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異世界転「生」できませんでした。-俺YOEEEけどたくましく生きて行きます。-  作者: 六六-B
詩人の湖畔・狩人の水面編

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99/113

3層:昼

ブックマーク、レビューとかしていただけるとやる気に繋がります!本当にお願いします!やる気にね、繋がるんですよ!やる気はやっぱね、出たほうがいいですからね!ぜひね!お願いしますね!!


3層への階段を下りた瞬間、空気が変わった。

湿気が消えた。代わりに、乾いた風が下から吹き上げてくる。

「……なんだここ」

思わず呟いた。

2層までとは、まるで構造が違った。

天井が高い。壁が遠い。中央に、大きな穴がぽっかりと空いている。覗き込むと、底は見えなかった。暗くて、深くて、下からの風だけが存在を主張している。

その穴の縁に沿って、螺旋階段が続いていた。壁側に手すりはない。穴側にもない。幅は二人が並べばぎりぎりという程度の、石造りの階段がただぐるりと下へ続いている。

「足元、気をつけて」

リーゼロッテが言った。

「わかってる」

「私はいいけど、ニッグが」

ニッグを見た。ぎしぎしと関節を鳴らしながら、縁ギリギリを平然と歩いている。

「……お前、もう少し内側を歩け」

「ニ……グ」

「ニッグじゃない、内側だ」

ニッグは特に気にした様子もなく、半歩だけ内側に寄った。

(まあ、いいか)

俺は穴の中を見た。

落ちる、という感覚がなかった。霊体だから当然だ。むしろ、この穴は——

(使えるかもしれない)

そう思いながら、螺旋階段を降り始めた。

───────────────────

【執念深きトオル】

Lv:20

HP:60/60

MP:120/120

───────────────────

───────────────────

最初の気配は、五段ほど降りたところで来た。

風を切る音だった。

「上!」

叫ぶより先に、リーゼロッテが盾になるように体を張った。

上空から急降下してきた鳥が、リーゼロッテの鎧に爪を立てた。金属が軋む。しかし弾かれて、鳥は穴の上空へ舞い上がった。

鑑定を走らせる。

───────────────────

【ケイブイーグル】

Lv:19

HP:???

MP:???

───────────────────

ワシほどの大きさ。暗褐色の羽根、鋭い爪、黄色い目。洞窟に適応しているのか、薄暗い中でも迷いなく動いている。

「螺旋階段じゃ避けにくいな」

「そうだね。足場が悪い」

幅の狭い階段では大きく動けない。急降下されると、真上から来る攻撃をまともに受けてしまう。

「リズが前に出て受ける。ニッグが斬る。俺が仕留める」

「わかった」

ケイブイーグルが旋回して、また急降下してきた。

リーゼロッテが腕を構える。爪が鎧に当たる。その瞬間、ニッグの長剣が唸りを上げた。

翼を掠めた。ケイブイーグルがバランスを崩す。

「今だ!」

───────────────────

【スキル発動:《ダークボール(Lv7)》】

【MP:120 → 117】

───────────────────

直撃した。ケイブイーグルが声を上げて、穴の中へ落ちていった。

「一体」

「まだいる」

リーゼロッテが上を見た。

穴の上空を、複数のケイブイーグルが旋回していた。

───────────────────

同じパターンで、二体、三体と仕留めていった。

急降下してくるところをリーゼロッテが受け、ニッグが動きを止め、俺がダークボールで仕留める。螺旋階段という狭い空間での戦い方が、少しずつ噛み合ってきた。

四体目を倒したところだった。

ケイブイーグルたちの動きが、変わった。

急降下しなくなった。

穴の上空、手の届かない高さで旋回し始めた。こちらを見下ろしながら、距離を保っている。

「……警戒した」

「賢いね」

リーゼロッテが静かに言った。

その時、旋回していたケイブイーグルの一羽が翼を大きく広げた。

風が、集まり始めた。

「っ、来る!」

「伏せて!」

三人が階段に体を低くした瞬間、風の刃が通路を走った。

壁に当たって、石が削れる音がした。

「……ウィンドカッターか」

「上からじゃ、ニッグの剣も届かない」

リーゼロッテが苦い声で言った。

また風が集まる音がした。二羽目が翼を広げている。

「散れ!」

また伏せた。ウィンドカッターが頭上を走る。

───────────────────

【ダメージを受けました】

【HP:60 → 52】

───────────────────

完全には躱しきれなかった。風の刃が霊体を掠めた。痛い、というより鋭い感覚が走った。

(まずい。このままじゃジリ貧だ)

上には届かない。降りてこない。一方的に削られる。

(どうする——)

また風が集まり始めた。三羽目だ。

その時。

(待て——俺、浮けるじゃないか)

当たり前のことに、今更気づいた。

霊体だ。足がなくても浮ける。穴があろうと関係ない。あの高さまで、そのまま上がれる。

(影移動で一気に背後に回れば——)

「リズ、ニッグ、伏せてろ!」

「え——」

返事を聞く前に、俺は穴の中に踏み出した。

足場がなくなった。でも落ちない。そのまま上昇する。

ケイブイーグルたちが旋回している高さまで、一気に上がった。

三羽が、こちらに気づいた。

しかし遅かった。

───────────────────

【スキル発動:《影移動》】

【MP:117 → 107】

───────────────────

影に溶けて、先頭の一羽の背後に一瞬で回り込んだ。

「もらった!」

───────────────────

【スキル発動:《ダークボール(Lv7)》】

【MP:107 → 104】

───────────────────

至近距離から叩き込んだ。ケイブイーグルが声を上げて、錐揉みになりながら落ちていく。

残り二羽が慌てて散る。

しかしもう、上空は俺の領域だった。

「次!」

───────────────────

【スキル発動:《影移動》】

【MP:104 → 94】

───────────────────

───────────────────

【スキル発動:《ダークボール(Lv7)》】

【MP:94 → 91】

───────────────────

二羽目。

最後の一羽が逃げようとした。しかし洞窟の壁が邪魔をした。

───────────────────

【スキル発動:《影移動》】

【MP:91 → 81】

───────────────────

───────────────────

【スキル発動:《ダークボール(Lv7)》】

【MP:81 → 78】

───────────────────

三羽目。

静寂が戻った。

羽根が、ゆっくりと穴の中へ舞い落ちていく。

俺は穴の上空で、しばらくそのまま浮いていた。

下から、リーゼロッテの声が上がってきた。

「……終わった?」

「終わった」

「なんか、楽しそうだったね」

「……別に」

俺は螺旋階段まで戻った。

リーゼロッテが腕を組んで待っていた。ニッグは何事もなかったように前を向いていた。

「行くか」

「ああ」

螺旋階段を、また三人で降り始めた。

穴の底が、少しだけ近くなっていた。

───────────────────

【執念深きトオル】

Lv:20

HP:52/60

MP:78/120

───────────────────

──つづく──

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