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商人グレました  作者: モロモロ
第一章 決意までの日々
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決戦準備

いよいよ明日は決戦だ。

流石にぐっすり寝てる場合では無い。

まず、盗品の装備類を仕上げる。

一から作るよりも断然に素早く仕上げる事が出来る。

属性を取ったり付けたり、タガーはレイピアにしたり、両手剣は片手剣にしたり、全く盗品と分からないように仕上げていく。

これはなかなかに楽しい作業だ。

全てが仕入れ値が無くて、売値が全て利益になると思うと、心も弾む。



結局、明け方まで作り続けてしまった。

商人の朝は早い。

もうすぐ、ソマックが来るだろう。

オレは店の入り口近くの物陰で、<潜伏><隠密>を使って隠れると、仮眠をとり始めた。



ギギギギギ


裏口の扉を開ける音で目が覚める。

ソマックが来たようだ。

掃除用具を取り出し、オレの前を通り過ぎると、表の扉を開けて、店の外を掃除し始める。

中に戻ってくると、中も掃除を始めた。商品を磨いたり、陳列しなおしたり、額に汗して商品を磨く姿は商人の鏡だな。

商売が凄く好きなのだろう、今日も目がランランと輝いている。

素晴らしい商人だ。

ソマックのワクワク感がこちらにまで伝わってくる。


どうやら、開店の準備が整ったようだ。

自分の身だしなみを整えると、頬を両手でパンッパンッと張る。

レジ、兼金庫である、レジボックスの鍵を取り出し、今日の釣り銭の準備をしようと、開けたタイミングで、店の入口の扉をバァンと開ける。


「なんだぁ!?風か?」


突然の事に驚いた表情のソマックが入り口まで駆け寄ってきて、表を見渡す。

異常が無いのを確認すると、小首を傾げながら、レジの方へ戻っていく、その背中に青い●「眠」。突き立てる。


ソマックは前のめりに昏倒した。


店の表の扉に鍵を閉め、裏口も鍵を閉める。


まず、レジボックスの中身を全てアイテムボックスに収納。

レジボックスを閉めると、ソマックを、レジの上にもたれ掛かるように、眠らせる。


<アイテムボックス観覧><鍵開け><窃盗>

で、ソマックのアイテムボックスを空にする。

オレ店の資金、ソマックの預金。仕入れた商品。全てだ。


オレの店を見渡すと、全ての商品をアイテムボックスに収納。


 この世界には、銀行というものはあるが、主に別の町の知り合いにお金を送金する機関だ。お金を預かってくれるが、手数料が高いので、だいたいはアイテムボックス内に鍵付きの宝箱を設けるか、魔法がかかった特別な収納箱を家の中に置く貴族もいる。王族ともなれば宝物庫もあるが、一般的には持ち歩く。そもそも、窃盗というもの自体が一般的ではない。


ソマックの衣類も<強奪>しようと、いたずら心が湧いたが辞めておく。

やりすぎはいけない。

 麻痺にして、ソマックに商品が一つ一つ消えていく光景を、泣き叫ぶ姿を見ながら窃盗するという方法も考えたが、そこまでしたら、もうソマックは商人として立ち直れなくなってしまうだろう。


これでも十分にトラウマになってしまうかもしれないが、オレは優しいからなフォローしてやろう。


商品が何もない店内は、やけに広く感じるな。


店の表口の鍵を開けて、裏口から出て行く。


ソマックは、驚くほど大量の回復剤各種を取り揃えていた。

大きな争いというフレーズから、高値になると思ったのだろう、秘薬やスクロールなども大量に仕入れている。こういう1を言えば10を知るような柔軟性がソマックにはある。本当に素晴らしい。

どういうルートで、こんなに大量の品を仕入れたのかは、か分からないが、恐るべき商才だ。


オレは、何か、将来の心配事が一つ減った気持ちになって、心軽やかに、メルロの元に戻った。

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