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イメチェンしたら?

一方その頃

ユキノは地下水路でエディルを待っていた。


(遅いな……大丈夫かな)

(というよりあの人、お金なくない?)

(トラブルとか起こしてないよね……)

不安が次々と頭をよぎる。

人気のない地下水路。

静けさが余計に不安を煽る。

一人、じっと待ち続けていた。


――その時。

「ユキノー!」

「……エディル!」

声のした方を見ると、

服やら靴を抱えたエディルが走ってくる。

ユキノは思わず駆け寄った。


「大丈夫?問題起こしてない?」

「してねえよ」

「万引きとかしてない?」

「俺をなんだと思ってやがる」

心底不満そうな顔をするエディル。

ユキノはさらに問いかける。


「じゃあその服、どうやって買ったの?」

「ん?サービスしてもらった」

「嘘つけ」

「お姉さんに可愛いって言ったらもらえた」

あまりにも堂々とした回答。


「いやーいい人だったわ。見てこれ、靴もサービス」

一人で上機嫌なエディル。

ユキノは深くため息をついた。

「あんたって人は……」

「ほんと、ダメ男」


するとエディルは胸を張る。

「俺の生き様」

誇るな。

そう言いたくなるのを飲み込み、

ユキノは小さく呟いた。

「……まあ、ありがとう」

素直ではないが、礼は言う。

その様子にエディルは少しだけ満足げだった。



「何この服」

ユキノは手渡された服を見て眉をひそめる。

横ではすでにエディルが着替え始めていた。


「何って、服だけど?」

「そうなんだけど、こんなの着たことない」

「イメチェンできていいじゃん」


ユキノは改めて服を見る。

「……っていうかこれ、あんたと色違い?」

エディルは少し視線を逸らす。

「……彼女みたいで、いいかなって」

「誰が彼女だ」

即答だった。


「まあこれしかないしね。着てみる」

「おう、似合うかもよ」


ユキノは着替えようとして――

「……なんでこっち向いてるの?」

「だめなの?」

「あっち向け!」

「はいはい」

エディルは渋々背を向ける。

ユキノも背を向け、その隙に素早く着物の紐を解き始める。


――が。

嫌な予感がした。

振り返る。

エディルが、真顔で腕を組んで見ていた。


「お構いなく。続けて」

「ふざけんな」


無言で氷の壁を出現させる。

二人の間に、完全な遮断。

ドンドン、と壁を叩く音。

「ごめんってばー!」

情けない声が響くが、ユキノは無視した。

(あの野郎、あとで殴る)

そう思いながら、

慣れない服に袖を通す。

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