ばったり
挿し絵のテイストがブレまくっていますが
気にならないですよね!?
いいよね!?苦情きてないもんね!?
このまま徐々にアニメ調に変わっていくかもしれないけど気にしないでね!?
誤りの森へ向かう北の街道。俺とリーゼロッテは、とぼとぼと歩いていた。
「何ヶ月も……歩くのか……」
俺が思わずつぶやくと、リーゼロッテが「いい運動になるよ」と、のんきに返す。
「いや、限度あるだろ……」
そんな会話をしていると、背後からパッカパッカと蹄の音が近づいてきた。
「おい! 魔物か!?」
馬車の御者が俺たちの姿を見て、悲鳴に近い声を上げた。
「冒険者の方々、仕事ですぜ!」
御者が荷台に声をかけると、勢いよく跳ねるようにして三人の冒険者が飛び出してきた。
「出番だな!」
その声に、俺はすぐさま霊力を集中させる。ふりかかる火の粉は、払うしかない。
「殺しちゃダメだよ」
横からリーゼロッテの声が飛ぶ。
だが、次の瞬間──
「……あっ」
三人が声を揃えて立ち止まった。
そのうちの一人、ローブ姿の女性が目を丸くして言う。
「……あの時の鎧さん! と、幽霊さん?」
よく見ると、その三人は戦士の墓の前で出会った、あの冒険者たちだった。
いざこざになりかけたが、リーゼロッテの仲裁で和解し、一緒に焚き火を囲んだ記憶が蘇る。
「なんだ、知り合いかよ……」
俺も力を抜き、剣を納めると、三人もそれぞれ武器を下ろす。
「いやぁ、驚いたよ。まさかまた会えるとは」
鎧を着た青年が笑うと、御者が恐る恐る声をかけてきた。
「え、えーっと、ダンナ?」
「この二人は良い魔物なんだよ。安心してくれ」
青年が言うと、御者は口を尖らせて言った。
「こ、こんな見るからにお化けみたいな魔物たちが……良い魔物……ってやつなんですかい?」
「大丈夫、俺らが保証するよ」
青年が頼もしく返す。
「ところで、こんな真っ昼間から何してたんだ?」
青年の問いに、俺たちは霊廟を巡っていること、次に“誤りの森”を目指していることを話した。
「おお、奇遇だな! 俺たちもパブロビアって国に行く途中で、その近くだよ」
「馬車、空いてるし。よければ一緒に行こうぜ?」
なんて気の良い連中なんだ……思わず涙が出そうになった。
「えぇ!? そんなぁ、そいつらも乗せて行くんですかい!?」
御者がめちゃくちゃ嫌そうな顔をした。
「まぁまぁ、アセノスで荷も下ろしたし、馬車は軽いだろ」
「んぇー……本当に信じていいんでしょうねぇ……」
ジロジロと俺を見てくる御者。
「ま、まぁ……そっちのお化けの方はちょっと可愛いし、乗っけるだけなら……」
「う、うひぃ……っ」
ゾワゾワとした嫌悪感が背筋を走る。女の子って……こんな目で見られてんのか……不快すぎる……。
「あはは、そうそう! 美女二人を仲間に加えるんだ! 断る手はないよ!」
親指をグッと立てるリーゼロッテ。
……その場の男たち全員が「あ、そうか。この鎧も女なんだ」って顔をした気がした。
「ま、まぁ……」
青年が仕切り直すように口を開く。
「自己紹介がまだだったな。俺が“ガルデの戦士”のリーダー、ベリル。戦士だ」
「私はアリア。僧侶よ」
ローブ姿の女性が微笑む。
「この間はごめんね、幽霊さん。なんか……可愛くなったね」
「まぁ、気にするなよ。どっちに関しても……」
俺は視線をそらす。
「こっちの生意気なのがバッツ。偵察とかナイフとか得意なスカウトだ」
「よっ、久しぶりだね鎧のアネさん」
軽く手を振るバッツに、リーゼロッテもひらひらと手を振り返す。
「んで、この御者をしてるのが依頼主の商人、カロンだ」
「あいあい、よろしくなお化けさん方」
「よろしく〜」
そんな掛け声のあと、一瞬沈黙。
……あ、俺たちの番か。
「あ、わりぃ。人と接する機会がないもんで……」
少し気まずく笑いながら、自己紹介を始める。
「俺はトオル。スペクターって種族の魔物で、元は人間だった。訳あって、英雄の霊廟を巡る旅をしてる。無闇に人を襲ったりしない。しばらく、よろしくな」
「そして私はリーゼロッテ。デュラハンの魔物で、私も昔は人間だったんだ。よろしくね!」
こいつ、ほんと根明だな。
「まぁ、こんなとこで立ち尽くしてもアレだ。あとは馬車の中で話そうぜ」
ベリルの一言で、俺たちは馬車の荷台に乗り込んだ。
こうして──
初めて人間たちと共にする旅が、幕を開けた。
つづく
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