判断と意思
(豪紫と摩那)
「尊!」
「遅いじゃん・・・」
豪紫の呼び掛ける先には、傷だらけの朝比奈が辛うじて立っていた。
「ひゃひゃひゃひゃ!」
雷は、高い木の上で狂った様な目で豪紫達を見つめる。
手に付けていた長い鉄の爪は朝比奈の血で赤黒く染まり、不気味な光を放っていた。
「次は、どっちがくるの?」
雷は、爪に付いていた朝比奈の血を舐めながら狂った様にそういってくる。
「豪紫様。」
「何?」
「私が囮になります。敵を引き付けている間に朝比奈様を…」
豪紫は戸惑っていた。
摩那からそのような言葉が出るとは思わなかったからだ。
そこにいたのは、自分の指示通りに動く武具ではない…
摩那という1つの存在になっていた事に…
「次はお前なんだ!マジでうまそ~!来いよ!」
「では・・・」
摩那は、両手に大きな扇子を広げると雷と同じ高さまで舞い上がる。
「お手合わせお願いいたします。」
摩那は微笑みながら雷にそう申し出た。
その姿を、豪紫は不安な気持ちで見守っていた・・・。
(山王)
「待ってたぜ!死神!」
山王の目の前には、意識を失いかけている不動が捕まっていた。
焔は、不動に膝蹴りを入れると、浮き上がっていく不動の身体に思いっきり刀を突き刺した。
血を吐き、もがき苦しむ不動。その光景を見ながら
「俺はまだ暴れたりねぇんだよ…殺りたりねぇんだよ!もっともっとボコボコにしねぇと気がすま
ねぇ!」
と、山王に向かって怒りに充ちた顔で言い放つ。
「お前の処刑執行を執行する!次はお前を血祭りに揚げてやるよ!」
焔は、黒く輝く2つの刃を山王に向け、狂った様な目で睨み付けた…
山王は、焔を見つめながら胸元に忍ばせていた小さな袋を上に放り投げた。
すると、その袋の中からたくさんの手術道具が飛び出すと、それぞれが意思の持つ武具に変わり始めた。
1つの武具へと・・・。




