11話 努力は報われるとは限らない
テストの出来は個人的にはできた方だとは思う。朔夜に教えてもらったところもできたし、必死に覚えたものも書けた。特に苦手な数学も初めて空白を作らずに時間内に終えることができた(見直しはできなかったが)。
そして翌日、テストの返却日がやってきた。
「えぐい、心臓が飛び出る」
「落ち着け新、ひっひっふーだ!」
「違くない?」
慶樹に言われた通りにひっひっふーをするとだいぶ落ち着いてきた。学校に登校した後の朝休み、SHRが始まるまで会話をする。テスト期間中はあまりこういうのができなかったので少し嬉しくなった。
「はーい!みなさん席について下さーい!」
早苗さんがきた。つまりこれから始まるのはそう、
体育祭への参加権をかけたテスト返却である。1つでも赤点を取ればゲームオーバーである。大丈夫、絶対に大丈夫、なぜなら今日は登校した時に近くの神社に寄ってなけなしのお小遣い(1000円)を捧げてお願いをしてきた。なので絶対に大丈夫なのである。
しかし心臓の鼓動は不安を煽るように早くなる。落ち着け俺、大丈夫だ俺。早くテスト返却始めてくれ早苗さん。
「ではまず、赤点を取った人を発表しまーす!」
やばい、早苗さんがここにいる生徒の精神を破壊しにきている。どうやら今日の早苗さんは敵のようだ。
「なんと!赤点の人は...」
教室は静まり返り、クラスメイトの息を呑む音が聞こえる。俺と同じ様に手を握って願ってる人もいる。おい誰だ、そこでぐうすか寝て余裕ぶっこいてるやつ、ぶっ飛ばすぞ。そして早苗さんが口を開く
頼む
「いませんでしたぁーーーー!!!!!!!」
ワアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!
途端にブチ上がる教室。咄嗟に朔夜の方を見る、そして目が合った。涙を浮かべて駆け寄ってくる彼女の姿を目の前に、俺も思わず声を上げた。
「よっしゃあああああ!!!!!!!!」
P.S.
あまりにも騒ぎすぎて、隣のクラスの先生に怒鳴り込まれたことを俺は忘れない。周りに迷惑はかけない様にしよう。
―――――――――――――――
「はい、新くん!よくがんばりました!」
早苗さんからテストを受けとり席に戻る。そして4人で一斉にテスト結果を見せ合った。
「「「「せーの!」」」」
新 慶樹 朔夜 凪
国語 32 51 75 38
数学 30 40 77 35
英語 35 55 71 32
理科 31 52 83 100
社会 40 48 80 36
「新お前赤点ギリギリじゃねえか!よかったなほんと!」
「全部朔夜先生のおかげです!」
「凪も理科100点じゃん!すごっ!」
「当然」
「でも英語と社会は新に負けてるけどな」
「それは何かの間違い、解答用紙見せて新」
「失礼!」
こうして初めてのテストは幕を閉じた。
:成果 学力UP↑ 体育祭参加権獲得
―――――――――――――――
「ただいまー!桜姉いるー?」
「おかえり!新くん!テストは...赤点ないのね!おめでとう!」
出迎えてくれた姉に誇らしくテストを見せる。そして姉にも感謝の言葉を伝える。
「桜姉も手伝ってくれてありがとう!」
その言葉を受けた姉はしばしの沈黙のあとに静かに口を開いた、
「...それはね、私が手伝ったからじゃなくて新くんが努力した結果なの。だから1番褒められるべきなのは新くん自身であって、お姉ちゃんにありがとうをいう必要はないわ」
そして少し考え込んだ後に姉は俺にこう伝えた。
「それとね...努力は必ずしも報われるわけじゃない。今回は良かったけど、次も同じ様にやってできるとは限らない。でもね、例え失敗したとしても新くんには家族がいる、今は友達もいる、頼れる先生がいる。だから怯えずに何度でも挑戦してね。」
「...わかった。」
姉から言われた言葉を俺は何度も心の中で繰り返した。この言葉を忘れないために。
「さっ!難しい話は終わり!今日は新くんの赤点回避パーティーだからね!ケーキもあるからはやく行こっ!」
「!!ケーキ!?もちろんチョコだよね!?」
そして家では俺の赤点回避パーティーが開かれた。たくさん食べすぎてお腹を壊し、次の日の学校を休んだのはまた後の話である。
これでテスト編は終わりです。次で新しい章を始めるか1、2話くらい日常回を挟むかちょっと迷ってます。
あと書くの忘れてる(たぶん)と思うので書きます。
姉は熱くなると性格が荒くなります。なので前回の話だと新への呼び方が変わっています。
別に間違えたから後から設定を付け足したわけではないです。信じてください。




