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第19話 アポなし王子と、圧倒的体幹(物理)の威圧

この度は数ある作品の中からこの作品を選んでいただきありがとうございます。

「ふははは! アイゼンベルク侯爵、出迎えご苦労! 僕の婚約者候補(仮)の顔を直接見に来てやったぞ!」


侯爵邸の豪華な応接室に、アポなしで上がり込んできたのは第一王子レナード(7歳)だ。

取り巻きの騎士を二人連れ、7歳とは思えない横柄な態度でソファーにどっかりと腰掛けている。

(……人の家に勝手に乗り込んできて、なんて失礼なお坊ちゃんなのかしら)

私とお父様、そしてお兄様レオが応接室に入ると、レナード王子はニヤニヤとした嫌みな笑みを浮かべて私を指さした。


「おい、フランシスカ。病弱のモヤシっ子だと聞いていたが、案外可愛らしい顔をしているじゃないか。僕に感謝するんだな! 僕の妃にしてやれば、一生贅沢をさせてやるぞ!」


勝ち誇ったように言い放つレナード王子。

その瞬間、お父様の額にピキッと青筋が浮かび、お兄様の瞳から光が消えて「極寒の微笑み」へと変わった。


「王子殿下。我がアイゼンベルク侯爵邸への事前のご連絡もなく、さらに我が愛しき娘ルミィへの不敬な発言……王族といえど看過いたしかねます」


「ふん! 侯爵、堅いことを言うな! どうせこの女も、僕の格好いい姿を見ればイチコロなんだからな!」


(あ、ダメだわこの子。完全に勘違いのナルシストだ……)

私はあきれ果てつつも、こっそり『ステータス鑑定』を発動してみた。







【対象:第一王子レナード(7歳)】

体 力: 15 / 15

筋 力: 8 / 8

特記事項: 運動不足。我まま。筋力・体幹ともに同年代の平均以下。




(弱っ……!? 筋力8って何!? 私の体力・筋力9,999に対して、あまりにも貧弱すぎる……!)

自分のステータス(体力9,999、金剛石級の体幹)と比べ、圧倒的な能力差に呆れてしまう。


「さあフランシスカ! 僕の前に膝を折り、手を取って誓いのキスをしなさい!」


調子に乗ったレナード王子が立ち上がり、私の手を取ろうと威風堂々と(?)歩み寄ってきた。

そして、私の肩に上から威圧するように手を置こうとした――その時だ。

(ん……? 押し倒すつもり……?)

私は一歩も引かず、その場に黄金の体幹でドッシリと仁王立ちした。

腹筋と背筋、下半身のインナーマッスルにキュッと力を入れ、完璧な軸を形成する。


「えいっ」


「ぬぐっ……!? な、なんだこの女……!? びくとも動かない……!?」


レナード王子が体重をかけて私を押し倒そうとするが、私の体はまるで巨大な金剛石の巨岩。ミリ単位すら揺るがない。

それどころか、あまりの硬さとブレなさに、レナード王子の方が自分の力に負けて「すてーん!」と派手に尻餅をついた。


「ひゃっ!? 王子殿下、大丈夫ですか!?」


「な、なんだ今のは……!? 押しても引いても、まるで山のように動かないぞ……!? お前、本当に病弱な人間なのか……!?」 


尻餅をついたまま、青ざめた顔で私を見上げるレナード王子。

隣で気配を消しているピピが、

「ふふっ、フランの体幹に挑むなんて100年早いよ」とくすくす笑っている。


「王子殿下、大丈夫ですか? 私、とっても病弱ですので、強く押されると困ってしまいますわ?」


私は完璧な白鳥の微笑みを浮かべ、首をちょこんと傾げてみせた。

だが、その背後に漂うのは『体力9,999』の圧倒的な物理のオーラだ。


「ヒッ……!! こ、今日のところはこれくらいにしておいてやる! 覚えてろよー!」


私の圧倒的な存在感(物理)に恐怖したレナード王子は、情けない悲鳴を上げながら、取り巻きの騎士と一緒に逃げるように去っていったのだった。


「ルミィ……! よくぞあの生意気な王子を撃退してくれた……!」


「さすが僕のルミィ! 立ち姿だけで敵を粉砕するなんて完璧だよ!」


お父様とお兄様に撫で回されながら、私は心の中でニヤリと笑う。

(ふふん、私の筋肉と体幹を舐めないでよね!)

こうして、乗り込んできたレナード王子を見事に撃退した私。

しかし、この一件がきっかけで、今度は賢すぎる第二王子がアイゼンベルク侯爵邸に興味を持ち始めるのだった――!

ご視聴いただきありがとうございました。本作の原作にあたる作品も、ぜひあわせてお読みいただけますと幸いです。

https://ncode.syosetu.com/n8541ml/

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