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サロンの毒蛇女たちと『令嬢』デビューした元皇子 前編
「くっ、苦しい……」
呼吸をするたび、コルセットが華奢な肋骨を容赦なく締め上げる。
鏡の中に立っているのは、純白のドレスを纏った儚げな美少女。
ライトゴールドの髪に、湖のように澄んだ碧の瞳。
――レーク侯爵家の"養女"、レイリア。
それが、元皇子・レナースの今の姿だ。
(男だった頃の重装甲冑より、この布の鎧のほうがよほど拷問だぞ……!)
ふにゃりと柔らかい自分の胸元を見下ろし、レイリアは小さくため息をついた。
今日のミッションは、社交界を牛耳るロゼリア公爵夫人のサロンで気に入られること。
失敗すれば、落ち目のレーク侯爵家ごとどこかの成り金貴族に売られてしまう。
(ふん、元皇子の戦術眼を見せてやる。いくぞ)




