旅立ち
さあ!
朝ですよ!
夜が開けましたよ!
結局、寝れなかったわ・・・・旅先でのあれこれの計画考えたら寝れないわ。
遠足前の気分だよ。
オヤツ持ったかー?
下痢止め持ったかー?
弁当はいるのかー?
オテロクは隣でまだ寝てる。
オレのテンションは朝からマックスだ。
とりあえず、屈伸だ。
イチニイチニー!
発散させろ!オレのエナジー!
ガチャッ
「ルークさんおはようございます!」
ソマック登場だ。
「ああ、おはようございます」
「朝から運動ですか?」
「今日から遠征なので準備運動をと思いまして」
「流石ですね。ルークさんは旅慣れてるんですね」
「ええ、まぁ、そういう事です」
だんだん、会話からボロが出そうなので話題を変える。
「今日から、ソマックさんがしばらくの間店番ですね。モートさんからの伝達事項は、メルロさんが伝える事になっています。何か判断が必要な時はメルロさんへ伝えてください。場合によってはエイドリアさんへの伝達もお願いします。それと、お店の資金や給与に関しては、ソマックさんの銀行口座へ各都市から、モートさんが振り込むとの事でした」
オデロンからメルロ、メルロからソマック、ソマックからエイドリアと遠隔地からでも、情報をやりとり出来るというのはありがたい。
その他、様々なお店の事を話し合い、店の掃除や片付けをしていると、ついにやって来た。
「よぉ!待たせたか?!」
ラグが片手を挙げて店に入ってくる。
後ろからはシャルロット、アース、ラムラ、セシリア、アイラが続く。
これだけの人数が入ると、店が急に狭く感じる。
同時に、店中に得も言われぬ良い香りが溢れる。
なんかドキドキする・・・
「お待ちしておりました。道中よろしくお願いいたします」
「こちらこそ、よろしく頼む。それと、モートの居場所が分かる様なら、道中で会いたい」
なんだ?何の用事だ?まさか、何かバレたのか?
「そ、それは、、何故モートさんに?」
「実はな、先日親父にぶっ飛ばされたろ、その後も散々説教されちまってな。カタギの方に助けてもらって、しっかりと礼はしたのかい?金を返して終わりじゃないよ、受けた恩は倍返しで返すもんさ、ってな。だからアイツに会ってしっかりと礼を返したいのさ」
あああ、金は返してもらってないけど、魂もらってます・・・
実際に会ったら厄介なことになりそうだ。
「モートさんは、そんなこと望んでないと思いますよ」
「アイツはなんなんだ?今回の旅だってそうだし、自分の所の人員を割いて、大した商売にもならない俺達の因縁の解決に手を貸す。何のメリットがあって奴は行動してるんだ?」
ラグやエイドリアの因縁というより、後ろに控える美女軍団をだな・・・・
「私からも礼を言いたい。ラグとこうしていられるのも、モートのお陰だからな」
「そうだっちゃ、ウチらも奴隷になっちゃうかもしれなかったっちゃ」
シャルロットとラムラが更にオレへの感謝を表わす。
だから、しっかりとお礼に魂を頂いてます。
「モートさんは、一足先に帝都に向かっています。もし、タイミングが会えば帝都で会えるかもしれないですね」
「なら、早くいこうぜ!」
「出発シヨウ」
アースとセシリアが、もうドアに向かって歩き出す。
「よし、じゃぁ行くか!」
「行きましょう!」
もう旅に出発するようだ。
この店ともしばらくのお別れになるのか。
なんだか感慨深い。
ここで夜、鍛冶仕事をしている時が、一番心安らぐ時だからな。
「では、ソマックさんよろしくお願いしますね」
「気をつけて」
ソマックが朝からギラギラした目で握手をしてきた。
「おいー!オテを忘れてないかー!?」
奥から、ラグ一家の来訪で目覚めたのだろう、オテロクが飛んで来た。
そして、オレの肩の上に止まる。
さて、行こう!
振り返ると、ラグ一家がコチラを見て固まっている。
「ルークなんだそれは?」
「あ、あ、あ、あくま・・・」
全員驚愕の表情だ。
「オテはオテロクだぞ。悪魔じゃなく魔族だ」
全身真っ黒な身体に、真っ黒な羽、顔はサル顔、確かに悪魔らしい悪魔だな。
善なる存在には見えない。
全身黒尽くめのオレの肩に、黒い悪魔。
最悪のビジュアルだな。
「えっと、紹介します。先日のダークサイクロプスから生まれた使い魔、オテロクです。道中は戦闘には役立たないと思いますが、空が飛べて、闇属性も持っていて夜目も利くと思いますので、連れて行けばきっと役にたってくれるはずです」
「オテ、ルークの役にたつぞ。また褒めてもらうぞ」
昨晩の間に、変装中はルークと呼ぶように話しておいた。
しっかり、打ち合わせ通りルークと呼んでくれてホッとする。
ちょっと、オテロクの知能がどんなものか心配だったが、大丈夫のようだ。
「まぁ、見ようによっては可愛いんじゃないか!?」
アースがオテロクに顔を近づけてそう言ってくれた。
なにせ、オレの因子があるからな、そう言われると嬉しいもんだ。
「確かに、空を飛べて夜目が利くとは、道中の野営時には心強いですね」
アイラが微笑む。
「それじゃ、気を取り直して、出発しようぜ!」
ラグの掛け声と共に、俺達は店を出た。




