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私の能力は『以心伝心』全部丸聞こえですわ。【第1章100話完結済】  作者: 黒砂 無糖
初めての学園生活

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勇者パーティーの賢者

見つけてくれてありがとうございます。

更新は不定期になります。出来る時に頑張ります

 アルゼに訪ねてきても良いと念話で伝えた後、自室でゆっくり読書しながら待っていたら、部屋の扉がノックされた。


「ツァオバライ商会の、アウスヴェーク様がお越しになられました」


 ソフィアが出迎えてくれたようだ。


「はい、どうぞお入りになって?」


 カチャリと扉が開くと、ソフィアがアルゼを伴って部屋に入って来た。


「来てくださってありがとうございます」


 一旦ご挨拶は必要ね?


「お招き頂き、ありがとうございます」


 アルゼは丁寧に礼をした。


「アルゼ、堅苦しいのは嫌よ。座って」


 初めから、立場などの面倒事は無しだ。


「……ありがとうございます。ツァオバライ商会をご利用頂きありがとうございました。こちらが商品になります」


 アルゼは机の上に、綺麗な布が貼られたクッションケースを開いて置いて見せた。


 中には、購入したバングルが入っていた。


「ありがとう。届けてくれて助かったわ」


 アメジストのバングル、やっぱり素敵だわ


「ありがとうございます。こちらはシュピネル様へ、私の救助にお力添えを頂いた感謝の贈り物になります。お納めください」


 見せて貰った、ライラック色の魔導メモだ。


 ——嬉しい。早速明日から使おう。


「素敵な贈り物をありがとう。本当に嬉しいわ。明日から使わせて頂くわね」


 一旦受け取り、ソフィアに渡した。


 明日使う事を伝えたのて、彼女はその二つをライティングデスクの上に置きにいった。


「お気に召して頂けたなら幸いです。そしてこちらは先日助けて下さった、ソフィア様へのお礼になります。お納めください」


 アルゼは今度、長細いクッションケースを開き机の上に置いた。


 中には、私が選んだ深紅のペンダントトップのネックレスが入っている。


「まあ……ティト様の瞳の色ですわ。こんなに素敵な物……私などが本当に頂いてもよろしいのでしょうか?」


 ソフィアは、恐縮しながら私に尋ねてきた。


「それ、通信の魔導具なんですって」


 魔導具であることをソフィアに伝えると


「そんなに高価な物を頂くほどの事、私はしておりません!」


 ソフィアは慌てて覗いていた姿勢を戻し、

 頭を下げてしまった。


「ソフィア様、受け取って下さいませんか?今、ここにいられるのも、ご対応下さったソフィア様のお陰なんです」


 アルゼがソフィアを説得しているが、このままでは、時間がかかるだろう。


 こちらも時間がないわ


「ソフィア、あまり主人に恥をかかせないでくれるかしら。遠慮し過ぎると返って失礼ですわ」


 私がピシャリと言い放つ事で、無益なやり取りに終止符を打つ。


「ティト様、申し訳ありませんでした。アウスヴェーク様、謹んで頂戴致します」


 ソフィアは恭しく手に取り、胸に抱いた。


「ソフィア、少しアルゼと二人で話がしたいから、席を外して下さい」


 ソフィアは頭を下げて了承し、静かに部屋の外へ出た。


「ティト様こちらを利用しても良いですか?」


 アルゼが、スイッチのついた小さな箱を取り出した。


「これは?」


 ただのスイッチの箱だわ。


「空間防音装置です」


 ——普通はこの型なのかしら?


  気になるけど、聞くのはまたにしましょう。


「どうぞ」


 了承すると、アルゼはスイッチを押して防音を発動した。


「お時間頂き、ありがとうございます」


 開口一番から、硬いわね?


「いいの、気にしないで。アルゼ硬いわよ」


 私はちょっと拗ねてみた。


「私の立場的に、仕方がないのです」


 アルゼは自分の事を話してくれたけど……


 私はちゃんと彼女を知りたくて、ズルをして、能力を使って心の声も聞いていた。


 「私は、勇者召喚で魂だけが転移した元日本人です。前世の記憶はありますが、自分の事を含め人間関係はすっぽり記憶がありません」


 え?人間関係の記憶がないんだ……


「ある日、天啓で勇者パーティーの魔法使いだと聞いて、よく分からなくて、それは隠して生活していました。能力は『真実の瞳』です」


 ——『真実の瞳』それが魔眼なのかしら?


「私は、アウスヴェーク家の養女です。当主が、魔力の能力が高いと、私を引き取りました」


(実際は平民との間に出来た子ですが、世間体が悪い為、養女というにしたのよね)


 ——うわぁ、貴族社会闇深いわ……


「当主は、ナトゥーアのハーレム出身の妻との間に息子がいます。義兄は、ヴァルド王国特殊部隊の大魔導師、ペリル・アウスヴェークです」


(異母兄様は私は比較にならないほど違って優秀なのよね……)



 ——ちょっとややこしいわね


 特殊部隊の大魔導師ってかなり有名よね?


「私は養女に迎えられてからも、なかなか貴族には馴染めずにいるのです」


(信用されてないから、アウスヴェーク家に、不都合な事がない様に、陣も刻まれたわ)


 陣を刻むって……ちょっと不穏だわ。


 でも、あまり余計な事は言わない方がいいのかしら?


「勇者召喚はさておき、アルゼは、実子である事は大魔導師のお兄様には明かさないの? お兄様は立派な方なんでしょ?」


 いくら母が平民とはいえ……


「……ティト様、私の思考を読みました?」


 アルゼは不服そうに目を細め、こちらを見てくる。


「だって……アルゼ全く心開いてくれなそうだったから、ちゃんと知りたくて」


 ——だって、仲良くなりたかったんだもん。


「はぁ、分かったわ。ちゃんと喋るから心は読まないで。でも、他の目がある場では無理よ? 一度言葉を崩すと治しにくいんだから」


 アルゼは渋々ではあるが、楽にしてくれた。


「アルゼだって、その方が喋りやすいでしょ?丁寧過ぎると意思の疎通が難しいわ。私も前世絡みなら喋り方を変えたいもの」


 私だって、釣られちゃうのよ?


「まあね? で、とりあえず一旦、神の啓示の話を進めるけど、私の魔眼がティト様は、転生者で、勇者パーティーの賢者だと言ってるのよ」


 うん? 賢者って何すれば良いのかしら?

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