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天才魔法オタクが追放されて辺境領主になったら、こうなりました  作者: 優木凛々
第6章 村人輸送と転移陣のその先

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02.アリス、野菜箱の方向性を決める

 


【起動・そよ風:魔法陣】



 紙が輝きを帯び、背後から風が吹いてきた。

 同時に、まるで氷の上を滑るように、野菜箱がすうっと前に進み始める。



「おおおお!!」



 フィンロイが喜びの声を上げた。

 リットとガンツも目を輝かせながら追い掛けてくる。


 アリスは密かにドヤ顔をした。

 こう素直に驚かれると、なんだかすごいことをしている気持ちになる。


 その後、野菜箱は空き地をゆっくり一周した。

 曲がるときは、後ろのテオドールが体を傾けて向きを変える。


 そして、静かに着地をすると、フィンロイが深く息を吐いた。

 キラキラした目で立ち上がる。



「いやいや! 実に素晴らしい体験だった!」



 次はガンツの乗り、最後にリットが乗ると、

 3人は興奮気味に言い合った。



「確かに飛んでいたな!」

「ええ、すごい体験をしてしまいました!」



 アリスは頭を掻いた。

 ここまで驚かれると、なんか妙に照れる。


 彼女は照れ隠しをするようにコホンと咳払いすると、口を開いた。



「今後ですけど、まずは試作品として小さめのものを作ってみてはどうかと思っています」



 フィンロイが、なるほど、とうなずいた。



「いい考えだと思う。小さいのから大きいのに広げていく感じか」

「はい。あとはビクトリアさんの言う『安全』をどう実現するかですね」



 ガンツが首をかしげた。



「俺の感覚では、この乗り物は十分安全のような気がするがな」

「私もそう思いました。思ったより揺れませんし」



 リットもうなずく。



(だよねえ)



 アリスは内心点頭した。

 彼女自身も、野菜箱は非常に安全な乗り物だと思っている。



(わたしの魔力が切れなければ絶対に落ちないしね)



 ちなみに、ビクトリアは暗に「スピードが出過ぎることを危険」だと言っていたのだが、話はおかしな方向に進む。


 ガンツが、テオドールに尋ねたのだ。



「お前さん、カスレ村からこっちに来るとき、危険だなと思うこととかあったか?」



 そうですね、とテオドールが考え込んだ。



「……魔獣から逃げきれなかった時は危ないと思いました。それと、枝が邪魔で降りた時に魔獣に襲われたこともありました」

「確かに。急ブレーキかけて、降りて戦わなきゃいけなかったもんね」



 アリスが同意する。

 フィンロイとガンツが、合点がいったような顔をした。



「やはり魔獣が一番の脅威ということですね」

「確実に逃げ切れるように、スピードが上がるようにした方が良さそうだな」




 アリスは「なるほど」と顎に指を添えた。

 確かに、ある程度スピードを上げた方が機体が安定するし、魔獣からも確実に逃げ切れる。

 飛行時間が短くなれば、その分危険も減る。



「じゃあ、安全性確保のために、今よりもスピードアップする方向で改善していきましょう」

「そうだな」

「賛成だ」



 ビクトリアの言う「安全性」とは対極の方針とは露知らず、全員が同意する。


 その後、5人は今後について相談した。


 アリスとガンツ、フィンロイが機体を整備し、

 リットはテオドールと一緒にテストコースの準備することになる。



(なんか楽しいことになりそうな気がする!)



 アリスがワクワクしながら、ぺこりと頭を下げた。



「じゃあ、これからよろしくお願いします」

「了解です!」

「こちらこそ楽しみだ!」



 4人が笑顔でうなずく。


 その後、アリスたちは一旦古城に戻ることになった。


 ガンツとフィンロイが楽しそうに議論しながら前を歩き、アリス、テオドール、リットの3人がその少し後ろを歩く。


 歩きながら、リットが感心したように言った。



「アリスさんって、意外とテキパキしてるんですね、びっくりです」

「ええ、俺も驚きました」



 2人とも、アリスがリーダーということで、結構ふんわりやるかと思っていたらしい。


 アリスは頭を掻いた。

 まあ、確かに普段だったらそうやっていたかもなと思う。



「でも、今回移住を言い出したのはわたしだし、しっかりやらないとなと思って」



 アリスの言葉に、テオドールが目を細めた。



「そうですか、じゃあ俺もがんばらないとですね」

「私もね!」



 リットが笑顔になる。


 その後、5人は古城に戻り、それぞれの仕事を開始した。






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