↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
32/38

第30話 春季演習の開幕と、ギルド長への「確認」

この度は数ある作品の中からこの作品を選んでいただきありがとうございます。

晴れ渡る春空の下、学園の大演習場には大勢の生徒と王立騎士団の面々が集まっていた。


「ハハハ! 見ろマリア、今日の春季演習にはあの噂のS級冒険者《白銀の粉砕姫》が来られるそうだ! 本物の凄腕の剣技、しっかり目に焼き付けるが良い!」


「まあ、素敵ですわレナード様! でも、どれほど強い冒険者様でも、レナード様の凛々しい剣技には敵いませんわねぇ」


相変わらずマリアと腕を組み、重心を右に傾けながら威風堂々と(?)語り合うレナード王子。

見学席の最前列で上品に日傘を差す私は、冷ややかなポーカーフェイスを崩さないまま、心の中で冷静に分析していた。

(……踏み込みの瞬間に膝が内側に入っているわね。あれでは殿下のパワーが外に逃げてしまうわ。大臀筋の締めが甘いですわね)






演習場の中央では、汗だくのギルド長が巨大な『魔鋼鉄の鍛錬ダミー』をドンと設置していた。


「ギルド長、例の特別講師のお方は……!?」


「あ、あのお方は体調不良(?)のため、代理でこのダミー人形をご準備された!!」


(ふふ……勝手に私を推薦してくれた件は後でゆっくりお話しするとして、あのダミーには昨夜こっそり『体幹バリア(魔力密度の超強化)』を施しておいたけれど、どうかしら?)


「ふん、ダミー人形か! 拍子抜けだな! 僕の完璧な一撃を見よ!!」


レナード王子が自信満々に大上段から全力で振り下ろす。

次の瞬間――



キーーーーーンッ!!!!

激しい金属音とともに王子の剣が根本からバキッとへし折れ、その衝撃で王子自身が尻餅をついて転がった。


「ぐはっ!? な、なんだこの硬さは……!? 腕が痺れて……!?」


「まあっ!? レナード様ぁぁ!?」


悲鳴を上げるマリアと呆然とする騎士たち。


「あらあら、殿下。ご自身の軸が完全に崩れて衝撃をそのまま受けてしまいましたわね。まずは体幹を鍛え直すことをお勧めいたしますわ」


優雅にお茶をすする私を見て、隣のヴィンセント様は

「(絶対あのダミーに手を加えましたね……)」

と遠い目をするのだった。






演習が終わった放課後。王都の冒険者ギルド長室の扉が、静かに開かれた。


「ごめん遊ばせ、ギルド長さん」


伊達メガネをかけた私が可憐に微笑みながら入っていくと、ギルド長は「ひぃっ!?」と悲鳴を上げてガタガタと震え出した。


「フ、フラン様……!?」


「ええ、少しお尋ねしたいことがありまして。学園の演習の特別講師……私が断る前に、勝手に受諾して推薦を出してくださいましたわね?」


背後から静かに放たれる圧倒的な体幹のオーラに、部屋の空気がミシミシと重くなる。


「ひぃえぇぇ!! 違うんです! 騎士団長から『S級を派遣しなければ予算を削る』と脅され、ダミー人形の準備だけで済ませる条件でつい……!」


滝のような汗を流して平伏するギルド長。


『なるほどね! ギルド長さんも組織を守るために必死だったんだね、フラン!』


ピピのフォローを受け、私はすっと圧を収めて花が咲くような可憐な笑顔に戻った。 


「……組織の体幹を維持するのも大変ですものね。理由が分かりましたから、今回は不問に処しますわ」


「ほ、本当ですか……!?」


「ええ。ただし……次の休みは、さらに高負荷なS級依頼を優先的に回していただきますわね?」


「は、はいぃぃ!! 喜んで最高に危険で高負荷な依頼をご用意させていただきますぅぅ!!」


胃を押さえるギルド長に満足の微笑みを浮かべ、私は次なるトレーニング計画へと思いを馳せるのだった――!

ご視聴いただきありがとうございました。本作の原作にあたる作品も、ぜひあわせてお読みいただけますと幸いです。

https://ncode.syosetu.com/n8541ml/

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。