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異世界で無双したいが内容が農業ゲーなんだが  作者: チャンポンサニーレタス
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少し早めのリア充撲滅の日(という名のバレンタインデー)

今日は雲ひとつない晴天日和

今日も今日とて平和だなーとヒロマサが思っていた矢先、大きな音を立ててルイが近づいてきた


「さぁ今年もあの日が近づいてきましたねぇ!」

「いきなり大声出すなよ、心臓止まるぞ」

「ごめんごめん」

「で?あの日って?」

「ふふふ」


ルイがいつ作ったのかわからない長い紙を持ってきた

ヒロマサ「?」という表情をしている中、「デン!」とルイが叫んだと同時に紙を広げた

そこには


「『リア充撲滅の日』…?なんだそりゃ」

「かー!こんなもんも知らんのか!これだから若いもんは!」

「どこにでもいそうな老◯みたいだな」

「それ言ったらいろんなところから叩かれそうだからやめて」

「で?その『リア充撲滅の日』って?」

「毎年2月14日…俺みたいな非リア充が嘆く日だな」

「説明になってない」

「ま、てのは冗談じゃないけど冗談で、バレンタインデーのことです」

「あー、バレンタイン…って今日まだ2月14日じゃないけど」

「カカオ豆が今日ぐらいでダメになりそうなので」

「サラッとカカオ豆があるここ怖い」

「今日作っちゃいます」

「でもカカオ豆からチョコレートって家で作れるんか?」

「膨大な労力と多大な時間を使えば」

「大変そう」

「まぁ、できなかったらその時まで、やってみようよ」

「…いやだけど断れる空気じゃないしやるか」

「うんうん、それじゃあ早速」


そう言ってルイはそさくさと物置部屋に行きカカオ豆を取り出してきた

そんなに量はなかった

今までの経験上今回も多いのかなと心配していたヒロマサはほっと安心している様子


「これがカカオ豆です」

「現物を見るのは初めてだな、へー、写真通りだな」

「そんな代わりないからな」

「ただ…なんか思ってんのと違う、なんか小さい」

「これはカカオ豆だからな」

「よくガーナの紹介映像とかで流れてるあのラグビーボールとは違うのか?」

「あれはカカオの実だからな、あれを割って中にあるパルプっていう白いやつを乾燥、発酵とかさせたらこれになる」

「へー、使う事ないだろうけど勉強になったわー」

「それじゃあこれをローストさせていきます」

「ロースト?」

「オーブンレンジ用意、120度にして30分加熱!」

「長い!」

「長いな」

「こんな長いということは別作業が…」

「ない、特にない」

「暇かよ」

「そだな」

「えー、何しようかなー」

「それじゃあさっき言った『リア充撲滅の日』について語ろうかな」

「いや良いです」

「『リア充撲滅の日』ってのはなー、もちバレンタインデーだけどー、この日に我らがリア充撲滅委員会が色々するんだよ」

「はぁ」

「例えばなー…」


そこからは淡々とリア充に対する愚痴(すごい私情や偏見が入った)を語られた

ヒロマサが嫌と言ってもルイが語るのをやめないぐらい熱心に

その話はカカオ豆のローストの終わる30分間も続いた


「…だからリア充はリア銃でぶっ飛ばしてやりたいくらい…」

「あー!そういやもう30分立ったんじゃないー?」

「ん?あ、そうだな、それじゃあこの話は一旦、また後で…」

「良いわ、もう十分です。それよりもコレここからどうするの?」

「えーっとね、殻剥く」

「はいきたー、だるい奴ー」

「頑張って」

「なんかハンマーとかないんか?硬そうなんやけど」

「ない、頑張って」

「あんたもやれよ」

「俺トイレ」

「帰ってこーい?…行きやがった、しょうがねぇなぁ」


パキパキとカカオの殻をとっていく

中からは見慣れない黒い物体が出てきた


「ん?ナニコレ?」

「これを砕いて色々するとチョコのなるんやで」

「うわ、もう帰ってきたのか」

「ほんとにトイレ行くわけなかろう」

「んじゃあなんで行こうとしたんだよ」

「おもしろそうだったから」

「サイテー」

「はい手止まってるよ、そんなんだと終わらないよー」

「始めたのアンタだけどさ…まぁ良いや、続けるかー」


〜スーパー殻取り除くタイム〜

ヒロマサがテキパキと殻を割っていく

そして中の黒い実の胚芽をルイが取っていく

言ってなかったがカカオには胚芽(ジャーム)という雑味のもとになるものがある

もちろん取る、がその作業はすごく大変

どのくらいかと言うとそれだけに2〜3時間かかる

なのでヒロマサが殻を取り終わってもまだルイは胚芽を取り続けている

〜スーパー胚芽取るタイム〜に変わった


〜しばらくして〜


「胚芽取るのすごーく大変だったんだが!?」

「ピンセットあいにくないからなー」

「準備しとけよそれぐらい」

「無理だった」

「はぁ」

「まぁ終わったんだし次次、これ砕いて行くよー」

「お、ストレス発散になりそうなやつきたこれ」

「はいすり鉢と棒」

「俺がやれってか」

「ファイト」

「クソが」


と暴言を吐きつつちゃっかり砕いていくヒロマサ

お願い事を断れない男、さすが

カカオを砕く作業が楽しいのかルンルンで砕いていく

でもそれは長く続かず…


「あー!もうこれ硬すぎ!逆にストレス溜まりそうだわ!」


と叫びつつ半ギレ、大雑把になった

大雑把というか力任せ?に砕いていっている

そしてやっと砕き終わった


「おー、お疲れー」

「やっと終わった、肩と腕が死にそう」

「これで力仕事は終わりだから安心して」

「やっと終わりか」

「あ、嘘、まだあった」

「ざけんな」

「これ混ぜて」


そうしてルイが取り出したのは砂糖、バター、牛乳


「これを混ぜていこう」

「なんだただ混ぜるだけやん」

「だと良いね」

「?」

「はいすり鉢、俺が牛乳と砂糖入れてくから混ぜてて」

「わかった」


カカオを砕いたやつをゴーリゴーリと混ぜていく

材料を入れしばらく混ぜていくとよく見たようなチョコ色になってきた


「お?チョコになった?」

「いや、まだ。あと雑、綺麗に混ぜてくれ」

「いちいち細かいなー、こまけぇこたぁいいんだよ!」

「やる夫帰れ」


と話をしているうちに混ぜる工程が終わった

そしたらルイがボウルに入ったお湯を持ってきた


「?」

「今度はこれにすり鉢を入れながら混ぜるよ」

「うわ、やな予感する」

「ちな45℃キープな」

「出たよ温度厳守系、めんどいんだよ」

「頑張って」

「えー」


すり鉢をボウルに入れまた混ぜるヒロマサ

そこにルイがバターを入れていく

そしてしばらく混ぜていくと液体状から練り物?みたいなまとまってきた


「クソッ、固体になってきて混ぜにくい」

「この辺から混ぜるじゃなくて練るになってくるね」

「なんかコツない?きついんだけど」

「混ぜるじゃなくて突いてみて」

「わかった」


ドスドスと少し乱暴めにカカオ…いやこの見た目じゃあカカオに見えないのでチョコを突いていくヒロマサ

あ、これ楽だ、と調子を上げて突いていく

しかしこれまた続けていくとさっきよりもまとまってきて、団子のようになってきた

なので…


「て、手が動かない…混ぜにくい…」

「あー、もうそんなまできた?温度が低かったかなー…」

「まだ混ぜるの?」

「いや、そんなもんでいいよ、そしたらほんとは舌触りをよくしたり滑らかにするために色々するんだけどー、正直めんどくさいのでカット」

「カットして良いやつなの?」

「別に誰かにあげるわけじゃないし、食べれれば良いんだよ」

「ほんとかなぁ?」

「良いの、で、これ型ね」

「星がいい」

「はいどーぞ」

「こん中に入れていけば良いんだよね」

「うん」

「よーし」


さっき作ったチョコを溶かして型に入れていく

別に誰かにあげるわけでもない…というかあげる人がいない

現実は厳しかった

そして二人は型にチョコを入れ終え冷やし始めた


「これで終わり」

「なーがかった、6時間ぐらいかかったわ」

「カカオからチョコ作るのはやめといたほうがいいな」

「薄々わかってたけどな」


チョコレートはそのまま買ったほうがいい

そう学んだヒロマサとルイであった

ちなみにチョコレートは食後のデザートとして美味しく食べましたとさ

まぁ一応これバレンタインチョコである

…非リアよ、がんばれ

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