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商人グレました  作者: モロモロ
第一章 決意までの日々
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活火山

 メルロの宿への道すがら、生き残った30人が泣いたり叫んだりと、亡くなってしまった仲間を思う気持ちが聞こえてきて、なんか凄いチクチクっと罪悪感が湧いた。

 いやいや、ドラゴンに挑むとか、自殺行為だから、オレもメルロの装備品チョコチョコっと盗んだだけだし、1000万ドラン盗んだ時点で、他の装備品については、オレ少ししか盗まなかったよ。オレの窃盗は関係無いよな?あったとしても、非常に微々たるもんだよな?

 戦闘中に、前線で焼け焦げた死体を見ても、なんか興奮状態だったのか、なんとも思わなかったけど、こうやって仲間の死を痛む声をダイレクトに聞くとちょっぴり罪悪感だわ。

 結果的に、フィールドヒールとオレのハッタリで30人だけでも救い出したんだもんな。

オレ偉い。オレ凄い。オレ賢い。オレカッコイイ。オレヒーロー。

念仏のように自画自賛して、自分の気持ちを奮い立たせよう。

 罪悪感さようなら。高揚感こんにちは。



隣町メルロの館に到着すると、めっちゃ豪華なお部屋に通されました。

赤い絨毯に、黄金の戸棚。座らされたソファーはフッカフッカの獣の毛で作られている。座って正面には、ギガントキルタイガーのドデカイ頭部の剥製が口を開けてこちらを食い殺そうと睨んでくる。対面のソファーにはメルロがどっしりと座っている。この状況でオレめっちゃ萎縮してます。この内装、普通の冒険者とは思えない。商人でなくても分かるだろう、これだけの財産を稼ぎだすのは、並の冒険では稼ぎ出せるものじゃないということが。


「ルークとやら、改めて礼を言おう。冷静になって振り返ってみても、今回の戦闘、30人もの生還者を出せたのは、お前のお陰だ。ありがとう」

「い、いえ。偶然助けられただけです」

「謙遜するな。褒美は何が欲しい?」


さっきから、メルロの組んだ脚が悩ましい。

対面ソファーでその格好は卑怯ですよ。

改めて近くで見るともの凄い美人だ。

戦闘中で汗と泥にまみれてたスッピン状態の時でも美しかったのが、館に帰ってきて、こうやってお化粧をして服装も紫のセクシードレスだと、オレが転生前の世界にいた好きだった女優さんでも、全然敵わない程の美人だ。

 背中がざっくり開いたドレスから、黒い羽がピョコピョコ動いてるのが、ちょっと可愛い。


「褒美はあなたの身体で」


普通に、発言したい。お願いしたい。ヘタレだから、そういう事は言えません。代わりにオレの口から出てきた言葉と言えば。


「あの、えっと。。。」


自慢じゃないが、こんな美人と2人きりで話した事なんかないからな。この雰囲気に完全に飲まれてる。転生前、転生後含めて37年間、女性と二人きりでこんな風に話したことなんて無いからな。商売上で、商人スイッチが入りながら、ビジネス的に話したことはあっても、こうやって向かい合わせて二人共座って、見つめ合いながらお話とか無理です。目線合わせられん。目線を逸らし、下に目線を動かすと、控えめながらざっくり開いた胸元から青白い透き通るような双丘が主張しております。さっきから、この部屋メッチャいい匂いだしな。柑橘系の匂いに近いかな。


「なんだ?緊張してるのか?遠慮せず飲んでくれ」


そう言ってもらって、喉がカラカラなのを実感する。用意されていた飲み物を一気に飲み干す。そして、意識が遠のいていった。あれ??





 なんとなく意識が少しづつ回復する。あれだ、これはきっと睡眠薬のたぐいだったのだろう。

 まさかあのタイミングで睡眠薬とかありえないですよね。

 メルロさん危険すぎます。なんなんだろう。ご褒美もらえると思って、ヒョイヒョイついて来たオレ馬鹿すぎる。

 意識が回復するにしたがって、どうやら、大の字で、手足を固定されているのが解った。

 「身元バレ」「窃盗バレ」「死」それらが脳裏を過る。

窃盗バレについては、今日出てくる前に、昨日の戦利品のほとんどは、店に置いてきたので大丈夫じゃないかと思う。が、最悪のケースは考えて、心の準備はしておこう。手と足を動かしてみる。オレの力ではどうやっても逃げられそうにないほどガッチリと固定されている。


「ん?気がついたの?」


 足元から声がする。メルロの声だ。やっぱりメルロがオレを縛り上げたらしい。これから拷問が始まるのだろうか、なぜあの場にいたのか、なぜ助けたのか、どこで情報を得たのか。

 痛みを与えられたら、すぐにゲロってしまいそうだ。

 爪の間に針を刺すとか、切りつけて死ぬ寸前でヒールとか、この回復魔法がある世界では、オレの想像を超える拷問が待ってそうだ。


「今日も戦闘で生き残れた。還ってこれた。この高揚感、あなたに分かるかしら?」


足元から声が近づいてくる。


「激しい戦闘の後に、眠れない夜を数夜繰り返す。興奮が収まらない。ねぇ、分かる?」


なんとなく分かるけど、これはどういう展開だ?


首をあげ、目線を足元に動かすと、そこには一糸まとわぬ姿のメルロが立っていた。

神イベントキター。

ご褒美転がりこんでキター。

苦節37年。

妖精になりつつあったオレの人生に、今終止符が打たれるのか?

さようなら、マイゴットハンド。

めくるめく世界よこんにちは。


一瞬の想像で、完全に下半身は覚醒してしまった。

メルロの戦闘で引き締まった身体が眩しい。


「あらあら、元気ね。エルフは若くても淡白なイメージあったけど、あなたは違うようね」


言葉と共に、オレの下半身がむき出しにされていく。

ありがとう神様。

やっと陽の目を浴びることになりました。

休火山が活火山へと変わります。


そして、メルロがオレの胸の上にまたがると、オレを見下ろしてくる。

全て丸見えですよ。無修正ですよ。ああああ。


噴火。


「ちょ。え?もう?」


ああああ。

イベント終了。

37年の蓄積されたエナジーは噴火を堪え切れませんでした。

でも、イイモノ見れた。

大満足だ。


「しょうがないわねぇ」


うん。

もうなるようになろう。

活火山。まだまだ噴火したりないようです。







 拘束を解かれた後も、全力を尽くさせて頂きました。

 37年間の想像の中だけのエネルギーを全て受け止めてくれたメルロたんに感謝。序盤ノリノリだったわりに、最後のほうは、チョットぐったりしてたけど、休火山を活火山にしてしまったのだからしょうがいない。

 なんだろう、世界が変わって見えるね。

 今まで、いつ経験無いことを馬鹿にされるかとか、実際に経験する時に、緊張で使い物にならなかったらどうしようとか、多種多様な想像をふくらませてきたけど、終わってみれば、すべては思い過ごしだったと思える。

 夜が明けてきたのか、外が明るくなってくる。

 メルロたんは、ぐったりと寝ている。寝顔凄く可愛い。

 この小さな身体の何処にあの苛烈さがあるのだろうか。青白い肌が、興奮するとほんのり赤くなるところは本当に愛おしい。



もうメルロたん以外見えません。

ああ、メルロたん大好きだよぉぉ。

ペロペロ。


多幸感ってこういう感じなんだろうな。なんて思っていると。


ドドドドドド


っと誰かが、駆けてくる音、そして、バンッと扉が開かれる。


「失礼します。親方さま大変です!」

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