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第20話 賢すぎる第二王子と、見抜かれた「圧」

この度は数ある作品の中からこの作品を選んでいただきありがとうございます。

第一王子レナードが尻餅をついて逃げ帰った翌日。

王宮の書斎では、側室の息子である第二王子(5歳)が、兄の不甲斐ない報告を聞いて深々とため息をついていた。


「……はあ。兄上は本当に愚かだな。『フランシスカ令嬢を押してもビクともしなかった』だと? それを病弱な令嬢相手に堂々と言う神経が理解できない……」


第二王子は洗礼式の際、大聖堂の貴賓席からフランシスカの足元と重心の位置を目撃していた。

あのぬめり深い泉の中でミリ単位のブレもなく立ち続けていた姿――あれは病弱どころか、熟練の武芸者すら凌駕する領域だった。


「(……あの令嬢、一体何者だ? アイゼンベルク侯爵家は『病弱』と偽ってどんな怪物を育てているんだ……?)」


知略に長けた第二王子は、兄のように力で抑え込むのではなく、「友好的なアプローチ」でアイゼンベルク侯爵邸へと丁寧なお茶会の打診を送ることにしたのだった。













数日後。アイゼンベルク侯爵邸の庭園。


「初めまして、フランシスカ嬢。第二王子のヴィンセントです。本日は急な訪問を受け入れていただき、感謝します」


やってきたのは、5歳とは思えない気品と知性を漂わせる黒髪の少年・ヴィンセント王子だった。

横柄だったレナードとは天と地ほどの差がある丁寧な挨拶に、お父様とお兄様レオも少しだけ警戒を緩めている。


「ヴィンセント殿下、ようこそお越しくださいました」


私が可愛らしくお辞儀をすると、ヴィンセント王子は私の顔をじっと見つめ、そっと声を潜めて囁いてきた。


「……フランシスカ嬢。単刀直入に伺いますが……あなた、兄上を物理的に返り討ちにしましたね?」


(おっと……!? この子、察しが良すぎる……!)

私が一瞬目を丸くすると、ヴィンセント王子は苦笑いを浮かべた。


「安心してください、責めるつもりはありません。むしろ、あのような愚かな兄の婚約者になど、あなたのようなお方が収まるべきではないと思っています。……もしよろしければ、私が王妃派の動きを裏で牽制し、あなたとアイゼンベルク侯爵家を守る手助けをさせてもらえませんか?」


「えっ……? ヴィンセント殿下が私たちを……?」


ヴィンセント王子は、チラリと私の背後に佇む(圧倒的なオーラを放つ)私を見つめ、静かに頷いた。


「(……理由? 簡単ですよ。あなたを敵に回したら、物理的に我が国が滅びそうだからです)」


(めちゃくちゃ察しが良いーーーーーっ!!)

心の中で思わずツッコミを入れる私。

だが、ヴィンセント王子が本気で協力しようとしているのは『ステータス鑑定』でも丸わかりだった。 








【対象:第二王子ヴィンセント(5歳)】

本 心: フランシスカと敵対するのは絶対NG。アイゼンベルク侯爵家と協力して王妃派を失脚させ、自らが健やかな国を作りたいと思っている。



(なるほど……! 賢い味方ができたわね!)


「ふふ、ヴィンセント殿下。私、お友達になれそうですわ!」


私がニッコリと満面の笑みを浮かべると、ヴィンセント王子はほっと胸を撫で下ろした。


「……光栄です。それでは早速、仲直りの印として……私が用意した特製の紅茶を……」


「あ、ヴィンセント殿下! 紅茶も素敵ですが、私のお手製スイーツを召し上がっていってください!」


ここで私の『至高の料理』の出番だ!

アイテムボックスから取り出したのは、完璧なマクロ栄養素(タンパク質&各種ビタミン)で構成された【特製・極上イチゴタルト】!

一口食べたヴィンセント王子は――




「っ~~~~~~~!!?? な、なんだこの美味さは……!? 頭脳が急速にクリアになり、集中力が極限まで高まっていく……!!」


あまりの美味さと効果に、目を丸くして震え上がるヴィンセント王子。

(ふふん! 賢い第二王子様の胃袋も、これで完全にゲットね!)

こうして、賢すぎる第二王子・ヴィンセントという強力な協力者(&フランの料理のファン)を得た私。

王妃派とレナード王子の孤立はいよいよ決定的となり、物語はスカッとする最終決戦へと動き出すのだった――!

ご視聴いただきありがとうございました。本作の原作にあたる作品も、ぜひあわせてお読みいただけますと幸いです。

https://ncode.syosetu.com/n8541ml/

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