↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私の能力は『以心伝心』全部丸聞こえですわ。【第1章100話完結済】  作者: 黒砂 無糖
初めての学園生活

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
43/150

最初の授業は国の特徴

 キラキラとした無垢な瞳は断り難いわ。

 

 ——実際は何を考えているのかしら?


 私は、スイッチを入れて2人の声を聞く。


(妖精姫は、制服を着ていても可愛らしいわ!あぁ、私の全力でご支援させて頂きたいです)


 ダリエは本当に妖精姫って呼んでるわ……


(あ、でも私の支援など、あの方達に比べたら足元にも及びませんわ……ロアと2人で、侍女にでもなろうかしら?)


 待って、おかしいわよ? お友達よね?


(この先、ずっとティト様のお側に侍りたいけど、どうしたら、ダリエと私を必要としてくれるかしら……侍女にでもなればいいかしら?)


 ロア、あなたまで……


(学園終わったらティト様は……あ、そうよ!アズール様とお似合いでしたし、あの方と一緒になるなら、侍女として働けないかしら?)


 私はそっと目を伏せ、スイッチを切った。


 なんだろう?この二人……


 ——ソフィアと同じ空気感があるわ

 

 シュト兄様とも、仲良くなれそうだわ。


 ……お願いだから、お兄様にだけは近寄らないでください。


「……2人が良いならティト様でいいです」


 私は、なんだか恥ずかしくて居た堪れずに、目が潤み頬が赤くなってしまった。


((か、可愛らしいですわ!))


 おお、貫通してきたわ? そんなに?



 ***



 私は昔から「可愛い」と言われている。


 ただその可愛いは、女性的な物じゃない。


 ハムスターやリスとか、小動物に対して人が感じる庇護欲なの。


 ——ペットとしての扱いに近のよ。


 見た目は、丸くクリっとした大きな深紅の瞳に、鼻は小さくあまり目立たず、口元は口角が常に上がり、いつもご機嫌に見えるらしい。


 ——パーツのせいだけじゃないわ


 身長は1年の眠りの影響で、平均より低い。


 手も小さく短いせいで、一段と小動物感を強めているのよね……


 紫黒の真っ直ぐな髪は、毛先に向かうほどラベンダー色になるけど、癖がつきにくいし。


 ——ふわふわに憧れるのよね


 色味だけ見ると、魔族のような強キャラ感があるのに、顔の配置と骨格のせいで、合わさるとマスコットかキャラクターだ。


 ——ちんまりとした印象なのが不満だわ。


 一見、チヤホヤされているけど、私と相対すると、見た目と性格も相まって……


 庇護欲が刺激されるのか、会う人はみんな、ペットを溺愛している保護者のような感覚になってしまうんだもの。


 ——まるでペットかおもちゃの扱いよ?


 構われ過ぎて不機嫌になっても、お母様の教育のおかげで、礼儀正しく育った私は、ちゃんとお礼もするし、何なら感謝もする。


 ——八つ当たりなんてしないわよ?


 私のぷすぷすした気持ちは、自分の不甲斐なさに対してだから。


 それに気付いている周りは、そんな私を見ると、只々微笑ましくなり、庇護欲は高まり、更に愛玩動物化が加速していくの。


 目の前の2人の令嬢は、今は見た目に囚われているようだけど、きっと彼女達は……


 ——まさか、私の迂闊さに気付いている?


 2人とは仲良くなれるのかしら?


 これ以上、保護者が増えるのは……


「ティト様、お昼はどうなさいますの?」

「もしよろしければ、私とダリエと共に、ご一緒出来たらと思っているのですが……」


 ひとりで悶々と思い悩んでいたら、2人は伺うように尋ねてきた。


 ——今日は無理だろうな


「先程、アズール様が後から迎えにくると言っていたので王子達と一緒だと思うわ……誘って頂きありがとう。お気遣い嬉しいわ」


 きっと誰かが連行しにくるのよね……


「王子達……そうですよね。お気になさらず、またご都合が合えば、ぜひぜひ、一度私達にお声をかけて下さいね?」


 嬉しい念押しをされてしまったわ?


「ありがとう。その時は、ぜひご一緒して下さいね?」


 首を傾げて「ねっ?」とこちらも念押ししたら、両サイドが悶えている。


 ——やっぱりペット扱いよね


 やれやれと思っていたら、教壇に先生が入って来た。今から授業が始まるらしい。



 ***


 

「初めての授業は、学園とこの国の在り方だ」


 先生が学園の資料を配ったので、それを見ながら話を聞いていく。


「授業は基本的に、午前と午後の2部制で、途中昼休憩が入る。途中退席は可能だが、単位が足りない者は、長期休暇に補填をするからな」


 先生の説明を聞きながら資料に目を落とした。


「ゴルド学園の基礎学問は、歴史、語学、数学、地学、薬学、魔法学だ。基礎学問だけ受講して卒業する者もいるぞ」

 

 他は希望制で、専門分野の学びなんだ……


「専門分野に於いては、専門の知識と能力が高い者から、学園が斡旋するぞ。評価が高い者ほど希望が通るからな。では、教科書開いて」


 教科書を開いたら、1ページ目に


 『ゴルドファブレン王国は学問と研究の国』


 と、大きく記載されていた。学園都市と呼ばれる事もあるらしい。

 

 先生曰く、各国から人を集め育成し、希望に応じて各国に斡旋しているそうだ。


「教師陣は、様々な分野における有力者が国を跨いで、交代で来校し教鞭を取る事になる。だから内容はかなり充実しているぞ」


 この先生も、何か能力があるのかしら?


「国の成り立ちに行くぞ。地図を見てくれ、ここからここの、アレキサンドル山脈に連なる5国は、元々は一つの大国だったんだ」


 家庭教師から教わったことと一緒ね。


「当時の国王は、生まれてきた5人の王子の能力を把握して、見合った土地を切り分け与え、それぞれの王子が国を起こしたんだ」


 国同士今も互いに協力関係にあるのよね?



 「資料を見てくれ。連なる5国は……」


 資料には、それぞれの国の特徴が、簡単に記されていた。



 ▪️ゴルドファブレン王国

 学問と研究の学園都市

 土地が豊かで人材育成に力を入れている。


 ▪️ヴァルド王国

 癒しと治癒の国

 貴重な薬草が育つ。

 各国に冒険者ギルドを設置

 ギルドを通じ、癒しを届ける。


 ▪️フェルゼン王国

 軍事国家

 魔族の国と隣接し常に警戒している。

 国民は兵士か冒険者。


 ▪️ヴィント王国

 魔導師国

 魔道具の生産国

 各国に魔道具を卸している。

 国民はほとんどが魔導師。


 ▪️ナトゥーア

 自由と芸術の国

 芸術や娯楽で各国に遠征し届ける。

 巨大なハーレムがあり美男美女しかいない。



「それぞれの国の特色はかなり強いから、後半のページに細かな特徴もあるからしっかり覚えておくように。テストにも出るからな」


 ——興味のある国を調べるのは面白そうね。



 カラーン カラーン カラーン



 授業の終わりを知らせる鐘の音が聞こえた。


 途中で小休憩は挟んだけれど、集中していたからかな?


 昼休憩の時間まであっという間にだったわ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。