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第18話 極上の高タンパクお弁当と、王妃派の焦燥

この度は数ある作品の中からこの作品を選んでいただきありがとうございます。

悪徳使者を追い払ってから数日後。


「失礼します、王妃様……。アイゼンベルク侯爵家への『契約書』の件ですが……失敗いたしました……」


王宮の一室では、青ざめた使者子爵がガタガタと震えながら報告していた。

豪華な椅子に座る王妃と、その隣で不機嫌そうに果実を噛みちぎる第一王子レナードが、激昂して机を叩く。


「お愚か者め! たかが5歳の病弱な小娘一人、なぜ契約書にサインさせられぬのだ! アイゼンベルクの財産と聖女の血を引き込めねば、第二王子派(側室の息子)に後れを取るのだぞ!?」


「ひ、ひぃぃっ! ですが、奴らはなぜか隠しインクの件も私の横領もすべて見抜いておりまして……!」


「ちっ……使えん奴め。おい、僕の婚約者候補(仮)だろ? だったら僕が直接出向いて、あの病弱なモヤシっ子を分からせてやる。僕に従えば優しくしてやるとな!」


レナード王子が嗜虐的な笑みを浮かべ、企みを深めていた――。






そんな王宮のドロドロとした企みなど露知らず。

アイゼンベルク侯爵邸の広大な庭園では、私とピピ、そしてお兄様レオによる『ピクニック兼・体幹トレーニング』が行われていた。


「さあフラン、青空の下での自重スクワットは最高のメンタルケアだよ」


「うん! ピピ、フォームチェックお願いね!」


「完璧だよ、フラン! 膝が爪先より前に出ていない、素晴らしい体幹だ」


可憐なドレス姿で完璧なフォームのスクワットをこなす私を、木陰のティーカップを握りしめたお兄様が、ウットリとした目で見つめている。


「ハァ……今日もルミィが天使のように可憐だ……。あんなに美しいフォームでスクワットをする5歳児がこの世に存在するだろうか、いや存在しない。ルミィ、疲れていないかい? 僕が抱っこして運ぼうか?」


「お兄様、大丈夫です! 全然疲れていません!」


病弱の呪いが解け、さらに『至高の料理』の恩恵を受けている私の体力は無限大だ。

運動を終えた私は、ニッコリと微笑んでアイテムボックスを起動させた。


「お兄様、ピピ! お腹が空いたので、私が作ったお弁当を食べましょう!」


ポンッ、と空間から取り出したのは、時間停止のアイテムボックスで保温されていた【極上・特製ローストビーフサンド&高タンパク薬膳スープ】!

『至高の料理』スキルで魔法の如く旨味が極限まで引き出されたお肉の香りが、庭園全体にふわりと広がった。


「な、なんだこの芳醇で食欲をそそる香りは……!? 5歳のルミィが作ったとは思えない……!」


お兄様がおそるおそるサンドイッチを一口かじる。


「っ~~~~~~~!!?? 美味い……美味すぎる……!! お肉が口の中で解けて、ジュワッと広がる肉汁と共に全身の筋肉と魔力が細胞レベルで喜んでいる……!!」


あまりの美味さに涙を流し、感動に震えながら爆速でお弁当を平らげるお兄様。

姿を消しているピピも、私の肩の上で小さくお肉をつまみ、

「フラン、この焼き加減とタンパク質の補給効率、神レベルだよ……!」

と目を輝かせている。


「ふふん、喜んでもらえてよかった!」


お父様とお母様、そしてお兄様の胃袋は、すでに私の『至高の料理』によって完全に掴まれていたのだった。

(ふふ、家族も幸せだし、ご飯も美味しいし、最高ね!)

美味しくお弁当を食べ終え、のほほんと平和を満喫する私たち。





だがその時、侯爵邸の門の前で、何やら騒がしい馬車の音が響き渡った。

『第一王子レナード様のお成りであるー!』

(げっ……あの生意気そうな豚王子が、直接乗り込んできたの……!?)

ピピと顔を見合わせ、私は「やれやれ」と小さく肩をすくめるのだった――!

ご視聴いただきありがとうございました。本作の原作にあたる作品も、ぜひあわせてお読みいただけますと幸いです。

https://ncode.syosetu.com/n8541ml/

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