ご飯の調達っ!!
チュンチュンと小鳥の囀ずりが聴こえる中で、メアは朝を迎えた。
カーテンの隙間から漏れる陽射しが優しく部屋を包み込んでいる。
年季の入った古びた建物の中だろうと、太陽の光は皆に平等に照らしてくれている。
「メア、おはよう」
「お母さん、おはよう」
あれから二度寝したメアは、その後の襲撃をホークさんたちに任せっきりにした。
おかげでグッスリ眠れたメアは、大好きなお母さんに包まれながら何事もなく目を覚ます。
自分がゆっくり眠れたという事は、あれから大した襲撃は起きてないという事だ。
もし何かあれば、私が起こされてるはずなのだから。
「メアちゃん、おはようっ!」
「おー、ようやく目が覚めたのか」
「王妃様、おはようございます」
なんか一名、堅苦しい人がいる。朝っぱらから突っ込むのはしんどいんだけど……
この3人、帰る気はないのだろうか? もう手遅れなのかな?
ホークさんやレッドさんは別にいいとして、マリーさんは受付嬢の仕事、どうするんだろう??
「マリーさん、ギルドの方には行かなくていいの?」
「ああ、暫く休暇を貰いますって言ってあるから、大丈夫ですよ!」
なんでも自分が今戻ればギルドに迷惑を掛けるのだとか。
まあもうマリーさんも領主からブラックリスト扱いされてるだろうからね。
なら此処に居た方が良いのか。
私はアイテムボックスの中からパンなどを取り出し、教会の中にいるみんなに配る。
一度、食糧を補給しに行かないといけないなぁ……
どうせなら布団とか、家具とか、服も買った方がいいよね?
お金ならいっぱい貰ってきたから、今ここで惜しまず使わないと!
「「「朝からご飯が食べられる! わーい!!」」」
この子供たちを飢え死にさせるわけにはいかない。
着ている服とかもボロボロだ、なんとかしてあげなきゃ。
「マリーさん、ご飯を食べ終わったら買い物に行くよ! 高い所は大丈夫?」
「買い物に行くの? 分かったわ! でも高い所って??」
・
・
「メアちゃん、高い高いっ! ちょっと~!!」
「あははっ、風が気持ちいいね、マリーさん!」
現在、お空の散歩中。横切る風を追い越して、青空を駆けて行く。
雲を抜けて、太陽の光を溢すことなく受けて、視界はどこまでも青く。
地上の方では町が小さく見えて、その全体像が絵のように浮かび上がっている。
「こうして見ると、この町も結構大きいんだね」
中心地の雑多な町並みに、そこから離れた場所には畑の一面、池や川なども流れている。
少し遠い場所には湖や、小山などもあって、そして雄大な自然が広がっている。
この景色を眺めていれば、小さな些細な事なんて吹き飛んでしまう気持ちになる。
「マリーさん、方角は合ってる?」
「はいっ、隣の領地の街まで、このまま真っ直ぐです!」
翼を広げて、マリーさんをお姫さま抱っこして、遥か高く遠い空を目指して飛翔して。
隣の領地にまで行けば食糧の調達は幾らでも出来る。
お金は沢山あるし、アイテムボックスは収納無限だ。
布団や服や日常品など必要な物は全部買って行くよ!
雲の下では街道が見えてて、門番が置かれてるのが分かる。
あれを宛にして、私達を外に逃さないつもりでいるなら非常に残念な事だ。
私は空を翔べるし、門番なんか関係ない。
その気になれば領地を脱出なんて何時でも出来るのだ。
きっと彼処の門番さんは、私達の姿などを逃すまいと必死に探している事だろう。
ご苦労な事だ。いっそ帰りは逆側の門番から入って、ただいまと言って驚かせるのもいいかもしれない。
そんなイタズラ心がつい芽生えてしまう。
「メアちゃん、隣の街が見えてきましたよ!」
隣の領地までは馬車で2、3日掛かるそうだ。
だけど航空飛行の旅なら、日帰りで往復が出来るよっ!
旅行会社を立ち上げられるね。運航は気まぐれで!
「マリーさん、少し離れた誰も居ない場所に降りるよ!」
「了解っ、メアちゃん。空の旅、とっても楽しかったわっ!」
教会にはホークさん達がいるし、子供たちも何だかんだ頼もしい。
お母さんを残して来たのが少し心配だけど、彼等ならきっと大丈夫だ。
私達は食糧を買い込む事に意識を向けていればいい。
地面に着地し、翼を畳んでアイテムボックスにそのまま収納する。
隣の領地に到着だ、目の前には大きな街がある。
お金は沢山あるから、いっぱい買い占めしよう!




