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異世界転「生」できませんでした。-俺YOEEEけどたくましく生きて行きます。-  作者: 六六-B
詩人の湖畔・狩人の水面編

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スカルナイト

ブックマーク、レビューとかしていただけるとやる気に繋がります!本当にお願いします!やる気にね、繋がるんですよ!やる気はやっぱね、出たほうがいいですからね!ぜひね!お願いしますね!!


スカルナイトが、ゆっくりと剣を構えた。

骸骨の馬の上で、巨体が動く。月明かりに照らされて、白い骨が冷たく光っていた。馬と騎士を合わせて、高さは十五メートルはあるだろうか。湖畔の縁を埋めるほどの巨影が、こちらを見下ろしている。

蹄が、地を踏みしめた。骨と石が打ち合う、乾いた音がした。

「……でかいな」

「うん」

リーゼロッテの声が、いつもより低かった。

俺は鑑定を走らせた。

───────────────────

【スカルナイト】

Lv:???

HP:???

MP:???

───────────────────

(読めない……ユニーク個体か)

スカルナイトが動いた。

骨の馬が地を蹴る。十五メートルの巨体が、一瞬で距離を詰めてくる。

「散れ!」

三人が左右に飛んだ。剣が振り下ろされる。地面が砕けた。湖畔の石畳が陥没して、衝撃波が水面まで広がっていく。

「重い……!」

リーゼロッテの鎧が、振動でぎしりと軋んだ。

スカルナイトはそのまま馬の勢いで通り過ぎ、湖畔の向こうで悠然と旋回した。馬の機動力を最大限に活かしている。突っ込んでは離脱、突っ込んでは離脱。一撃が当たれば終わりの、重い攻撃を撒き散らしながら。

「攻撃を試す!」

───────────────────

【スキル発動:《ダークボール(Lv7)》】

【MP:57 → 54】

───────────────────

兜に直撃させた。

——スカルナイトの動きは、止まらなかった。頭が少し揺れただけで、次の突進の構えに入っている。

「闇属性、効きが悪い……!」

「効いてないわけじゃないけど、こいつのHPじゃ削りきれない」

リーゼロッテが冷静に言った。

ニッグが前に出た。長剣を抜く。ぎしぎしとした動きが消えて、刃が静かに月光を映した。

スカルナイトの突進に、ニッグが正面から踏み込んだ。

剣戟が、湖畔に響いた。

ニッグの斬撃が、スカルナイトの剣を弾く。返す刃で骨馬の足を狙う。スカルナイトが手綱を引いて躱す。剣戟が連続する。火花が散る。

しかし——スカルナイトの剣は、ニッグよりも一回り重かった。

ニッグの剣が弾き飛ばされた。よろめいたニッグの胸に、スカルナイトの剣が叩き込まれた。

ニッグが、湖畔の縁まで吹き飛ばされた。

「ニッグ!」

俺が駆け寄ろうとした、その時。

ニッグが、立ち上がった。

剣を握り直す。濁った眼が、まっすぐにスカルナイトを見据えた。

そして——口を開いた。

「グ……」

絞り出すような声だった。

「グ……セ、イン……」

俺は息を飲んだ。

「ト……」

ニッグが剣を構えた。長剣が、白く光り始めた。聖属性の光だった。月光と混ざり合って、湖畔を眩しく照らしていく。

「スラッシュ……!!」

ニッグが、剣を振った。

白い斬撃が、空気を裂いた。

スカルナイトに向かって、聖なる光が飛んでいく。

スカルナイトも、剣を振った。

闇属性の黒い斬撃が、ニッグの白い斬撃と——真正面からぶつかった。

光と闇が拮抗した。

数瞬。

そして——相殺した。

衝撃波が湖畔に広がる。水面が揺れる。

その勢いで——ニッグの右腕が、ポーンと飛んだ。

肩口からきれいに抜けて、湖畔の石畳の上に、ころころと転がっていった。

ニッグは特に動じることもなく、剣を地面に置いて、左手で右腕を拾った。肩口に押し当てる。ぐちゅ、という音とともに、くっついた。

それから——スカルナイトを睨みつけた。

濁った眼の奥に、確かな殺気があった。

「…………」

「……お前」

俺はぽつりと呟いた。

「今、喋ったよな……?」

リーゼロッテも、鎧の肩がわずかに揺れた。たぶん驚いていた。

「喋ったね」

「ニッグ以外の言葉、初めて聞いた」

「私も」

それだけじゃない。

「しかも、聖属性……?」

ニッグはゾンビだ。アンデッドだ。本来、聖属性は自分の存在そのものを祓ってしまうはずの属性だった。

それを、自分で扱った。

「お前……何者なんだ」

ニッグはそんな俺たちの方を見もしなかった。ただスカルナイトを睨んだまま、足元に置いた剣をゆっくりと拾い上げた。

剣の構えが、さっきより深い。

(こいつ……本気だ)

そして、生前の何かを思い出させる動きだった。

しかし。

ニッグの一撃が相殺されるのを見て、俺は確信していた。

正面からの斬り合いでは、こいつには勝てない。

(弱点を見つけなきゃ、削りきれない——)

俺は意識を集中した。

───────────────────

【スキル発動:《ソウルタッチ》】

【MP:54 → 34】

───────────────────

白いオーラを纏った右手を、スカルナイトに向ける。

巨影の中に、光が浮かび上がった。

——両目だった。

頭蓋骨の眼窩の奥で、二つの白い光が静かに脈動している。他の部分は何もない。ただあの両目だけが、明確に「核」として光っていた。

(あれが弱点だ)

「リズ、ニッグ」

俺は声を低くした。

「弱点が見えた。両目だ」


──つづく──

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