表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転生したら辺境伯爵家で歴代最強だった??これから人生楽しみます~   作者: みずみ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

2/4

迷子と銀髪の少女

初めての外の世界。


「父様、馬車から降りて歩いてみたいです」


「わかった。ただ、絶対に離れてはいけない」


そして姉様と兄様と一緒に外に出た。

兄はこれが外の世界だぞと満足そうに俺に言ってきた。

すごい。領地の市場にはたくさんの人がいる。商人や冒険者、いろんな人が行き交っている。こんな光景は前世になかった。ほんとに転生したんだと、実感した。

興奮したミラーは、父様の言葉を無視して奥に進もうとした。

だが、兄様に引き止められた。


「これ以上行ったら迷子になるよと、」


どうしても一人で回りたかった。


――なぜなら、前世で読んだ小説の主人公たちは皆、一人で冒険者ギルドに足を踏み入れていたからだ。自分もそんな体験をしてみたかった。誰にも干渉されず、自分の目でこの世界を見たかった。

そこで俺は、子供らしく走って町を回りに行った。

そして一人になってから、俺は思った。


(よし、冒険者ギルドなんてあるのかな?)


探し回った。だが、探せば探すほど、どんどん離れていってしまう。

気づけば、迷子になっていた。

あたふたと困っているその時――

銀髪の、青い瞳をした女の子に出会った。

その女の子は、恐らく同い年くらいだった。


「どうしたの?」


彼女が首を傾げて尋ねてくる。

俺は貴族ということは言わずに、こう答えた。


「道に迷ってしまって……でも、どこに戻りたいのかも分からない」


すると彼女は、あっけらかんと言った。


「なら、一緒に町を回ろっか?」


最初は迷子になったことを心配していた。だが、だんだんこの子と回っているうちに、不思議と安心してきた。


「あなた、名前はなんて言うの?」


「俺は……ミラー。君は?」


「クレアよ。ルートレイ・クレア。よろしくね!」


彼女はにこにこと笑った。


「それで、なんで迷子になったの?」


「父様と離れてしまって……」


「そーなんだ。私、この町詳しいから、いろいろ案内するよ! ついでにさがそ!」


「ありがとう!」


二人で歩きながら、クレアが町の真ん中で立ち止まった。


「見て、ミラー。ここ町の真ん中の銅像。」


俺は像を見上げる。立派な剣を掲げた男の像だ。


「これはこの国の勇者様の像。昔の勇者……伝説の勇者の人なんだって」


「この国に勇者なんているのか。……」


まだ知らないことがたくさんある。


「ねえ、クレア。もっと教えて欲しい。この国のこと」


「えー、いいけど……なんで?」


「それはね――」


答えようとしたその時だった。


「おーい、ミラー!」


姉のエリと兄のカイが走ってくる。その後ろには、父のレイスもいた。


「ダメだろ、こんなとこにいたら!」


「なんで一人で出ていったりしたんだ!」


「父様……すいません。向こうに美味しそうなものがあって、食べたくなって」


「それでもダメだろう。とりあえず家に戻ってから話を聞こう」


姉と兄が、心配そうに覗き込む。


「ミラー、大丈夫?」


「うん、大丈夫だよ。この子のおかげで楽しく過ごせたんだ」


クレアを見る。彼女はにっこりと笑った。


「会えて良かったね、ミラー」


「うん、ありがとう。クレアのおかげだよ」


俺は父に向き直った。


「父様、もっとクレアと話したいです」


だが、父・レイスは首を振った。


「ダメだ。もう帰るぞ」


逃げ出したこともあいまって、俺は無理やり馬車に乗せられた。


馬車が動き出すその時、俺は大きな声を張り上げた。


「また会おうな、クレア!」


窓の外で、クレアが手を振っていた。


---


家に帰ると、父の説教を受けた。


そして、当分は町に連れて行ってもらえそうにない。


(でも……)


ラウルス・ミラーは考えた。


(自力で家から町に行く方法を……)


(何とか考えてやる)


そう心に誓った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ