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異世界転「生」できませんでした。-俺YOEEEけどたくましく生きて行きます。-  作者: 六六-B
旅人の辻編

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旅人の辻

再開したけどみんなまた読んでくれるかな…


執筆最後まで続けるモチベください


ブックマークとか評価とかコメントとか待ってまーす


 商都タラリアの中心部は、常に人でごった返していた。

 四方から街道が集まる大交差点。荷馬車が行き交い、行商人が声を張り上げ、子供たちが走り回る。どこを向いても人、人、人だ。

 その真ん中に、それはあった。

 白い大理石でできた玉座。

 周りの喧騒とはまるで釣り合わない、荘厳で静かな存在感。しかし誰も気に留めない。荷馬車はその横を普通に通り過ぎ、子供たちはその周りを走り回っている。

「……ここが、旅人の辻か」

 トオルが呟いた。

「そう」

 リーゼロッテが頷いた。

「エルメシアの霊廟。他と比べると、随分と賑やかな場所だね」

「賑やかどころじゃないだろ。普通に街の真ん中じゃないか」

「エルメシアらしいよ」

 リーゼロッテは玉座の前に立ちながら、続けた。

「旅人の英雄エルメシア。ひとところに留まらず、常にあちこち飛び回っている。そう簡単には出会えない厄介な人でね。次にここに現れるのは何年か経ってから、なんてことも──」

「今すぐってことも、あるよね」

 声がした。

 二人の間を、すり抜けるように。

 気づいたときには、玉座に腰かけていた。

 金髪に褐色の肌。羽のついた靴。そして、悪戯が成功したときのような笑み。

 見た目は十代半ばほどの少女だった。しかし、その目だけが妙に老けていた。何百年も生きてきたような、深くて静かな目だった。

「久しぶりだね、リーゼロッテ」

「……相変わらず、どこから出てくるのか」

 リーゼロッテがため息をついた。

「それがアタシだもの」

 エルメシアは足を組んで、トオルをじろじろと見た。

「へえ。面白い子を連れてきたね。幽霊のくせに人の姿をしてる」

「……見えてるのか」

「アタシにはね」

 エルメシアはにやりと笑って、すっと立ち上がった。

「アタシは手っ取り早いのが好きだ。結論からいこう」

 その声が、不思議と広場に響いた。喧騒の中なのに、よく通る声だった。

「汝らに試練を言い渡す」

 エルメシアは上を向いて、ゆっくりと言葉を紡いだ。

「旅は道連れ、世は情け。『旅人よ、機を逃すな。宝を掴め!』」

 次の瞬間、周囲がどっと湧いた。

「おっ! 久しぶりにエルメシア様の試練だ!」

「嬢ちゃんたち、頑張れよ!」

「去年の試練は三日かかったんだぞ!」

 いつの間にか人だかりができていた。皆が楽しそうに声を上げている。まるで祭りのような雰囲気だった。

 トオルとリーゼロッテは、呆気に取られてその様子を眺めていた。

「……あの、これは」

「さ、ほらほら」

 気づいたら、エルメシアは後ろに回り込んでいた。

 二人の背中を、ぽんと押す。

「もう試練は始まってるよ!」

 振り返ったときには、もういなかった。

 雑踏の中に、羽のついた靴が見えた。

 次の瞬間、それも消えた。

「あ、逃げた!」

 トオルは思わず叫んだ。

「追うよ!」

 リーゼロッテが駆け出す。

 二人は雑踏の中に飛び込んだ。

 ──つづく──

再開したけどみんなまた読んでくれるかな…


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