表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この世界はなんかおかしい  作者: 16時間
ニート人間界へ降り立つ
12/78

お姉さん、名前何ていうの?

二人はしばらく言い争っていた。


途中から取っ組み合いになり――

最終的に。

エディルが地面に押さえつけられていた。


「ちょ、待て!降参!降参!」

「最初から黙ってればいいのよ!」


数十分後。

二人とも、完全に疲れきっていた。


「はぁ……はぁ……」

「もう……疲れた……」

しばらく沈黙。


やがて。

「お前、なかなかやるな」

エディルがぽつりと言う。


女は少し驚いた顔をして――

「あんたもね」

短く返した。


顔を見合わせる。

思わず。

二人同時に笑った。

少し空気が軽くなる。




「……そういえばさ」

エディルが思い出したように言う。


「なに?」

「お姉さん、いくつ?」

「ここで年齢聞くの?」

少し呆れながら。

「二十歳だよ」


「は?!」

エディルが目を見開く。


「たったの二十歳?」

「若くない?」

「いや、あんたもそんなもんでしょ」

「ちょっと歳上っぽいけど」



その瞬間。

(……ああ、そうか)

エディルは理解する。


人間と魔族では、寿命が違う。

魔族は千年近く生きる種族。

エディル自身も、すでに四百歳。

だが、見た目は――

人間で言えば二十代半ば程度。


「……子供じゃん」

思わず呟く。


「えー?」

「成人してるけど?」


(いや赤ちゃんだろ……)

内心で思う。


だが。

魔族であることは、まだ伏せておきたい。

それ以上は何も言わなかった。



少しして。

「そういや、名前は?」


女は呆れたように言う。

「普通は名前から聞くよね」

「まずは年齢確認してから手を出すか考える派なの」

「……最低」

呆れながらも。

さっきほどの冷たさはない。

どうやら、この男のノリには慣れてきたらしい。


「私の名前はユキノ」

「ユキノ?」

エディルの顔が明るくなる。


「めっちゃ可愛いじゃん!」

「顔が可愛い子って名前も可愛いな!」

一拍。

「……殴ってくるけど」


「アンタが変なこと言うからでしょ」

ユキノが軽く返す。

また少し笑う。


「じゃあ、アンタの名前は?」

「俺?エディル!」

「……ふーん」

「なんか言えや」

「変……じゃなかった」


少し考えて。

「変わった名前だね」

「変って言ったよな今」

納得いかない顔をするエディル。


ユキノは気にせず続ける。

「じゃあ私も聞くけど」

「年齢は?」


「俺?」

一瞬、言いかける。

「4――」


(やば)

(400とか言ったらドン引きされる)

(というか魔族バレる)


「……じゃなくて」

少し咳払い。

「26歳かなぁ」


「年齢に疑問形ってあるの?」

ユキノがくすっと笑う。

どうやら深くは突っ込まないらしい。


(助かった)

エディルは内心で安堵する。


その時――

ぐぅぅぅ……

腹の音。


「今のエディル?」

「うん」

素直に頷く。


「お腹すいたの?」

「色々頑張ったら疲れた」

「じゃあ、どっか食べに行こうか」

「是非!!お願いします!」

即答。


こうして二人は――

とりあえず食事へ向かうことになった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ