魔族ガルム
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先に動いたのはリーゼロッテだった。
地を蹴る音がした。白金の鎧が、一直線にガルムへ向かって突進する。重い金属の塊が、全速力で迫る。
ガルムは動かなかった。
直前、リーゼロッテの拳が炸裂した。
ドゴンッ、という轟音が街道に響いた。
しかし。
リーゼロッテの体が、弾き飛ばされた。
「っ……!」
鎧が地面を滑る。土煙が舞い上がる。
「リズ!」
「……平気」
リーゼロッテがゆっくりと立ち上がった。右腕の鎧にひびが入っていた。
「見えなかった。壁がある」
ガルムの周囲に、黒い魔力の膜が張っていた。薄い。しかし密度が高い。リーゼロッテの一撃を、完全に受け止めていた。
「魔力の障壁か……」
トオルはダークボールを練り上げた。
―――――――――――
【スキル発動:《ダークボール(Lv7)》】
【MP:120 → 117】
―――――――――――
黒い球体がガルムに直撃した。
しかし。
弾けて、消えた。
まるで霧に溶けるように。跡形もなく。
「……魔法が効かない」
ガルムが静かに言った。
「《魔法無効》。我の魔道だ。いかなる魔法も、我には届かない」
トオルは歯を食いしばった。
ダークボール、駄目。鬼火、駄目。祟り、駄目。ソウルタッチも、魔法扱いなら届かない。自分の攻撃スキルは全て魔法系だ。
リーゼロッテの物理攻撃は、障壁に阻まれる。
(詰んでる……)
ガルムが手を上げた。
黒い魔力が集まり始めた。今度は攻撃だ。先ほどの比ではない規模で、魔力が膨らんでいく。
「散れ!」
トオルが叫んだ瞬間、黒い奔流が迸った。
二人が別々に飛び退く。しかし魔力は追いかけてきた。木々を薙ぎ倒しながら、街道を抉りながら、迫ってくる。
―――――――――――
【スキル発動:《影移動》】
【MP:117 → 107】
―――――――――――
トオルは影に溶けて間一髪躱した。しかし奔流の端が掠めた。
―――――――――――
【ダメージを受けました】
【HP:60 → 48】
―――――――――――
(痛い……!掠っただけでこれか)
「くっ──!」
リーゼロッテが正面から受け止めた。
鎧が軋む。足が地面を削る。それでも踏ん張る。
「リズ!!」
「……平気、まだ……っ!」
平気には見えなかった。
自動修復があるとはいえ、このペースで攻撃を受け続ければ限界が来る。トオルには止める手段がない。
もう一手打てないか。
トオルは祟りを試みた。
―――――――――――
【スキル発動:《祟り》】
【MP:107 → 102】
―――――――――――
しかし祟りの波動はガルムに触れた瞬間、霧散した。
やはり魔法無効だ。
―――――――――――
【スキル無効】
【MP:102】
―――――――――――
(全部弾かれる……!)
ガルムは余裕の表情のまま、次の魔力を練り始めていた。
(どうする……どうすれば)
トオルは必死に頭を回した。
魔法が効かない。物理は届かない。
何か──何かあるはずだ。
しかし答えが出る前に、ガルムが動いた。
今度は魔力ではなく、直接だった。黒い障壁を纏ったまま、ガルムがリーゼロッテに向かって歩み寄る。
「騎士よ。その鎧は見事だが──」
ガルムの手が伸びた。
障壁ごとリーゼロッテの胸倉を掴んだ。
「っ──!」
「終わりだ」
黒い魔力が、リーゼロッテの鎧に直接流れ込もうとした。
「やめろ!!」
トオルが飛びかかった。ソウルタッチを無理矢理ガルムに叩き込む。
―――――――――――
【スキル発動:《ソウルタッチ》】
【MP:102 → 82】
―――――――――――
やはり弾かれた。魔法無効。届かない。
―――――――――――
【スキル無効】
【MP:82】
―――――――――――
ガルムがトオルを一瞥した。
「邪魔だ」
空いた手が、トオルに向かって振り払われた。
霊体に直接触れた衝撃が、全身を貫いた。
「がっ──!」
―――――――――――
【ダメージを受けました】
【HP:48 → 28】
―――――――――――
トオルは街道の端まで吹き飛んだ。木に激突する。存在が、軋む。痛い、というより、消えそうな感覚だった。
(HP28……まずい。あと一発まともに喰らったら)
体を起こそうとした。
しかし足に力が入らなかった。
ガルムがリーゼロッテを持ち上げたまま、黒い魔力を高めていく。
(リズ……)
その時だった。
木々の間から、音がした。
ぎしぎし、という、関節の鳴る音。
ぼろぼろのローブが、木々の間から現れた。
土気色の肌。錆びついた長剣。濁った眼。
「ニ……」
低く、呟いた。
「グ……」
その眼が、ガルムを捉えていた。
今まで見たことのない光が、その濁った眼の奥に宿っていた。
怒りとも、悲しみとも違う。
ただ、静かで、深い、何かだった。
長剣が、ゆっくりと持ち上がった。
──つづく──
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