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異世界転「生」できませんでした。-俺YOEEEけどたくましく生きて行きます。-  作者: 六六-B
戦士の墓編

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真の霊廟

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挿絵(By みてみん)


 リッチを打倒した静けさが、ダンジョンの第五層《霊廟》に広がっていた。


 「にしてもアンタが俺っ子美少女だったとはねぇ。アタシは私はてっきり男の子だと思ってたんだけど。」


 リーゼロッテがこちらを見ている。頭はないが、確実にニヤニヤしながら舐めるように見ている。


 「いやぁ、俺も男だっ…た、と思うんだけどな…」


 俺はそっと浮かびながら、自分の手元を見下ろす。  白く発光する腕、細く、しなやかで、どこか女性的だ…というか、胸元を見下ろす。慎ましくもしっかりとある、その…胸が。なんか、何だろう…自分の体なのにドキドキする。


(……これが、俺の新しい姿)


 ステータス画面をそっと開いてみる。


――――――――――

【名前】執念深きトオル

【種族】スペクター

【レベル】11

【HP】24 → 37【MP】63 → 83

――――――――――


(スペクターって……やっぱレイスじゃない。)


 男として生きてきた記憶と、今の体との乖離。

 鏡があれば確認できたんだろうけど、この姿が“元の俺”とまるで違うことだけはわかった。


(いや、まあ霊体だし、性別なんて曖昧なもんかもしれないけど……)


「ふぅ。ひとまずこれで全部、終わったわけだ」


 鎧の軋む音と共に、リーゼロッテが振り返る。

 俺もふわりと彼女の隣へ移動した。


「ま、ダンジョンのボスは倒したし……俺の修行目的も、一応達成ってことで──」


 その言葉に、リーゼロッテがふっと微笑む。


「……アンタ、ほんとにそれで満足?」


「え?」


「私がこのダンジョンに入ったのは、別の目的があったからなんだよね」


 彼女は静かに、けれど確かにそう言った。


「……目的?」


「うん。第五層まで攻略すれば終わりだと思ってたでしょ? でもね、本当の目的地は、第四層の奥──ダンジョンスイーパーの向こうにある“真の霊廟”。」


「真の……」


「《アーレイスの霊廟》。私が墓参りに行かなきゃいけない、大事な場所なんだ」


 俺は一瞬、何を言われたのか理解できなかった。


「ちょ、ちょっと待て、じゃあ、俺たち……まだ終わってないってことか?」


「そういうこと。武者修行はここで終わりでも、アンタ、付き合ってくれるよね?」


 そう言って、どこか悪戯っぽく笑う。顔なんて無いのに。


「ま、まあ……ここまで来たんだし、行くしかないよな」


 頷きながらも、俺の中では別のざわめきが生まれていた。

 “墓参り”──そして“アーレイス”という名前。


 なぜだろう、妙に引っかかる。


(アーレイス……何か知ってるような、でも思い出せない……)


 二人は霊廟を後にし、一度降りた階段を再び上がろうとしていた。


──つづく──


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