魚捕り
オレとキャンは洞窟の隙間にいる。前にはオデロン。
「いいぞー」
ドカーン ドカーーン
「いでぇ!」
爆砕された石つぶては、オデロンの背中に数個当たったようだ。
「キャン。ヒールを」
キャンに支持する。
「ヒール」
「あで?痛いの消えた」
「お前の前の少女が治してくれたんだぞ。名前はキャンだ」
「キャン。ありがと、この娘めんこいな」
「だな」
俺達はドラゴンの洞窟に来ている。
いろいろ考えたが、一番この洞窟が、秘密が漏れにくく、なんだかんだで、ドラゴンも話せば分かってくれるような気もする。
キャンは、来る途中に水浴びしてきた。(覗いてないぞ)
血が流れた素顔は、華奢な身体に、目がギラギラと力強い、エネルギッシュな可憐な少女だった。オデロンもめんこいと言うほどだ。確かに将来は美人になるだろう。
「とりあえず、オデロンはここで待っててくれ」
「オデ、待つ」
「覗いちゃダメだぞ。ちょっとビックリするから」
「分かった。オデ覗かない」
オデロン来ると話がさらにややこしくなりそうだからな。
オレとキャンでまず、話そう。
また問答か。ドラゴンちょいウザだな。
「こんにちはー!ラングロング元気そうだな」
「なんだ、その声はモートか、だんだん馴れ馴れしくなってくるな。この間とは容姿が違うが、やはり妖かしだったか」
「いやいや、変装してるだけですよ。今日は、一つ良い話を持って来ました」
ゴッゴッ
「その娘が関係するのか?」
「関係してきます」
「そうか、話してみろ」
「まず、この洞窟の入り口を警護する強力な用心棒を連れて来ました」
「なんだ?いないじゃないか?まさか、この娘が?」
「いや、今は表で待ってもらっています」
「そうか、では、この娘はなんだ?」
「この娘の事はのちのち話ます。まずは用心棒に報酬を」
「何を欲する?」
「魚を下さい」
ゴッゴッゴッゴッ
「魚?ワシが捕って食ってるものでいいのか?そんなもので良ければいくらでも良いぞ」
「ありがとうございます。そこで、この少女にも、その魚を分け与えてやって欲しいのです」
「この娘にか?人間は信用ならん」
「私も人間です」
「馬鹿な。人間はドラゴンなどとは喋れんよ」
相変わらず人間だとは思ってくれてないらしい。
「一応、治癒の魔法が使える人間なので、ちょっとした怪我なら治せます」
「まぁ、お前にはいろいろと借りがあるからな」
ゴッゴッゴッゴッゴッゴッペキッ
「キャンという娘です。よろしくお願いします」
「まだ、ここに置くとは言っていない」
ペキペキペキ
驚くべき光景に、オレは固まる。
異常を感じたラングロングがオレに話しかける。
「モート?なんだどうした?」
オレの視界に殻から出てきた、4mはあるだろうデッカイドラゴンが動いている。
「う、うしろ」
ラングロングの後ろを指す。
「ん?おお!生まれたか!」
歓喜の声。
「お、おかあさん?」
「そうだ、私が偉大なる母。ラングロングじゃよ」
「パパ?」
「いや、オレはモート」
「ママ?」
「そっちはキャン」
「モートパパにキャンママだね」
「イヤ、だから違うし」
「モート。もう遅い、ドラゴンの出生に立ち会ってしまたのじゃ、お前もせいぜい父親としての責務を果たせよ」
「ちょあjhfjfふぁhgろぱrh」
「どうした?」
また面倒くさくなってきたぞ。
なんだよ父親の責務って、まだ結婚もしてねぇぞ!
「とりあえず、キャンママはここに置いていくわ。よろしくな」
「分かった。この子の名は、カイエントとする。よろしく頼む」
「了解。さっそくで悪いが、カイエントと、キャン、そして用心棒の為に、魚。いいか?」
「ああ、そうだったな。では、ちょっと行ってくる」
のそのそと崖っぷちまで移動すると、ラングロングは、崖から落ちるように滑空して海に突っ込んでいった。
さて、オレはキャンに説明だ。
ドラゴンにビビって、硬直しているキャンに話しかける。
「おい、キャン」
「は、はい。ルークさん」
「お前、あれ何だか分かるか?」
「ドラゴン。ですよね?」
「そうだ。ただのドラゴンじゃないぞ、古代龍だ」
「ドラゴンの出生に立ち会うとか凄い経験しちゃいました」
「凄いとか感心してる場合じゃないぞ。俺達は立ち会ってしまったことで、どうやら子ドラゴンに親と勘違いされちまったらしい、オレは忙しいからここを去るが、お前には、さっきの親ドラゴンのラングロングも、この子ドラゴン、カイエントも優しくしてくれるだろう。表のダークサイクロプスも、手出ししないはずだ。オレが帰ってくるまで、仲良くしててくれ。とにかく、カイエントの親として立派にやってくれ」
「私、まだ18歳で結婚もしてないんだけど!」
オレは、今、キャンが18歳というとの方に完全に意識が向いちまってる。
どう見ても、14歳ぐらいなのだが・・・
手足が華奢だから幼く見えるのか?
「オレも結婚してないが、カイエントはオレの事も親と思ってるらしい、お前も諦めるしかない」
「仲良くと言っても、食料は魚をドラゴンが捕ってきてくれる。最初のうちは、カイエントも飛んだり、狩りをする上で怪我もするだろう。ヒールとか、お前のもってる能力で3匹を手助けしてやってくれ」
「他に頼れる所もありませんし、さっきの洞窟で死んだつもりになってやってみます」
キャンはちょっと考えた後に決意した表情で言い切った。マジで凄い意思力だな。
バッサァァァッァァ
大量の海水と共に、4m級の魚から小魚まで大量の魚がラングロングと一緒に着地。
「ほれ、捕ってきたぞ」
「うお!!大量だなぁ」
「空からは魚が丸見えだからな、魚群に突っ込めば一発だ」
「凄いな。これは凄い。じゃぁ、用心棒を呼んできます」
オレは、洞窟の中に入って、オデロンと話す。
「オデロン。待たせたな」
「オデちゃんと待った」
「おお、偉いな」
「オデロン、いよいよ美味いもの食えるぞ」
「美味いもの好き」
「これから洞窟の外に出ると、お前の何倍もデカイ、ラングロングってドラゴンがいるけど、そいつが捕ってきた「魚」ってやつが美味い、ドラゴンは見た目怖いけど、優しいやつだから仲良くな」
「オデ仲良くする」
「よし。じゃぁ入るぞ」
オデロンを伴って洞窟から出る




