かった。
「このキノコは興奮作用がある、いわゆる媚薬の材料だ」
媚薬、その言葉にエイリンは冷めた目で、ゲンマは興味がなさそうに、対照的にドルクは興味深そうに聞いていた。
「人間には一時的な惚れ薬の効果があるが、それほど強いものじゃないから禁制ではない軽いものだ だが、効果はきちんとある だが加工前のこのキノコは特定のモンスターには匂いをかぐことで強い効果が表れる」
「ま、まさか」
「メガリスメガロスも含まれている」
「どうして黙っていた! 事前に知っていれば警戒して、、いや今そんなこと言っても仕方がないな」
おれは冷静さを取り戻すと、メガリスメガロスの方を向き少しずつ後ずさりを始める。
暴れだす様子は見受けられないが気を抜かず撤退を急ぐ。
するとブリーダの様子がおかしいことに気が付いた。
「どうしたブリーダ」
ブリーダは無言でメガリスメガロスの背の小屋を指さす。
俺たちは本体の方に目が行っていたので小屋の方に意識がいっていなかった。
小屋の入り口から六つの赤い目がこちらを見ていることに気が付いた。
そいつは入り口から姿を見せると俺と目を合わせた。
大きさは俺とあまり変わりがないようだが、纏う気配がどす黒いと感じた。
おそらく内包する魔力が高いのだろう。
魔法使いの職業のブリーダが気が付いたのもうなずける。
見た目は新人冒険者が出会ったら一対一で戦うことなかれと言われる黒騎虫に酷似しているが色が紫がかっている。
幼いころからモンスターの資料を読み漁った俺でも当てはまるものがいない。
まさか、突然変異の新種モンスターか?
おそらく妖虫族モンスターであることはわかる。
黒騎虫は好戦的な中級モンスターだ中級とはいえ一体だけなら俺達でも連携して難なく倒すことはできる。
近距離戦闘が得意な黒騎虫は魔力をあまり持たないが、奴は高い魔力を持っているし、言いようがない恐ろしいという雰囲気が伝わってくる。
いったいどんなスキルを使ってくるんだ?
俺たちは滝のような冷や汗をかきながらも奴に見られている間、動くことが出来なかった。
息を飲み込むことが困難なほど重いプレッシャー感じていた。
弓を構えるエイリンも固まっている。
しばらくこちらを射留める六つの赤い眼光は興味をなくしたかの様に小屋の奥へと戻っていった。
体を動かせると気付いた時には俺たちは素早く撤退していた。
メガリスメガロスは暴れだす雰囲気はいまだなく、おそらくあの新種が従えているのだろう。
だとするとあいつは上級モンスターで少なくとも亜竜クラスのモンスターだ。
俺たちは見逃してもらったのだ。
実力の差をひしひしと感じながら、冷静さを取り戻した俺たちはその後何事もなく拠点とする街まで戻ってこられた。
そしてボスティナフから奪い取るように報酬を受け取ったあと、今に至るというわけだ。
このことは冒険者組合に言わない方がいいだろか?という意見も出たがそれはそれで危険だ。
討伐依頼が出たとして、こんな田舎の街にはあいつらを相手取って無事にすむほどの上級冒険者パーティーはいないし無理だろう。
そもそも新人冒険者も多いこの街の近くで上級モンスター見かけることもめったにないのだ。
あったとしてもメガリスメガロスや砦蟹フォートクラブジャック位なものだろう。
それでも、報告を怠ってほかの冒険者に被害が出ないとは限らない。
話し合った結果、報告はしておいた方がよさそうだという結論に至った俺たちは勘定を済ませて席を立つ。
俺たちも今日のことを教訓にして精進しなければ。
俺たち鉄の絆はここで燻っているような冒険者パーティーじゃないはずだ!
お読みいただきありがとうございました。
自分のなかでは勝手に、リーダー(CV小野大輔さん)エイリン(小清水亜美さん)ゲンマ(三宅健太さん)ブリーダ(茅原実里さん)ドルク(勝杏里さん)ってイメージで考えてます。
小説とか読んでるときに、勝手に脳内で声優さんの声をあてて読んだりしてたので、書いてるときもそのくせが出ちゃってます(・・;)
皆さんの中にもそんな癖がある人はいないですか?(*´ω`)
次も引き続き主人公視点ではなく他の登場人物の目線での話となります。
ステータス差はそこまで絶望的に大きくないのにプレッシャーをなぜこんなに感じたのかというと、スキル保有数の差を本能的に感じたからです。
今後ともよろしくお願いします。(o*。_。)oペコッ




